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トイレに頻繁に行きたいと訴える、高齢男性のイラスト
2024.04.05

【介護士の日常「のぶ日記」vol.1】 “認知症=なにもわからなくなる”は、まちがい

みなさんは、“介護”と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?

「大変そう」や「辛そう」などのネガティブな印象を持つ人も少なくないでしょう。

介護の現場では、実際ツライことも多いですが、心がほっこりするような癒し、楽しさや発見、学びが溢れています。


この度、介護の魅力をお届する新たな連載企画がスタート。介護福祉士として働く「のぶさん」の日常で繰り広げられる介護の出来事と、そこに潜む知恵やヒントをイラストとともにご紹介します。


第1回目は、“介護における気づきの大切さ”をお届けします。

執筆者画像
介護福祉士 のぶ さん
大学在学中、父の介護を経験したことをきっかけに介護の世界を志す。大学を卒業後、特別養護老人ホームに就職。現在は、介護福祉士として働きながら、X(Twitter)で[教科書には載っていない介護のコツ]を発信している。X(Twitter)のフォロワー3.4万人。

老人ホームで暮らすAさんのエピソード。


Aさんは、「さっき行ったばかりですよ」「今トイレから帰ってきたばかりです」と、スタッフが言っちゃうくらい頻回に『トイレお願いします!!!』と訴える。

トイレに頻繁に行きたいと訴える、高齢男性のイラスト

そのたびに、転ばないよう慎重に両手を引いてトイレまでご案内。


便器に座っていただき「いま、便器に座ってますよ〜」と説明しても

『早くトイレに連れて行って! トイレお願いします』と、なんども繰り返す。


5分〜10分おきのトイレ介助。

希望があるたびにトイレへご案内しても、排尿がないことが度々あった。


正直、スタッフはみんな言葉にはしないけど、内心"またトイレか…"と疲れ果てていた。

多職種で話し合いをした結果、


ご本人の訴えには"なにか違う意味があるはず"と信じて市内の病院を受診。

医師から膀胱炎と診断された高齢男性のイラスト

受診結果は膀胱炎。

膀胱炎で残尿感があり、チクチクと不快。だからなんどもトイレに行っていた。


認知症による混乱?

認知症の人はなにもわからない?

ついつい決めつけてしまいがちだけど、 【認知症=なにもわからなくなる】はまちがい。


認知症があっても正しく伝えることができる。

違和感には気づいているけど、うまく伝えられないだけのことは多い。

ほかの治療できる病気を隠している場合があることもあります。


普段、一番近くにいるご家族や介護職が「なんかおかしいよね?」「なにを伝えたいんんだろ?」って、気づきのアンテナを磨くことが大切です。



のぶさんのワンポイントアドバイス「気づきのアンテナの磨き方」
・「またか…」と思う前に、その行動や言葉に何かサインが隠れていないか探してみる。
・どんな相手でも日ごろから気を配り、顔色、髪型や服装を気にしてみる。
・一人で悩まず、些細なことでも自信をもって周りに発信してみる。



文/のぶ、イラスト/©︎うのき



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