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介護を受ける高齢者の女性
2023.12.09

認知症の主な症状2:BPSD(行動・心理症状)

認知症の症状には、脳の機能が落ちることで必ずみられる中核症状と、それに伴って二次的に出現する様々な症状、BPSD(行動・心理症状)があります。周囲にとっては「なぜそんなことをするの?」と思ってしまう行動も出てきますが、どれも本人にとっては理由があるのです。


具体的な症状をみていきましょう。

BPSD(行動・心理症状)の種類

BPSD(行動・心理症状)とは

認知症のBPSD(行動・心理症状)は周辺症状とも呼ばれており、中核症状や環境などが原因となって、行動や心理症状として現れるものです。認知機能が落ちてできないことが増えてきたり、周りにそれを理解してもらえないと感じると、苛立ちや不安などに繋がり、症状が出ると考えられています。本人の性格や環境、心理状態などが絡み合って現れてくるもので、人それぞれ現れ方は違います。いずれにせよ、BPSDは気持ちの現れでもあります。本人の話をよく聞き、寄り添う姿勢が大切です。


「 BPSD(行動・心理症状)」の種類

介護を受ける高齢者の女性

認知症の方の置かれた状況などによって、症状は様々ですが、代表的なものを見てみましょう。


不安・抑うつ

気分の落ち込み、意欲の低下、何事にも興味を示さなくなるなどが抑うつ状態です。できないことが増えていくことの不安感や自尊心の低下も、その一因と考えられるでしょう。

うつ病と誤解されがちですが、うつ病が悲観的なのに対し、認知症によるうつ状態は無関心が多いと言われています。


徘徊

絶えず歩き回る状態を指して、徘徊と呼ばれています。見当識障害や記憶障害などの中核症状の影響に加え、ストレスや不安などが重なることも原因となります。客観的には目的がわかりませんが、本人にとっては理由があります。その理由を聞き、気持ちに寄り添うことが大切です。


弄便(ろうべん)

弄便は、便をいじったり、自分の体や寝具・壁などに擦りつける行為です。認知症が進行し、便に対する認識が薄れてしまったり、おむつ内の不快感、羞恥心など、様々な理由が原因で起こります。


物盗られ妄想

大事な物を盗られたと訴える症状で、認知症初期によくみられます。物をいつどこにしまい込んだのか覚えておらず、自分で置き忘れた自覚もないため、「盗まれた」と周りの人を疑ってしまうのです。記憶障害だけでなく、不安感なども要因のひとつと考えられています。


認知症によるせん妄

意識障害が起こり、混乱した状態をせん妄と言います。時間や場所がわからなくなったり、幻覚や興奮などの精神症状が現れ、人格が変わってしまったように感じることもあるでしょう。暴れたり、周囲に対する暴言や暴力が出ることもあります。体調不良や薬の影響、環境の変化なども要因となるため、予防には日々の体調管理が大切です。


幻覚

実際にないものが「見える」幻視、聞こえないはずの音が聞こえる幻聴、その他幻味・幻臭・体感幻覚などがあります。レビー小体型認知症では幻視が多く見られ、アルツハイマー型では幻聴が現れることがあります。本人にとっては現実に見える(聞こえる)ことですから、否定はせず、安心させることを心がけましょう。


暴力・暴言

もどかしさや不安が暴力・暴言となって現れることがあります。以前とは人が変わったような様子に、家族が驚くこともあるでしょう。認知症が進行すると、思っている事の表現が難しくなったり、脳の機能が低下して感情を抑えられなくなるためです。


介護拒否

入浴や食事、トイレや着替えの介助など、介護を嫌がることがあります。認知機能の低下により介護の意味がわからなかったり、自尊心から嫌がるなど様々ですが、本人とっては必ず理由があります。周囲からは介護の「拒否」でも、本人にとっては「嫌だという意思表示」であることを理解しましょう。


失禁

排尿機能自体は正常でも、認知機能の低下などによって失禁が起こります。「尿意がわからない・伝えられない」「トイレの場所や使い方がわからない」「排泄行為自体がわからずトイレ以外の場所で排泄してしまう」などのケースが見られます。


睡眠障害(不眠、昼夜逆転など)

認知症になると、体内時計を司る部分がうまく働かなくなり、睡眠のリズムが崩れやすくなります。不眠や昼夜逆転も、夜間にきちんと眠れないために起こる睡眠障害のひとつです。昼間に日光を浴びて、できる限り生活リズムを整えるとともに、不安を取り除く工夫を取り入れましょう。


帰宅願望

帰宅願望が出ると、「家に帰りたい」と訴え、たとえ自宅にいても「家」を探しに出かけることもあります。 帰りたい理由は置かれた環境や本人の状態によりますが、本人にとって落ち着かない環境にいる時に、安心できる場所に帰りたい欲求が出ることが多いでしょう。


異食

食べ物ではないものを口に入れてしまうことです。食べられるものかどうかの判断がつかなくなる他、不安やストレス、体調不良から起こります。手の届く範囲のものを何でも口にしてしまう危険性があるため、手に届く範囲になるべく物を置かないよう気をつけましょう。ビニール袋、乾電池、タバコ、洗剤などは口に入れると危険なため、特に注意しましょう。

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