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2023.04.27

ケアスタッフより、家族介護者の方へメッセージ~第9回~

日々介護をするなかでは、「このやり方で正しいのかな」と疑問や不安を感じたり、「こんなふうにしてあげたいのに、うまくできない」と悩まれたり、葛藤したりされたりする瞬間があるのではないでしょうか。

お一人おひとりに応じておこなう介護の正解は、ひとつではありません。しかし他の方のケア事例から感じ取れるヒントやメッセージもあるかと思い、本コラムでは経験豊富なSOMPOケアスタッフが経験してきた介護エピソードをご紹介します。


今回のテーマ「おむつへの抵抗感」

今回ご紹介するのは、一人暮らしをされていた80代女性(Bさん)。身内の方は姪御さんおひとりで、かつ海外在住だったため、地域の包括支援センターから連絡をいただいて訪問をすることになりました。

姪御さんは「叔母(Bさん)が望む支援をお願いします」との話を受けBさんご本人に意向を確認。Bさん本人が「自宅で過ごしたい」とのご希望で、在宅でケアをおこなうことになりました。


執筆者画像
SOMPOケア 東日本本部 北海道第2事業部  事業部長(介護福祉士) 秋保英里さん
訪問介護ひと筋12年、現在は札幌市内の一部および北見市・石狩市の事業所をまとめる事業部長さんです。家族がケアスタッフ従事者で、ご自身も「高齢者の方が好き」だったことから、看護助手からキャリアをスタート。お宅でリラックスした状態の高齢者の方にいろいろなお話を聞かせていただけることが訪問介護の魅力、と語られていました。

排泄ケアは段階的に進めていこう

認知症は千差万別で、人によってさまざまな特徴があります。Bさんの場合、尿失禁が一番の問題でした。本人は気にされていませんでしたが、虫の発生や匂いなど、室内の衛生環境の改善から取り組むことを決めました。


序盤は拒否が強く、「もう帰って!」と言われることもしばしばでした。「トイレの状態を見せていただけますか」と尋ねると、「自分で掃除した」と仰って入れてくださらないこともありました。その場合は「そうですか、そしたらこちらの部分のお掃除だけしたら帰りますね」「消臭剤を振っておきますね、これ良い匂いがするんですよ」などと適度な介入にとどめながら、少しずつ信頼関係を築き、段階的に衛生環境を整えていきました。


タイミングを見計らいながら、リハビリパンツもおすすめしていました。初めてリハビリパンツを履いてくださったのは、ケアに入り始めてから半年ほど経った頃。「これすごく暖かいんですよ。冬はこういうものを履かれている方も多いんです」「シーツが濡れたままだと風邪をひいてしまうから」と促したところ、「わかったよ」と快諾くださいました。

機嫌の悪い日には拒否をされたり、一瞬履いていただけてもご自身で脱いでしまわれたり、ということがありましたが、日々のBさんの想いに寄り添いケアを行いました。


強引におすすめしてしまうと、私たちやおむつに対してネガティブな印象が残ってしまうだけ。次に介入させていただくことがより難しくなる予感がありましたので、時間をかけて、ゆっくりとステップを進めていきました。

明日も笑顔になれますように。第8回「目や耳が不自由な方の在宅ケア」

全盲状態でお耳も遠く、認知症も進行していたAさん。在宅での一人暮らしは限界かもしれないと娘さんは心配していましたが、ご本人は「亡くなった旦那様との家に住み続けたい」と希望していました。ご本人とご家族の要望を叶えるために、ケアスタッフがどのようにサポートをしたのかご紹介しています。

楽しい話ができるほどウェルカムに

合間にはいろいろとお声がけをして、Bさんが好きな話題を探すことにも努めました。特に小さい子どもの話題は喜ばれることがわかり、他のヘルパーさんたちにも「お子さんの話が好きな方だよ」と共有し、できるだけ楽しい雰囲気づくりを意識していましたね。楽しい話題で盛り上がると、次に会うときは「入って、入って!」と私たちの訪問を歓迎してくださいました。


また接するうちに、Bさんは気分や機嫌の変動が激しいこともわかってきました。険しい表情をされている日はこちらもあまり喋らず、淡々とお掃除をするにとどめ、Bさんのほうから話してくださるのを待つことに。ウェルカムな状態で迎えてくださる日には、積極的にお声がけをしていました。


ケアスタッフからのアドバイス

家族介護者にとって、排泄ケアは大きな負担になるケースが少なくありません。ケアをする側・される側どちらにも恥ずかしさがあり、それがイライラや口論につながり、大きな心身の負担になってしまうのですね。

第三者が介入した方が、スムーズにいくケースもあるので、「頼るべきところはプロに頼ろう」という考え方も、ぜひ検討いただければと思います。


「優しくしたいのに怒ってばかり」「もっと寄り添ってあげたいのにできない」などとご自身を責めているご家族にもたくさんお会いしてきましたが、イライラしてしまう瞬間もあるのは当然のこと。


ご家族の方には「ヘルパーさんはいつも笑顔ですごいですね」などと仰っていただくことも多いですが、私たちは資格をもった介護のプロです。特定の方のケアに入るのは1日のほんの数時間ですが、ご家族は残りの時間ずっと介護をされているのですから、疲れたり悩んだりしてしまうのは当然だと理解しています。


その方にベストなケアプランやアイデアを考えるためにも、私たちは家族介護者の皆さんのご意見やお気持ちも、できるだけたくさん聞かせていただきたいと思っています。



次回のテーマは「認知症と料理」。自炊が難しくなり、調理のサポートをさせていただいたCさんのエピソードをご紹介します。




取材/外山 ゆひら ・ 下村 涼子(SOMPO笑顔倶楽部)  文/外山 ゆひら  


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