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ベッドに横になりながらつぶやく高齢者の女性
2024.05.31

【介護士の日常「のぶ日記」vol.5】“今、この瞬間を大切に”

みなさんは、“介護”と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?

「大変そう」や「辛そう」などのネガティブな印象を持つ人も少なくないでしょう。


介護の現場では、実際ツライことも多いですが、心がほっこりするような癒し、楽しさや発見、学びが溢れています。


介護福祉士「のぶさん」の日常で繰り広げられる介護の出来事と、そこに潜む知恵やヒントをご紹介する連載企画。

第5回目は、“介護における、行動の大切さ”をお届けします。


過去の記事はこちら
【介護士の日常「のぶ日記」vol.1】 “認知症=なにもわからなくなる”は、まちがい

【介護士の日常「のぶ日記」vol.2】人がキレイになれば、まわりも幸せになる

【介護士の日常「のぶ日記」vol.3】“ルールを押し付けるより、ココロに寄り添う”

【介護士の日常「のぶ日記」vol.4】“過去の生活は、今の暮らしと繋がっている”

執筆者画像
介護福祉士 のぶ さん
大学在学中、父の介護を経験したことをきっかけに介護の世界を志す。大学を卒業後、特別養護老人ホームに就職。現在は、介護福祉士として働きながら、X(Twitter)で[教科書には載っていない介護のコツ]を発信している。X(Twitter)のフォロワー3.4万人。

看取り期(人生の最期の場面)に関わったお婆さん。


徐々に食事を食べられなくなって、

眠っている時間が長くなって、

血圧が少しずつ下がってきて。


もうそろそろお別れの瞬間かな~ってお婆さん(97歳)。


言葉をかけてもほとんど反応なし。

ウトウトしている時間がほとんどだった。


主治医からご家族に「老人ホームでの看取り」の説明があってから数日後、

少しだけ調子がいい日にお婆さんから、あるお願い事をされた。


「…自宅の仏壇へお花を上げて手を合わせたい」

ベッドに横になりながら、つぶやく高齢女性

ビックリするくらいはっきりお話しされて、

その場にいたほかの介護職員も驚いた。


『"明日"行きましょう!』

ふたつ返事でOKした。


事前に入念に打ち合わせ。

車には看護職員に同乗してもらって、近くのスーパーに寄って、ロウソクと線香とお花も買ってから行こう。


でも、ご本人に負担をかけないようにできるだけ短時間で……。

申し送りもきちんとして、ご家族の許可もバッチリ。


でも、その日の夜、急に具合が悪くなって亡くなってしまった。


お婆さんの想いは叶わなかった。


あの時『"今すぐ"行きましょう!』と言えなかった自分に後悔。

はじめて仕事中にボロ泣きした。

丘の上で町を見ながら涙を流す介護士

今でも忘れられない話。


この経験から介護職として看取り期だけではなくて、

『今この瞬間』を大切にしている。


明日はないかもしれないから。

 

のぶさんのワンポイントアドバイス「今、この瞬間を大切に」
・ギリギリの職員体制、限られた時間もわかるけど、今この瞬間は二度と戻らない。
・“明日はないかもしれない”って心構えは小さな関りも大切にするようになる。
・後悔するくらいなら、やってしまえ!精神。僕は大切にしています。


文/のぶ、イラスト/©︎うのき



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