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2022.11.25

【介護体験談 vol.9】老々介護を終えて

公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、家族介護者の体験談記事「支部だよりにみる介護体験 北から南から」をご紹介します。今回は、認知症の義母さまを自宅で8年間介護された有馬さんの体験談です。何が起こるかわからない介護の日々に、不安で夜も眠れない日々を過ごす時もありましたが、いつも冷静なご主人と二人で協力して介護を続けるうちに、いかに介護の負担を軽くできるか?に気持ちを切り替えることができ、趣味や地域活動も参加できるようになった有馬さん。当時の日々を振り返っていただきました。

【老老介護とは?】問題点と介護負担を減らすには

高齢化が進む日本では、老老介護は決して他人事ではありません。身近な問題だからこそ、早めに正しい知識と対策を知ることが重要です。本記事では、老老介護の現状や問題点、また介護する側の負担を軽減させる対策などについて詳しく解説します。


終わりの見えない介護の始まり

私は、65歳から72歳までの8年間、 認知症の義母を自宅で介護しました。義母は90歳の時「私、100歳まで生きたいの!お友達にも約束したのでよろしくお願いしますね」と念を押され、「ええ~ ! 今から10年も……。」夫と顔を見合わせ、「ニ人とも病気できないね~」と笑いました。


義母は、92歳の時、認知症と診断され、69歳の夫とともに、終わりの見えない"老々介護"が始まりました。義母の介護は「あんた、鬼嫁ね!」から始まる数々の暴言と、もの盗られ妄想で、特にお金が盗まれることが多く、その他いろいろなものが無くなりました。そんな元気ばあちゃんも徐々に体力が落ち、オムツをはじめ身体介助、食事の世話……。何が起こるかわからない毎日に、ニ人ともくたくたに疲れ、想像を超えた格闘の日々でした。そのような状況でも、認知症に関する勉強をしていた夫は常に冷静で、「脳の病気で誰でもなりうるし、なるようにしかならない」と言って、母には優しく接していました。考えてみると、唯一の救いだったように思います。私は、不安ばかりが先に立ち、この息苦しい日常に夜も眠れない日々が続きました。


そのうちに「治らないのなら仕方ない」と、居直りの気持ちで、いかに介護の負担を軽くできるか?に切り替えました。ストレスにならない介護、手抜き介護、自分を楽にする介護を模索し、ケアマネに相談して、ディサービスやショートスティの利用を決めました。はじめは嫌がりましたが、いろいろと説得して何とか行ってもらいました。私たちには休養が必要だったのです。ディとショートが順調な間はどちらかが介護留守番をすると決め、趣味や地域の会合などのスケジュールは消化できました。

義母と夫が遺してくれたもの

その後、寝たきり状態となり、自宅介護となりました。たくさんの方々の支援を受け、100歳まで生きるとの約束は、 99.7歳まで頑張り、天寿を全うしました。そこまで生き切ったことは「お見事!」の 一言です。関わりをいただいたすべての皆様に感謝です。


義母は、手先の器用さは抜群で和、洋裁にたけていて、いろいろな手作り品を残してくれました。優しくて人のお世話が好きだった夫は、義母亡き後、部屋をリフォームして、昼間のお年寄りの居場所にとサロン「陽だまり」をつくり、様々な人たちが利用できるようにしました。人好きだった夫も3年ほど前に他界。今は夫の遺志を引き継いで、皆様に支えられながら暮らしています。


認知症明日は我が身と思いつつ


※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2022年11月号より抜粋・一部修正したものです。 公益社団法人 認知症の人と家族の会ホームページはこちら



【介護体験談 まとめ記事】~家族介護者が語る、介護の不安・苦労・喜び~

介護をしていると、さまざまな場面で不安や疑問を感じ、悩んでしまうことがあります。 周囲に気軽に相談できず、誰に助けを求めていいかわからなくなることもあるでしょう。 そんなとき、同じ境遇の人たちの介護体験を知ることで、負担やストレスの軽減にもなります。 家族の介護を中心とした体験談の記事を紹介します。

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