国立研究開発法人国立長寿医療研究センター・予防老年学研究部長
島田 裕之先生
高齢者の認知症予防などを目指した健康増進に関する研究を行う。
専門はリハビリテーション医学、老年学。
認知症の原因疾患を根本的に治療する薬はまだ開発されておらず、現在の薬物療法は症状の進行速度を遅らせることを主な目的としています。非薬物療法は残存する認知機能や日常生活を送るのに必要な能力の維持を目的とした治療法で、認知機能訓練や、音楽療法、日常生活動作の訓練などがあります。認知症の治療はこの薬物療法と非薬物療法を組み合わせて行うことが一般的です。
◆認知機能の低下の抑制
◆行動・心理症状(BPSD)の改善
◆日常生活機能の改善
◆行動・心理症状(BPSD)の改善
行動・心理症状(BPSD)の悪化は周囲の人とのトラブルや家族の介護負担の増加を招き、当事者と家族の双方が疲弊する原因にもなります。当事者とその家族が笑顔で暮らしていくためにも、BPSDの緩和に取り組むことが重要です。
BPSDは認知症当事者の方が心にかかえている不安や苛立ちの表れでもあります。そのため、緩和にはその人の気持ちに寄り添い、その人らしさを尊重することで心身の状態を安定させてあげることが求められます。