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楠善夫さんのポートレート
2024.08.21

【認知症当事者 本人の声 vol.18】どんな小さなことでも、人の役に立ちたい

認知症になることで、これまで行っていた仕事が思うようにできなくなることがあります。しかし、その後の出会いや新たな経験によって、自らの道を切り開いている方がたくさんいらっしゃいます。


今回、ご登場いただく楠善夫さんは、頭部外傷によって認知症の症状が見られ、仕事を退職。現在は、故郷の徳島県に戻られ、認知症の方々の支援活動などに積極的に参加しています。楠善夫さんに、認知症になってからの生活の変化や現在の思いを語っていただきました。


目次
・頭部外傷後に変調があり、退職し帰郷する
・ハローワークで若年性認知症支援コーディネーターを知る
・診断~障害年金受給の支援を受ける
・七夕の短冊に願い~“人の役に立ちたい”

執筆者画像
楠善夫さん
徳島の高校を卒業後、関西の大企業で働いていました。仕事は真面目に頑張っていましたが、ある日、駅構内で転倒し救急搬送されました。その後、仕事や家事で段取りがうまくいかないことがあり、故郷に帰ってきました。帰郷後、56 歳で診断を受けました。現在は、“ WORKS あい” など、支部の活動に積極的に参加しています。

頭部外傷後に変調があり、退職し帰郷する

関西で働いていましたが、お酒好きが高じて、終電に乗ったのはいいが、家とは全く違う方向に向かってしまうなど、武勇伝も数多くあります。


そんなある日、駅構内で転倒して頭をざっくり割いてしまい、救急搬送されたのです。その後、仕事の段取りが苦手になる、鍋を焦がすなどのトラブルが続き、家族と話し合った結果、退職して郷里の徳島に単身、帰ってきました。


ハローワークで若年性認知症支援コーディネーターを知る

徳島で一人暮らしが始まり、ハローワークに通い、いくつかチャレンジしてみましたが、うまくいきません。そんな状況から判断したのか、ハローワークの担当者が若年性認知症支援コーディネーターに相談するよう、連絡先を教えてくれました。


そこで、コーディネーターと徳島県支部に集う当事者の皆さんと出会ったことが、今の私の大きな財産になっています。中でも、高校の部活の後輩が当事者として参加していたのは驚きでした。


診断~障害年金受給の支援を受ける

コーディネーターの勧めで、クリニックを受診し、アミロイドアンギオパチーと診断されました。社会保険労務士が年金受給手続きをしてくれるなど、一人では全くできなかったと思い、本当に感謝です。


ハローワークで見つけた仕事は、N市の期間任用職員で、配属された部署では、手順がなかなか覚えられず、かといって少人数部署で配置転換はできず、コーディネーターや上司と相談して、残念ながら退職しました。


七夕の短冊に願い~“人の役に立ちたい”

七夕の短冊に願を込める楠さん

今は、“ WORKSあい” やその他の活動に積極的に参加しています。長年、ボランティアで少年野球の審判員を務めてきたので、自宅の窓から、少年野球の試合や練習を眺めていると、心が落ち着きます。


今年1月、米子市で丹野智文さんや当事者の方たちと交流できたのも、心の支えになっています。先日のあいの会で、七夕の短冊に「今年こそ 人の役に立てる人になる事」と書きました。どんな小さなことでもいいので、人の役に立てるといいなと思っています。



※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2024年7月より抜粋・一部修正したものです。公益社団法人 認知症の人と家族の会ホームページはこちら


【認知症当事者の体験談 まとめ記事】~当事者が語る、認知症との歩み~

認知症は、「100人いれば100通りの症状がある」と言われています。一人ひとり、症状が異なるため、発症のきっかけや症状の変化、日々のケア方法なども異なります。本記事では、認知症当事者の方々のさまざまな体験談を紹介します。日々の予防やケア、認知症の当事者の介護の参考にしてみてください。

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