{{ header }}
{{ body }}
スキップ
寂しそうにTVの野球中継を見るおじいさん
2024.06.14

【介護士の日常「のぶ日記」vol.6】“諦めない。やりたいことは工夫すればできる”

みなさんは、“介護”と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?

「大変そう」や「辛そう」などのネガティブな印象を持つ人も少なくないでしょう。


介護の現場では、実際ツライことも多いですが、心がほっこりするような癒し、楽しさや発見、学びが溢れています。


介護福祉士「のぶさん」の日常で繰り広げられる介護の出来事と、そこに潜む知恵やヒントをご紹介する連載企画。

第6回目は、“介護における、行動の大切さ”をお届けします。


過去の記事はこちら
【介護士の日常「のぶ日記」vol.1】 “認知症=なにもわからなくなる”は、まちがい

【介護士の日常「のぶ日記」vol.2】人がキレイになれば、まわりも幸せになる

【介護士の日常「のぶ日記」vol.3】“ルールを押し付けるより、ココロに寄り添う”

【介護士の日常「のぶ日記」vol.4】“過去の生活は、今の暮らしと繋がっている”

【介護士の日常「のぶ日記」vol.5】“今、この瞬間を大切に”

執筆者画像
介護福祉士 のぶ さん
大学在学中、父の介護を経験したことをきっかけに介護の世界を志す。大学を卒業後、特別養護老人ホームに就職。現在は、介護福祉士として働きながら、X(Twitter)で[教科書には載っていない介護のコツ]を発信している。X(Twitter)のフォロワー3.4万人。

数年前に経験した野球観戦の話。


老人ホームで暮らす、野球が大好きなおじいさん(90代後半)が、

「もうプロ野球なんて40年以上見に行ってない。俺はテレビで十分だ。」と寂しそうに遠い目で言った。

寂しそうにTVの野球中継を見るおじいさん

すぐに上司に相談。


「さすがに野球場まで片道1時間かかるし、車いすなのでプロ野球観戦は難しいですよね?」と聞いたら、

上司は「準備だけは万端でね」と即答してくれた。


正直、「それは流石に難しいよ……」と言われてしまうと思っていたので、その返答に驚いた。


すぐにスタッフ全員で話し合い。

"万が一に備えて救急道具は必要だね"

"食事もあるから念の為、吸引器も持って行こう"

みんなで知恵を出しあった。


いよいよ、 車いす、救急道具、吸引器、オムツ、着替え、大量の荷物を持って野球観戦に出発。


移動の車中、自慢気に野球のウンチクを披露するおじいさん。

老人ホームでは見たことがないイキイキとした表情。

胸が熱くなった。


ついに球場に到着。

野球観戦スタート。


ヒットが出るたびに車いすから立ち上がって拍手するおじいさんの姿を、ふらつかないかドキドキしながら横で見守った。

めちゃくちゃ楽しんでくれている。

球場で楽しそうに野球観戦をするおじいさん

 「そろそろトイレに行きませんか?」と言葉をかけたときに、

「もうちょっと、もうちょっと待ってくれ!」と球場を見つめながら、

ニッコニコして答えるおじいさんの横顔が忘れられない。


介護の現場は日々忙しく、目の前の対応で精一杯なことも多いけど、このように夢や想いを一緒に考え、実現することもできる。


美談として終わらせるのではなく、「普通の人が当たり前にしていること」を「老人ホームでも当たり前」にできる世の中にしたいと願っています。



のぶさんのワンポイントアドバイス「介護における、行動の大切さ」
・老人ホームでは利用者さんの生活が制限されがちだけど、工夫すればできることがある。
・チームで協力すればなんとかなる。
・利用者さんが嬉しい体験は介護職にとっても働きがいに繋がる。最高に嬉しい。


文/のぶ、イラスト/©︎うのき



関連記事

【介護のお悩み相談 まとめ記事】~専門家のアドバイスで疑問やお困りごとを解決~

【介護体験談 まとめ記事】~家族介護者が語る、介護の不安・苦労・喜び~

【認知症の方への対応】こんなときどうする?介護の心がまえと接し方

楽しく、あたまの元気度チェック(認知機能チェック)をしましょう

あたまの元気度チェックへ

メール会員のおもな特典

メール会員には、「あたまの元気度チェックの結果記録」に加え、以下のような特典があります。

身長や体重・運動習慣等を入力するだけで、将来の認知機能低下リスクをスコア化できます。

認知症や介護に関する最新のニュースやお役立ち情報を月2回程度お知らせします。

関連記事