俳優でありながら大学や企業で医療・福祉分野の研究者としても活動する、いとうまい子さん。ロコモティブシンドローム※を防ぐロボットを開発するなど、介護予防でも研究しています。実はご自身も、がんの父を病院で看取ったり、認知症の母を介護したりといった経験がある、いとうさん。両親を看取った今改めて考える、“求められるケア”のあり方とは?
※ロコモティブシンドローム…加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気、骨粗しょう症などにより運動器の機能が衰えて、要介護や寝たきりになってしまったり、そのリスクの高い状態を表す言葉です。
いとうまい子 氏
俳優・経営者・研究者
1983年アイドルデビュー。現在は俳優として活躍する一方、テレビ番組制作会社の代表を務める。2010年、早稲田大学入学。修士課程では「ロコモティブシンドローム」予防のための医療・福祉ロボットの研究に携わる。現在は同大学院に研究生として所属し抗老化学を研究中。2021年に内閣府の教育未来創造会議の構成員を務めている。
目次
・「世の中に恩返しがしたい」と予防医学の道へ ロコモティブシンドローム予防用ロボットも開発
・ペットが亡くなり散歩しなくなった母。入退院で体が弱り軽度認知症に
・深夜のトイレトラブルを機に意識が変化「挑戦状を叩きつけられた」
・「親の現状を受け止め、今できることは今してあげて」母の介護で今も続く後悔
・母の介護で感じた人に頼る大切さ「支えあえる文化を根付かせるべき」