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2021.07.05

【認知症とは】基本を知ろう!原因・症状・治療や予防法について

「加齢によるもの忘れ」と「認知症」は異なります。この記事では、認知症とはどんな病気なのか、認知症の種類や症状、治療法、予防法などについて解説します。


認知症は高齢になるほど発症する可能性が高くなると知られています。認知症は誰でもなる可能性があることから「大切な家族が認知症になったら」「いつか自分もなるかもしれない」など、心配になることもあるかもしれません。そのようなときのために、正しい知識と理解を持って、適切な対応ができるようにしておきたいですね。

この記事では、認知症の種類や原因、症状や予防法など、認知症の基本を解説していきます。大切な家族のために、将来の自分のために参考にしてください。




認知症とは


認知症とよく聞きますが、詳しいことは知らないという人も多いかと思います。「加齢によるもの忘れ」との違いもわかりにくいものです。そこで、まずは認知症の基本的なことについて紹介します。


認知症はどのような病気?

「認知症」とは一つの病名を示しているのではなく、脳の病気や障害などによって、記憶や思考などの認知機能が持続的に低下する症状や状態の総称です。原因や症状別に「アルツハイマー型認知症」や、「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」「血管性認知症」などの種類があります。認知症は一般的に高齢者がなりやすいものですが、若年層で発症するケースもあり、65歳未満で発症した場合を「若年性認知症」といいます。


日本国内では、高齢化が進むとともに認知症高齢者数が増加しています。「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 九州大学 二宮教授)によると、2012年の時点では認知症高齢者数は462万人で、65歳以上の高齢者の約7人に1人だったものが、2025年には675万〜730万人と推計されており、高齢者の約5人に1人 が認知症になると試算されています。 


老化現象によるもの忘れと認知症の違い 

年を重ねると多くの人が、「あれ、何だったかな?」というように、人やものの名前などが思いだせなくなる「もの忘れ」が増えることもあります。しかし、このような「もの忘れ」の多くは加齢による「脳の老化」が原因で、認知症とは異なります。


以下に「加齢によるもの忘れ」と「認知症」の違いを表にしました。以前より「うっかりミス」や「もの忘れ」が増えてきたと感じたら、以下の表を参考にしてみてください。認知症は、早期発見・早期対応することで進行を遅らせることができます。 



認知症の主な種類と原因

認知症には上述のとおりいくつかの種類がありますが、3大認知症と言われるのが、「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」です。なかでも最も多いとされるアルツハイマー型認知症は、日本の認知症全体のおよそ7割を占めるほどです。


では、3大認知症と呼ばれる「アルツハイマー型認知症」、「レビー小体型認知症」「血管性認知症」の特徴を見ていきましょう。 


アルツハイマー型認知症 

アルツハイマー型認知症の原因はまだ不明です。しかし、アミロイドβ(Aβ)というタンパク質が脳に蓄積して神経細胞が減少し、脳が萎縮して起こると考えられています。症状は緩やかに進行していきます。

もの忘れや同じことを何度も聞き返すなどの症状から始まり、行動・心理状態(BPSD)として妄想や幻覚、夜間せん妄、行方不明なども起こる場合があります。


血管性認知症 

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などによって脳細胞が損傷を受け壊死し、その部分の機能が低下することで起こる認知症です。原因となる疾患によりますが、急に発症し、よくなったり悪くなったりを繰り返しながら段階的に進行します。

症状は脳の障害を受けた部位によって異なり、認知機能障害や、「感情失禁」と呼ばれる急激な感情の起伏、抑うつ状態、意欲の低下、他にも歩行障害や排尿障害、手足の麻ひなどが見られます。


レビー小体型認知症 

レビー小体型認知症は、脳にレビー小体と呼ばれるαシヌクレインというタンパク質ができ、蓄積された場所の神経細胞を損壊することで起こります。

特徴的な症状に「幻視」があり、ほかには睡眠中に怒鳴ったり奇声をあげたりするなどの異常言動もあります。また、手足の震えが出たり転びやすくなったりする場合もあります。



認知症の症状


認知症の症状は、「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」に分けられます。 

「中核症状」とは、脳の細胞が損壊を受けることで引き起こされる直接的な症状で、記憶障害や理解力・判断力の低下、見当識障害、遂行機能障害、失語・失行・失認識などの症状があります。投薬治療によって進行を遅らせることはできますが、進行を止めることはできないとされています。 


その中核症状に本人の性格や周囲の環境などが影響して二次的に引き起こされる症状が「行動・心理症状(BPSD)」です。不安や抑うつ、行方不明、せん妄、幻覚、介護拒否など、本人の性格や環境、心理状態によって出現します。これらは周囲の適切な対応やリハビリで改善するケースがあります。 


認知症の診断


多くの病気と同様に、認知症も早期発見・早期対応が重要です。認知症の疑いがある場合は、速やかに専門医による診断を仰ぎましょう。

かかりつけの医療機関がある場合は、そこから専門医を紹介してもらい、かかりつけがない場合は、認知症を専門とする精神科や脳神経科、老年科などを受診してみてください。地域包括支援センターで医療機関の情報を得ることもできます。


【関連記事】認知症に関連する医療機関検索

認知症の診断は、次のような手順・検査によって総合的に行われます。


1.問診…本人、家族から症状を聞き取り 


2.神経心理検査…MMSE(ミニメンタルステート検査)、長谷川式認知症スケール(HDS-R)などを用いて記憶障害などを調べる


3.脳画像診断検査…脳に萎縮がないかを調べるMRIやCT検査など


4.一般的身体検査…必要に応じて血液検査や心電図検査、感染症検査、X線撮影など



認知症の治療法


認知症の種類や症状に合わせて薬物療法と非薬物療法が行われるのが一般的です。


たとえば、アルツハイマー型認知症と、レビー小体型認知症の中核症状については、薬物療法で改善が期待できます。進行を止めることはできませんが、中核症状の進行速度を抑制することを目的に行います。血管性認知症には、効果の認められる薬はありませんが、脳卒中の再発予防として高血圧などの治療を行います。 


また、行動・心理症状(BPSD)に対する治療は、脳を活性化して残された脳の機能を維持したり、不安や妄想などの症状を軽減したりすることを目的とした非薬物療法を主体として行います。非薬物療法にはさまざまあり、理学療法や作業療法などのリハビリテーションや、音楽療法、アニマルセラピーなどがあります。症状によっては、抗精神病薬や抗うつ剤、睡眠薬などの向精神薬や漢方薬などを利用することもあります。 


残念ながらまだ、認知症を根本的に治療できる薬は開発されていません。しかし、薬物療法と非薬物療法によって進行を遅らせたり、日々の生活の改善を目指したりすることは可能です。また、内科疾患によって起きる認知症など、治療可能なものもありますので「認知症かも」と心配になったら、すぐに医師に相談することをおすすめします。 


認知症の予防法

予防についても、まだ確実な方法というものは見つかっていません。しかし、特にアルツハイマー型認知症の発症には、生活習慣や環境による影響があることがわかってきています。できるだけ認知症にならないように、または発症時期を遅らせるための予防対策に取り組みましょう。


日々の生活を見直してみよう 

認知症予防には、「認知症のリスク要因となる病気を予防すること」「認知症で低下する能力を鍛えること」が大切です。そこで、食習慣や運動習慣など、認知症予防法を以下にまとめました。毎日の暮らしに意識して取り入れましょう。


・食習慣…よくかんで食べ、塩分、糖質をとり過ぎないようにしましょう。また、ビタミンA、C、E、ビタミンB群、DHA・EPA(魚)、ポリフェノール(赤ワイン、緑茶など)などを摂取するのもおすすめです。 

【関連記事】認知機能維持への近道は食生活にあった~老化に関する長期縦断疫学研究~


・運動習慣…1回30分程度、週3回以上の有酸素運動をしましょう。筋力低下を防ぎ、脳に刺激を与えることができます。


・知的行動習慣…脳を使って刺激を与えます。ゲームや読書、計算などもいいでしょう。

【関連記事】認知機能と知的活動について


・コミュニケーション…人との会話やコミュニケーションを積極的に取ることも脳を活性化させるとされています。


・睡眠習慣…朝起きたら2時間以内に太陽光を浴びてください。昼寝は30分未満にとどめましょう。


軽度認知障害(MCI)の早期発見がカギ 

認知症を発症する前から脳には異変があるといわれており、記憶障害などの軽い症状が出る状態を軽度認知障害(MCI)と呼んでいます。認知症とはまだ言えず、認知症と正常の間のグレーゾーンともいえる状態です。


軽度認知障害の人は、年間5~15%が認知症を発症するとされ(正常な人は年間1~2%)、認知症の前段階と考えられています。 


軽度認知障害は、記憶力、判断力、計算力などの認知機能の一部に問題がある状態ですが、日常生活に支障があるほどではないため、「ちょっとしたもの忘れ程度」と思われて見過ごされがちです。しかし、この段階で適切な対応をすれば認知症の発症を抑えたり、発症を遅らせたりすることができることがわかっています。 


次のようなことがあったら、軽度認知障害のサインかもしれません。 

・服装や髪形に気を遣わなくなった

・同じ話をすることが多くなった

・お金の計算や予定管理ができなくなった

・炊事や家事で同時進行ができなくなった

・親しい人の名前や暗証番号など、忘れる可能性が低いものを忘れてしまう


軽度認知障害から認知症への移行を食い止める治療は、早期であるほど効果が高いとされています。 


【関連記事】MCI(軽度認知障害)とは?~認知症の前段階を知ろう~


認知症への対応


認知症は本人だけでなく、家族にとっても重大な問題です。治療や介護に当たっては、「認知症」を家族が正しく理解し、適切に対応することが求められます。


認知症になると、以前と同じように物事を行うことが難しくなるので、本人は不安や恐怖などのストレスを感じている可能性があります。そのため、家族は本人のプライドを傷つけないよう、「叱らない」「強く指摘しない」「否定しない」ことを意識しながら対応することがポイントです。生活環境や生活習慣などは本人のペースに合わせ、急に環境を変えないことや孤独にさせないことも心がけてください。 


また、認知症介護においては、介護疲れをしないための工夫を取り入れることも大切です。保健センターや地域包括支援センターなど、自治体や福祉団体などの専門機関に相談し、周囲の助けを積極的に利用するようにしましょう。 


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まとめ

認知症の中で最も多いアルツハイマー型認知症は、発症する20年以上も前からアルツハイマーの原因とされるアミロイドの蓄積が始まっていると言われています。小さな異変でも見逃さないことで、早期発見・早期対応で発症を食い止めたり、発症時期を遅らせたりすることができるかもしれません。正しい知識を身につけ、予防に取り組むことも心がけましょう。


【監修】伊藤たえ

脳神経外科、脳卒中専門医として、都内クリニックにて脳ドック、頭痛、認知症、頭部外傷、脳卒中などの診療に励む。

仕事も育児もがんばるママさん女医。

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