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2021.07.07

【レビー小体型認知症とは】アルツハイマー病やパーキンソン病との違い|認知症の基礎知識

認知症のうちアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)、血管性認知症に次いで多い、レビー小体型認知症をご存じでしょうか。パーキンソン症状を伴い、幻視や睡眠障害などが現れるのが特徴です。

また、早期発見であれば、進行を緩やかにすることが期待できます。

この記事では、レビー小体型認知症とはどのような病気なのか、症状や原因、診断方法、治療、対応や介護などについて解説していきます。



レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)、血管性認知症の次に多く、認知症全体の約5%を占めます。アルツハイマー型認知症、血管性認知症とともに「3大認知症」といわれています。女性よりも男性に多い傾向にあり、早い人では40歳頃から発症する人もいます。


レビー小体型認知症の原因

脳の神経細胞に「レビー小体」と呼ばれる、αシヌクレインというタンパク質の塊が出現し、このレビー小体が大脳皮質に蓄積することによって、運動機能が阻害されたり、認知機能が変動したりするレビー小体型認知症になるとされています。

また情報処理をつかさどる部位である後頭葉の神経細胞が壊されることで、レビー小体型認知症の特徴的な症状である幻視が出やすいと考えられています。

しかし、なぜレビー小体が産生されるのかは、まだ解明されていません。


レビー小体型認知症とパーキンソン病の違い

レビー小体が現れるのは、大脳皮質だけではありません。どの部位に多くできるかによって症状が異なり、脳の大脳皮質に広く現れると「レビー小体型認知症」、脳の脳幹部分に現れると「パーキンソン病」になるとされています。


パーキンソン病は、手足のふるえや筋肉のこわばりなど、運動機能に障害が現れる病気です。比べてレビー小体型認知症は、認知機能低下による幻視や認知の変動、睡眠時の異常行動の他、手足のふるえなど、アルツハイマー型認知症とパーキンソン病の特徴を併せ持つ疾患です。しかし、パーキンソン病にも認知機能の低下が起こる症状があり、両者を明確に見分けることは難しいのが現状です。現在、パーキンソン病の症状から始まったケースでは、1 年以内に認知症の症状が出てきた場合はレビー小体型認知症と診断し、それ以降に認知機能症状が出てきた場合は認知症を伴うパーキンソン病と診断されています。



レビー小体型認知症の症状

レビー小体型認知症の症状には、次のようなものが挙げられます。


・認知機能障害…記憶力や理解力、判断力などが低下する。 

・パーキンソン症状…手足のふるえや、筋肉のこわばり、姿勢バランスの悪化など。

・幻視 …現実にはいない動物や人などが生々しく見える。

・自律神経症状…立ちくらみや寝汗、頻尿や便秘、動悸やだるさなどさまざまな体の不調。

・レム睡眠行動障害…レム睡眠時に大声を出す、暴れるなどの異常行動を起こす。


また、数年前より、嗅覚の低下やうつ、自律神経失調症などが出ていることがあります。


レビー小体型認知症の特徴は、初期段階では認知機能の低下があまり目立たないことです。また認知機能が良いときと悪いときの変動があること、他の認知症では見られない幻視やパーキンソン症状があることも特徴です。 


レビー小体型認知症の進行は、他の認知症と比べると速く、次のような段階を経て進行していきます。 


1.初期 

・うつ症状や、レム睡眠行動障害、嗅覚異常や便秘から始まることが多い。

・軽度のもの忘れや軽度のパーキンソン症状(手足の震え、姿勢のバランスの悪さなど)が見られる。

・幻視などが現れ、やがてレビー小体型認知症特有の認知機能の低下が顕著になってくる。


2.中期 

・認知機能低下が悪化し、症状の変動は、調子の悪い時間帯が長くなってくる。

・自律神経症状の悪化。

・パーキンソン症状が悪化し身体の硬直や歩行困難など。

・幻視や妄想も悪化し、外を歩き回り行方不明になるなど、介護が必要となってくる。

・抗精神病薬薬剤に対して通常の服用量でもさまざまな副作用が出る。


3.後期 

・パーキンソン症状や認知機能障害が悪化し、常時介護が必要になる。

・記憶障害が進行し、アルツハイマー病との区別が付きづらくなる。

・食べ物を飲み込む力が衰える嚥下障害が起こることがある。


レビー小体型認知症の診断と治療法

レビー小体型認知症の診断方法や治療薬、治療法について紹介します。現在、レビー小体型認知症についてはさまざまな研究や新薬の開発が行われていますが、現時点では根治治療はありません。早期発見して治療を開始することで、進行を遅らせることが期待できます。


レビー小体型認知症の診断 

レビー小体型認知症の診断は、次のような手法を用いて行われます。


・問診…本人、家族から、症状や健康状態などをヒアリング。 

・神経心理検査…MMSE(ミニメンタルステート検査)、長谷川式認知症スケール(HDS-R)などを用いた認知機能のスクリーニング、注意障害を検査するトレイルメイキングテスト、無意味なものを意味のあるものに錯覚するかどうかを調べるパレイドリアテストなどを行う。

・脳画像診断検査…大脳全体に萎縮がないか調べるMRIやCTほか、ドパミン神経の変性・脱落を調べるダットスキャン検査、心臓に影響を与える交感神経について調べるMIBG心筋シンチグラフィーなどを行う


また、似たような病気と識別するため、脳波検査や血液検査など一般的身体検査も行われます。


レビー小体型認知症は、症状の現れ方が人によって異なり、さらに時間帯や日によって症状の変動があることなどから、正しく診断しにくい病気です。特に初期段階だと認知機能障害が目立たないことが多く、うつ症状が顕著であることからうつ病、パーキンソン症状からパーキンソン病、記憶障害の症状からアルツハイマー病などと誤診されるケースがあります。 


レビー小体型認知症とアルツハイマー病の違い


レビー小体型認知症の薬や治療法

レビー小体型認知症を完治させるための療法はありません。しかし進行を緩やかにしたり、症状を改善したりする目的の治療が行われています。

病気を早期発見し、早期に治療に取り掛かるほど治療効果が期待できます。


治療は、薬物療法と非薬物療法を組み合わせて行われます。 

レビー小体型認知症ではアセチルコリンという神経伝達物質が減少しますが、アセチルコリンを分解してしまう酵素を抑制する薬が処方されることが多くあります。

レビー小体が脳の大脳皮質に現れ、ドパミンが不足することで起こるパーキンソン症状については、抗パーキンソン病の薬物療法が取られます。


また、通常人はレム睡眠時には筋肉が緩むように脳から伝達がありますが、レビー小体型認知症になると筋肉が緩まず、大声をあげたり、手足を動かしたりすることがあります。そのような状態を軽減させる薬物が用いられることもあります。 


しかし、レビー小体型認知症の特徴として、薬への過敏反応があります。薬が効きやすかったり、副作用が出たり、症状が悪化したりすることがあるため、薬の服用は慎重に行う必要があります。 


一方、非薬物療法では、理学療法や作業療法などのリハビリテーション、パズルなどを用いた認知機能訓練、思い出話などを語り合う回想法などが行われます。パーキンソン症状には、歩行訓練などの運動療法が効果的です。また、これらの非薬物療法には、患者本人の精神状態を安定させる効果もあり、行動・心理症状に効果があると考えられています。 


レビー小体型認知症の介護やサポート

レビー小体型認知症の介護やサポートは、アルツハイマー型認知症と変わりませんが、レビー小体型認知症特有のそれぞれの症状への対応が必要となります。


幻視症状への対応 

否定せずに同調し、本人の話をじっくり聞いてあげましょう。本人を安心させることがポイントです。

また、レビー小体型認知症の人はハンガーにつるした洋服が人物に見えてしまうなどの幻視が起こるため、その原因となる要素を居室に作らないよう心がけましょう。


パーキンソン症状への対応

転倒防止の安全対策のため、廊下やトイレなどに手すりを設置したり、段差をなくしたりするなどの環境整備が必要です。


レム睡眠行動異常への対応

ベッドから転落しないようガードを付けたり、寝床を低くしたりする対策も必要です。また、夜眠れるように、日中の活動環境を整えるなどの工夫が有効です。

レビー小体型認知症の方の介護は、さまざまな症状に対応しなくてはいけないため、介護者の負担が増える可能性があります。

介護やサポートは決して無理をせず、医師や専門スタッフ、地域包括支援センターなどの行政サービスなどと連携を取りながら行っていくようにしましょう。




まとめ

レビー小体型認知症には、幻視やパーキンソン症状(筋肉がこわばる、転びやすくなる)などの特徴的な症状があります。家族や自身の「もの忘れ」など普段の様子に心当たりがあったら、早急に病院の受診を検討して、必ず医師にその症状を説明しましょう。完治させる治療はありませんが、進行を抑えたり、それぞれの症状に対して改善が期待できる薬物療法があり、早期発見・早期治療がとても大切です。


【監修】

石井道人 

医療法人ミチラテス 理事長 

ファミリークリニックあざみ野 院長


北里大学医学部卒。東京都立多摩総合医療センターで救急医療、総合診療を学ぶ。 2013年より北海道・喜茂別町で唯一の医療機関、喜茂別町立クリニックに管理者として赴任。乳幼児健診から看取りまで、町民二千人の健康管理を担う。2020年神奈川県横浜市にて開業。 


日本プライマリ・ケア連合学会認定指導医 

日本救急医学会認定救急科専門医 

日本内科学会認定内科医

日本医師会認定健康スポーツ医

日本医師会認定認知症サポート医

キッズガーデンプレップスクール嘱託医

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