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高齢者の送迎をする介護士
2024.09.06

デイケアとは?デイサービスとの違いや料金・選び方まで徹底解説

・デイケアってどんな人が利用できる施設なの?

・デイサービスとの違いは?


デイケア(通所リハビリテーション)の利用を検討するにあたって、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。


この記事では、デイケアの概要から対象者、提供されるサービス内容、デイサービスとの違いまで、詳しく解説します。施設を選ぶ際のポイントについても触れていますので、利用を検討されている方はぜひご参考にしてください。


目次
・デイケアとは?
・デイケアとデイサービスの違いを比較
・デイケア利用までの流れ
・デイケア施設の選び方についてのポイント
・まとめ

執筆者画像
SOMPOケア 人材開発部 橋本 美香
2004年訪問介護ヘルパーから介護職を開始。2008年介護福祉士、2010年ケアマネジャー、2013年より居宅介護支援事業所管理者。2019年主任ケアマネジャー、2022年社会福祉士取得。2023年よりSOMPOケア教育研修部(現・人材開発部)に異動し、各種研修企画や講師を担当。

デイケアとは?

デイケア(通所リハビリテーション)は、要介護認定を受けた方が施設に通って受ける介護サービスの一種です。類似の介護サービスとして「デイサービス」がありますが、デイケアはよりリハビリに特化したサービスといえます。


デイケアの主な目的は身体機能の維持・改善を図り、可能な限り自立した生活ができるようを支援することです。利用者に応じた専門のリハビリテーションプログラムだけでなく、食事や入浴など日常生活のサポートを受けられるのも特徴といえます。


デイケアは医療機関や介護老人保健施設(老健)、介護医療院などが提供しており、施設の規模によって通常規模型、大規模型という2種類に分類されています。少子高齢化の影響もあり、日本全国でデイケアの利用者数は増加傾向です。厚生労働省のデータによると、平成19年度時点では約45万人だった利用者は、平成30年には約60万人にのぼっています。

(参考:厚生労働省「通所リハビリテーション」


デイケアの対象者

デイケアは、要支援1~2および要介護1~5と認定された方を対象としています。したがって要支援・要介護認定がない場合は、まずは役所などで申請手続きをおこなう必要があります。


そのうえでリハビリテーションの必要性が医師により認められた方がデイケアを受けられ、ケアプランに基づいて、それぞれに適したプログラムが提供されます。


デイケアのサービス内容

デイケアでは大きく分けてリハビリテーションと生活支援をおこなっており、利用者が安心して日常生活を送るために幅広いサービスが提供されています。以下の表で、主なサービス内容を整理しました。

デイケアのサービス内容をまとめた表

デイケアとデイサービスの違いを比較

デイケアとよく似たサービスとして比較されやすいのがデイサービスです。どちらも高齢者向けの通所介護サービスですが、それぞれの目的や提供されるサービスに違いがあります。以下の表で、それぞれの違いを比較して整理しました。

デイケアとデイサービスの違いを示した表

デイサービスについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

デイサービスの費用や種類、利用条件は?デイケアとの違いも解説


デイケアの料金について

デイケアの料金は、「基本利用料」「サービス加算」「その他費用」の3種類に分けられます。


基本利用料やサービス加算は介護保険法によって定められた介護報酬をもとに計算され、利用時間や要支援・要介護度によって増減する仕組みです。(参考:介護報酬 |厚生労働省

介護保険が適用できるので、利用者の負担額は1割〜3割になります。負担額が変動する理由は、介護保険制度について解説した記事をご覧ください。

【関連記事】介護にかかるお金はどれくらい?介護保険制度と今後の備え


ここに食費などその他費用を加えた金額が合計金額となります。以下は厚生労働省のページをもとに具体的な料金イメージです。

参考:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 通所リハビリテーション(デイケア)」)


要支援1・2の認定を受けた方


要支援1・2の認定を受けた方のデイサービスの料金イメージの表

要介護1~5の認定を受けた方

要介護1~5の認定を受けた方のデイサービスの料金イメージ

※上記は通常規模型、6時間以上7時間未満の料金。その他費用は別途加算

※令和6年度介護報酬改定に基づいた料金です


ここからはそれぞれの費用項目の詳細も解説します。


基本利用料

基本利用料はデイケアの利用にあたりかかる費用のことです。料金は施設の規模や要支援・要介護度により変動する「単位」にもとづいて計算されます。単位の料金は地域により異なりますが、1単位あたり10円〜11円程度です。介護保険を適用できるため利用者の負担額は1〜3割となります。


たとえば通常規模型で7時間以上8時間未満の利用の場合、要介護1の利用者は762単位(7,、要介護5の利用者は約1,379単位(13,427円)となりますが、利用者負担額は1割換算の場合775円、1,342円です。

※料金は1単位10.18円で算出


サービス加算による料金

サービス加算は、利用者が受けるかどうか選べる「選択的サービス」や、施設の特別な条件に応じて発生する料金です。選択的サービスは運動器向上 、口腔機能向上、栄養改善の3つと定められています。

以下は2024年の介護報酬改定で変更のあった主なサービス加算の例です。

介護報酬改定で変更のあった主なサービス加算を示した表

*料金は1単位10.18円で算出。


その他の料金

デイケアでは、基本的なサービスのほかに、食費や日用品代の料金も発生することがあります。この料金に関しては保険適用外で、施設により料金も異なります。


デイケア利用までの流れ

デイケアを利用するには、いくつかの手順と必要な書類が求められます。申し込み後すぐに利用できるわけではなく、準備や審査に一定の期間が必要です。


必要なもの

デイケアを利用する際に準備するものは以下の通りです。


・要介護認定
デイケアを利用するためには、要支援1~2または要介護1~5の認定を受けていることが条件です。要支援・要介護認定を受けるためには、市区町村への申請や医師の診断を受ける必要があります。

・介護保険証
要介護認定が済んだ後に所定の手続きをおこなうと介護保険証が発行されます。介護保険証は申請から到着まで1ヶ月ほどかかるのでご注意ください。介護保険申請日からデイケアは利用できますが、非該当となった場合や決定した介護度の限度額を超えている場合は、自己負担額が高額になってしまいます。詳しく以下の記事もご覧ください。
【関連記事】介護にかかるお金はどれくらい?介護保険制度と今後の備え

・医師の診断書
デイケアのリハビリテーションは医師の指示のもとおこなうため、利用にあたっては医師の診断書が必要です。困ったときはケアマネジャーに相談してください。


申し込みから利用開始まで

デイケアを利用するための手順は以下の通りです。


1. ケアマネジャーに相談
ケアマネジャーに相談し、利用者の状態やニーズに基づいてケアプランを作成します。
【関連記事】ケアマネジャーの役割を知ってうまく付き合う方法

2. 施設見学
利用を希望する施設を見学し、スタッフの対応や施設の環境を確認します。

3. 医師に診断書の作成を依頼
主治医に診断書を依頼します。診断書はリハビリの必要性や健康状態を明示する重要な書類です。

4. 施設側と面談
施設との面談を行い、利用者の状態に合わせたサービス内容や利用スケジュールを決定します。※利用に際して施設によっては利用審査を行うところがあります。

5. ケアプランを作成
ケアマネジャーがケアプランを完成させ、それに基づいてデイケアのサービスが開始されます。
【関連記事】ケアプラン(介護サービス計画書)とは?作成の流れや記載内容を紹介


デイケア施設の選び方ポイント

デイケアは利用者に合った適切な施設を選ぶことが重要です。設備面以外にもチェックすべきポイントがあります。そこで、介護サービスや介護施設の運営をおこなうSOMPOケアの橋本さんに選び方のポイントを聞きました。


1. 施設の雰囲気とスタッフの対応を確認する

施設の雰囲気やスタッフの対応は、利用者が快適に過ごせるかどうかに直結します。見学時にはスタッフが親切で丁寧な対応をしているか、施設全体が清潔で整然としているかを確認しましょう。また、利用者同士の雰囲気やスタッフとのコミュニケーションの様子も重要です。


2. 設備・環境が目的に合っているか確認する

デイケアはリハビリが主要ですので、利用者に見合ったリハビリ機器や専門職のスタッフが常駐しているかを確認しましょう。また、入浴施設も車椅子対応や特別浴槽の有無などを確認しておくと安心できます。


3. サービス内容の充実度を確認する

施設が提供するサービス内容が、利用者のニーズに合致しているかを確認しましょう。リハビリテーションは集団で行うものと個別で行うものがあります。デイケアで受けるリハビリは、生活継続のためのものです。入院中の治療目的リハビリとは異なる場合があります。個別リハビリも退院直後なのか、そうでないのかで時間や回数が変わります。


リハビリテーションの内容だけでなく、食事の対応、レクリエーションの種類、緊急時にどのような対応をおこなっているかも長く利用を続けるうえで大事なポイントです。


4. 専門家の意見を参考にする

施設選びに迷った際には、ケアマネジャーなど専門家の意見を参考にすることも有効です。進行性の疾病(パーキンソン病)や末期がんの方は、リハビリ効果があまり見込まれないと断られる場合がありますので、リハビリを継続する理由や根拠をしっかりとケアマネジャーなど専門家に伝えてもらうことも必要になります。


しかし、リハビリをおこなえる施設はデイケアだけではありません。利用者の自立した生活を叶えるために、さまざまな選択肢を検討してみることも大切です。


5. 施設の料金体系と契約内容を確認する

最後に、施設の料金体系や契約内容をしっかりと確認しましょう。サービス加算や基本料金は法律で定められた単位に従って料金が計算されますが、食費や日用品などその他の料金の内訳を理解し、実際の負担額がどれくらいになるのかも確認しておくことも大切です。


まとめ

デイケア(通所リハビリテーション)についてひと通り解説しました。デイケアを選ぶ際には利用者のニーズに合致しているかをしっかり検討しつつ、安心して利用できる施設を選ぶよう心掛けましょう。


デイケアは利用者本人だけでなく、その家族にとっても大切な支援の手段です。安心できる施設を選べば利用者の生活の質を向上させるだけでなく、家族の介護負担を軽減することが期待できます。

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