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認知症の基礎知識

代表的な認知症1:アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症の中でも最も多く、全体の約6割(※1)を占めています。ここではアルツハイマー型認知症の症状や原因などについて詳しく紹介します。

どんな認知症?


アルツハイマー型認知症は患者数が一番多い認知症です。脳血管性認知症などの患者数が横ばいであるのに対し、アルツハイマー型認知症は年々増えているとの報告があります。

脳の神経細胞の減少や、記憶をつかさどる「海馬」を中心に脳が萎縮していくことで、物忘れに代表される記憶障害や、時間や場所などが認識できなくなる見当識障害など、様々な症状が出てくるのが特徴です。徐々に脳全体が委縮し、身体の機能も失われていきます。個人差はありますが、比較的ゆっくりと症状が進行すると言われています。

アルツハイマー型認知症の原因は?


アルツハイマー型認知症のメカニズムは、まだ完全には解明されていません。しかし、脳にアミロイドβ(ベータ)やタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まることで神経細胞が壊れて減少していき、脳の働きの低下や、萎縮を進行させると考えられています。

遺伝の場合も


アルツハイマー型認知症を発症する方の多くは70歳以上の高齢者ですが、若くして発症するアルツハイマー型認知症の一部は、遺伝の可能性がある(※2)ことがわかっています。家族性アルツハイマー病と呼ばれており、遺伝的にアルツハイマー型認知症の素因を持つ場合があります。検査でわかることもありますが、100%ではありません。

アルツハイマー型認知症の症状



物忘れなどの記憶障害に代表される認知機能の低下から起こる中核症状のほか、環境や本人の性格、そして中核症状が複雑に絡みあって出現する行動・心理症状(BPSD)が見られます。具体的に見てみましょう。

中核症状


記憶障害


アルツハイマー型認知症の代表的な症状が物忘れです。健康な人でもうっかり何かを忘れることはありますが、指摘されると思い出しますし、忘れたことに対する自覚もあります。しかしアルツハイマー型認知症になると、体験そのものを記憶できなくなってしまいます。そのため、ヒントがあっても思い出すことができません。

例えば、会う約束をしても約束したこと自体を忘れてしまい、指摘されても「そんな約束をした覚えがない」ということになります。食事を何度も要求するのも、食事をしたことを覚えていないからです。通常の物忘れと違い、体験自体を覚えられないのが認知症の記憶障害です。

判断能力の低下


例えば料理をする場面では、どんな食材を使うか、調味料はどのくらい必要かなどの判断ができなくなります。さらに症状が進行すると、手順がわからなくなって料理すること自体が出来なくなります。

生活の上では他にも、捨てる物がわからない、片付け方がわからなくなるなどの判断力の低下から、部屋が散らかり放題になることもあります。臭いにも鈍感になるため、ゴミが増えても気になりません。また、服がちぐはぐになったり、季節に合わない服を着たりするのも、判断力の低下によるものです。

見当識障害


自分が置かれている状況や環境を認識できなくなるのが見当識障害です。日付がわからなくなる、自分が今いる場所がわからない、誰と話しているかがわからないなどの症状が出てきます。

具体的には、通い慣れた場所で迷子になったり、家族の顔がわからないことがあります。また、家の中で失禁してしまうような場合、トイレの場所がわからなかったり、トイレの前に立ってもドアが認識できないといった原因が考えられます。

空間を認識することも苦手になるので、アナログ時計が読めなくなったり、以前は絵が得意でも、物を見ながら描くことができなくなります。

行動・心理症状(BPSD)


認知機能に障害が出ている方が、現実の生活環境にうまく適応できずに出てくる症状と言われています。「徘徊」「抑うつ」「幻覚」「暴言・暴力」など、様々な形となって現れます。

大事な物がなくなったので盗られたと訴える「物盗られ妄想」や、客観的には当てもなくさまよっているように見える「徘徊」、お風呂に入らないなどの「介護拒否」などがありますが、どれも本人にとっては明確な理由があるのです。色々なことが理解できなくなる焦りや不安が、暴言につながったり、逆に抑うつ状態となって現れたりすることもあります。
本人の気持ちや状況をよく知り環境を整えることで、軽減されることもあるでしょう。

早期発見と早期治療が大切



アルツハイマー型認知症では、記憶障害が出てきて症状に気づく場合が多く見られますが、実は症状が現れる何年も前から脳の異変は起きています。早めに対処することで、進行を遅らせることもできますので、異変を感じたらすぐに受診しましょう。

現在アルツハイマー型認知症を完治させる有効な治療法はありませんが、症状を改善させる薬はいくつか存在します。また向精神薬にも周辺症状を改善させる報告もあります。いずれも主治医と相談しながら正しく服用することが大切です。

※1 「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139666.html
※2 アルツハイマー病情報サイト
http://adinfo.tri-kobe.org/worldwide-alzheimers-information/causes.html