公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、介護初心者の悩みに応える記事「”つどい“は知恵の宝庫」をご紹介します。
今回は、妻が要介護認定を拒否していることの悩みについて、介護者など5名がアドバイスをします。
公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、介護初心者の悩みに応える記事「”つどい“は知恵の宝庫」をご紹介します。
今回は、妻が要介護認定を拒否していることの悩みについて、介護者など5名がアドバイスをします。
近くに人家のないところに、アルツハイマー型認知症と診断を受けた82歳の妻と2人暮らしで、子どもは近くにいません。医師のすすめで要介護認定の申請をしたことや、私の言動から認知症を気にして、ふさぎ込んだり怒ったりしています。優しく接することが出来ない時には「あなたが私を病気にした」と言われてしまいます。認知症や要介護認定の話をしないようにしたら、妻は落ち着いてきました。
私は足腰に難病があり、身体障害者手帳を持っていて、去年手術を受けていますが、妻は忘れていて、今から考えるとその頃からおかしかったと思います。今後、妻とどう暮らしていったらいいのか考えると不安です。
(相談者:84歳 夫)
私も不安ばかりが先に立ち、妻に優しくする余裕がありませんでした。同じ立場の仲間に出会え、どのように妻と向き合ったらいいのか具体的な助言を受けられ、精神的に救われました。男性は頑張り過ぎる傾向があるので、いろんな方からのサポートを受けながら暮らしていくことをお勧めします。
ご主人も障害があると余計不安ですね。ひとりで抱え込まず、地域包括支援センターに相談しましょう。適切な医療や介護が受けられるよう支援する認知症初期集中支援チームにも繋げてくれます。また、ご主人も要介護認定を受けておけば、ご自身の体調が優れないときに助けてもらうこともできますよ。
今後の暮らしがどうなっていくのか心配ですね。でも、今の暮らしにももっと目を向けてみましょう。奥様はまだまだ出来ることがたくさんあるはずです。自分のペースでできるよう見守りをしていきましょう。嫌がっている要介護認定はもう少し先にして、様子をみていくのもひとつの方法です。
今後のことを考えると、要介護認定は必要です。要介護認定の調査であることを本人には言わないように事前に伝えておき、認知症で困っていることは本人のいないところで話しをするかメモにして渡すようにしましょう。要介護認定を受けてケアマネジャーが決まれば、相談できる人が増えて安心に繋がると思います。
お二人が元気な間に、子どもさんの近くの施設に移ることを考えましょう。ケアハウス(*)なら、食事の提供があるので、家事負担の軽減にもなります。今後、どちらかに入院が必要になったり、介護が必要な状態になった時でも安心ですし、子どもさんたちも負担が少なくてすむと思います。子どもさんに相談し、意向を聞いてみましょう。
(*)社会福祉法人や地方自治体、民間事業者などによって運営される福祉施設で軽費老人ホームのひとつ。助成制度が利用できるため、低所得者の費用負担が比較的軽い施設。一般的には介護が必要となった時は、介護サービスを利用する。
介護をしていると、日々、さまざまな悩みが出てきます。家族に対する対応、症状の変化、お金のことなど、介護をしているなかで発生する悩みに対して、それぞれの分野の専門家からアドバイスを伺いました。
楽しく、あたまの元気度チェック(認知機能チェック)をしましょう
あたまの元気度チェックへ身長や体重・運動習慣等を入力するだけで、将来の認知機能低下リスクをスコア化できます。
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