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2022.09.27

ケアスタッフより、家族介護者の方へメッセージ~第3回~

いつも頑張っている家族介護者の方々へ向け、笑顔倶楽部からの応援メッセージとして、連載コラムをスタートしました。日々介護をするなかで、疑問に感じたり、迷ったり、他の人はどうしているの? と気になる事がたくさんあると思います。ここでは、経験豊富なSOMPOケアのスタッフが今まで担当したご家族のお話や、介護に関するエピソードをご紹介します。同じ症状でも、家族によって悩みや対応は様々。介護に正解はありません。少しでもヒントになれたら幸いです。今回は「居宅介護支援事業所あいおい」の、浦井さんにお話を伺いました。



今回のテーマ「褥瘡(じょくそう)」

私がご紹介するご家族は、ひとり暮らしの90歳代のお父さまと、近くに住む娘さんのお話です。娘さんは頻繁にお父さまに会いに行かれており、元気だと思っていたのに、突然お父さまが動かなくなってしまいました。慌てて救急車を呼ぼうとすると、お父さまは病院に行くことを拒否されました。

執筆者画像
居宅介護支援事業所あいおい 浦井 美砂子さん
お母さまがヘルパーをしていらっしゃったのがきっかけで、介護の道に進んだ浦井さん。利用者さんのことはもちろん、そのご家族の状況や気持ちにも配慮しながら、何が必要なのかを一番に考える、頼もしいケアマネジャーさんです。

入院を拒否するお父さんと介護経験のない娘さん

はじまりは、地域包括支援センターの方から「至急で介護認定の申請手続きと、今後の介護サービスの計画が必要なので、ケアマネジャーを探しているのですが、浦井さん担当していただけませんか?」という電話でした。今からご自宅まで地域包括支援センターの方と医師が伺うという事でしたので、至急の案件だなと察し引き受けることに。そして、私も急いでご依頼者さんのご自宅に向かい、ご自宅で連絡をくれた娘さんに状況を伺うと、「父はこれまでご飯をちゃんと食べていたし、日中はベッドから出て、トイレにも一人で行っていました。でも、2週間前くらいから急に動けなくなってしまって。救急車で病院に連れて行こうと思ったのですが、『入院はしたくない。最期は家がいい』とはっきり言うので、インターネットで訪問診療をしてくださる病院を探し、連絡しました」と話をしてくれました。連絡を受けた医師が娘さんから、介護認定を受けていないと聞き、今後介護サービスを利用するためには認定が必要だと、先に地域包括支援センターへ相談をしたところ、そちらから私に連絡が入ったという流れだったようです。


娘さんの話を伺いながら先生が診察をすると、お尻と背中にかなりひどい褥瘡※ができているのが見つかり、脱水症状もみられました。ここで私は一つ疑問を抱きました。娘さんは、「父は一人暮らしでしたが、私は実家の近くに住んでいますので、よく会いにきていました」と話されていましたが、この状態になるまでには数か月かかったはずなのに、その前になぜ気が付かなかったのか?と。


※褥(じょく)瘡(そう) (床ずれ)は、体のある部位が長時間圧迫されたことにより、その部位の血流がなくなった結果、組織が損傷されること。




要介護認定とは?制度概要や申請方法・介護保険サービスを利用するまでの流れを解説

「“要介護”や“要支援”という言葉はよく耳にしても、実際何のことだかよくわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。“要介護”“要支援”とは、介護保険サービスを受けるために必要な認定です。こちらの記事では、介護サービスを受けるために必要な要介護認定の申請方法や審査基準、サービスを受けるまでの流れなどを詳しく紹介しています。

突然始まった介護生活

先生が帰られてから娘さんに、今のお父さまは口元まで食べ物や飲み物を持っていかないと、一人でお食事をすることが難しいことを伝えると、「父がこんなに弱っていたことに全く気づきませんでした」と驚いた様子でした。さらに、娘さんと今後の話を進めながら、部屋の中を見渡すと、壁に黒い人型の跡がくっきりとついているのを見つけました。この壁を見た時に、先程の疑問が解決しました。お父さまはベッドから出て、日中はずっとこの場所に座って過ごしており、ほとんど動かなかったのでしょう。そのうち、長時間同じ姿勢で座って過ごしていたために褥瘡ができ、そのため痛みもひどくなり、徐々に動くことが難しくなっていったのでしょう。でも、娘さんからは、ベッドから出て、定位置に座られているので、変化に気が付かなかったのだと思いました。


突然介護がスタートしましたが、娘さんはとても介護に積極的で、介護用品に関しても「何が必要ですか?」「どんなものがいいですか?」とヘルパーさんに詳しく聞き、アドバイス通りの商品を次の日には買ってこられました。そして、「介護の手」が行き届くようになると、お父さまはみるみるうちに回復され、ベッドから這って玄関まで行けるほどアクティブに。ご飯も「~が食べたい」とはっきり意志表示ができるまで回復されました。


明日も笑顔になれますように。第2回「全部僕がする」

誤嚥性肺炎で入退院を繰り返している100歳を過ぎたお父さまと、同居している60歳代の息子さんご夫婦。息子さんは奥さんの前で「父の介護は全て僕がする!」と宣言しました。張り切るご主人と、心配ながらもご主人の意見を尊重し見守ることに徹した奥さん。そんなご夫婦のお話です。


ケアスタッフからのアドバイス

娘さんにとっては初めての介護でとても不安だったと思います。でも、わからない事や、小さな悩みもヘルパーさんに聞き、いつも明るく、元気にお父さまに接していた姿が強く印象に残っています。介護は突然やってくるとはいいますが、みんな最初は初心者です。何をしていいのか?何が必要なのか?不安な事ばかりです。そんな時こそ一人で抱え込まず、何でも私たち介護スタッフに相談してください。私たちはいつでも応える準備はできています。



次回のテーマは「行方不明」です。頻繁にひとり歩きをされるお母さまを、ひとりで介護することに限界を感じていた娘さんの様子を知り、地域の方々も声かけをしてくださるようになったエピソードです。




取材・文/下村涼子(SOMPO笑顔俱楽部)

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