認知症の診断には、長谷川式認知症スケール(HDS-R)やMMSE(ミニメンタルステート検査)などの認知機能テストが主に使われています。
認知症は早期発見・早期治療が重要です。もし、ご自身やご家族に「もしかしたら…」と心配があったら、本来ならすぐに病院を受診した方が安心ですが、どのような内容のテストを行うのか、事前に詳しく知りたい方もいるのではないでしょうか。
今回は、主に長谷川式認知症スケールについて、設問内容や採点方法、評価ポイントなどを解説していきます。
認知症の診断には、長谷川式認知症スケール(HDS-R)やMMSE(ミニメンタルステート検査)などの認知機能テストが主に使われています。
認知症は早期発見・早期治療が重要です。もし、ご自身やご家族に「もしかしたら…」と心配があったら、本来ならすぐに病院を受診した方が安心ですが、どのような内容のテストを行うのか、事前に詳しく知りたい方もいるのではないでしょうか。
今回は、主に長谷川式認知症スケールについて、設問内容や採点方法、評価ポイントなどを解説していきます。
「長谷川式認知症スケール」は、認知症をスクリーニングすることを目的に用いられる簡易的な認知機能テストです。記憶を中心とした大まかな認知機能障害の有無を調べます。1974年に聖マリアンナ医科大学・神経精神科教授だった長谷川和夫氏らによって開発され、今では認知症の診断にあたって信頼性の高い評価方法として、日本国内の多くの医療機関で使用されています。
1974年の開発当初は「長谷川式簡易知能評価スケール」の名称でしたが、1991年に質問項目と採点基準の見直しが行われ、「改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」に改訂されました。また、2004年に疾患名が「痴呆症」から「認知症」に変更されたことにより、「長谷川式認知症スケール(HDS-R)」と呼ばれるようになっています。
長谷川式認知症スケールは、9つの評価項目、30点満点で構成されています。20点以下だった場合、認知症の疑いが高いとされています。
テストにかかる所要時間は5分~10分程度です。簡単に行うことができるため、医療現場だけでなく介護現場でも認知症の評価を行うため活用されています。
また、長谷川式認知症スケールとともに行われている認知症の評価方法に「MMSE(ミニメンタルステート検査)」という認知機能テストがあります。世界でも広く使われているテストで、時間と場所の見当識、計算、文章復唱、図形模写など11の評価項目で構成されています。回答方法が、口頭以外に文章の記述や図形描写などもある点が、口頭のみの長谷川式認知症スケールと異なります。
認知症は、初期の時点で適切に受診し、治療を受けることが急速に進行させない上で大切です。そのためにも、認知症の初期の症状を理解しておくことが重要です。
長谷川式認知症スケールとはどのようなテストを行うのか、実際の設問内容や評価方法を見ていきましょう。
「長谷川式認知症スケール(HDS-R)」は、見当識や記憶、計算などの認知機能を評価するための9つの項目から構成されています。テスト方法は、口頭で設問内容を問いかけ、回答する、というやり取りで行います。
設問内容と、評価項目、評価ポイント、点数は以下になります。
(参考:一般社団法人日本老年医学会「改訂長谷川式簡易知能評価スケール」)
長谷川式認知症スケール(HDS-R)は、30点満点で構成されていて、20点以下だと認知症の疑いが高いと判定されます。しかし、この点数だけで認知症診断はできません。テスト当日の体調や、教育歴や職歴、生活歴、視覚や聴覚障害の有無、精神疾患や服薬状況などの背景情報、脳画像検査なども認知症の診断材料となり、総合評価により診断が決まります。
注意したいのが、認知症であっても高得点が出るケースがあることです。長谷川式認知症スケールは、記憶に関係した評価項目を中心に構成されているため、初期段階では記憶障害が現れにくいレビー小体型認知症や、前頭側頭型認知症に関してはあまり感度のよい検査結果が出ないといわれています。
認知症の相談・診察等が可能な医療機関の情報をご案内しています。
認知症は、早期発見・早期治療が重要です。早めに治療や対策を講じておけば、症状の進行を遅くすることができるかもしれません。「最近もの忘れが多いかも」など、ちょっとした異変でも気になったら早急に医療機関を受診するようにしましょう。
病院へ行くのは気が引ける、という場合は、まずはご自宅で長谷川式認知症スケールを使ったセルフチェックをしてみてもいいでしょう。しかし、あくまでもセルフチェックであり、結果の判断は難しいため、認知症が疑われる20点以下でなくても、本人や周囲の方が気になることがあれば医療機関で検査を受けることをおすすめします。
物忘れに気づいたとき、「もしかして認知症かも…」と心配になったことはありませんか? もしくは「歳のせいだから」と気にしないようにしている方もいるかもしれません。 しかし、認知症による物忘れと、加齢による物忘れは別物です。
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