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2022.11.27

ケアスタッフより、家族介護者の方へメッセージ~第5回~

日々介護をするなかで、疑問に感じたり、迷ったり、他の人はどうしているの? と気になる事がたくさんあると思います。ここでは、経験豊富なSOMPOケアのスタッフが今まで担当したご家族のお話や、介護に関するエピソードをご紹介します。家族によって状況や悩み、対応は様々。正解は一つではありませんが、「明日も頑張ってみよう」と思っていただければ幸いです。今回も先月に引き続き「渋谷居宅介護支援事業所」に所属されている武田さんにお話を伺いました。


今回のテーマ「介護時間と自分時間のバランス」

今回ご紹介するご家族は、転倒して骨折し入退院を繰り返している80歳代のお母さん(以下Aさん)と、Aさんの家の近所に住まわれている娘さんのお話です。

執筆者画像
渋谷居宅介護支援事業所 武田 憲二さん
2000年に介護保険制度が始まったことがきっかけで「介護」という仕事に興味を持ち、福祉用具関連の会社に就職。その後、小規模デイサービスなどを経験しSOMPOケアへ。穏やかな雰囲気ながら、会話はとてもユーモアにあふれ、お話をするだけでも元気になれるケアマネジャーさんです。

仕事と家庭のことで精いっぱいの娘さん

私が担当したAさん親子との出会いは、Aさんが骨折による入院から3回目の退院をされた時です。娘さんは子育てをしながら仕事もされていたので、Aさんのことは、週末に少し様子を見に行くのが精いっぱいでした。Aさんはそのことを理解されており、娘さんには迷惑をかけないように「自分のことは自分でしたい」と退院前から言われていました。そこで私が提案したのはホームヘルパーの利用です。リハビリをかねて、ホームヘルパーと一緒に、簡単な家事をすることで、娘さんの負担も軽減でき、かつ、転倒の多いAさんの転倒リスクを減らす事も狙っての提案でした。


過去3回の転倒による入院のたびに、Aさんがご自身で歩くのが難しくなっていることを目の当たりにされていた娘さんは、「転ばないでね」といつも声をかけていました。また、「自分のことは自分で」と、ときに頑張りすぎるAさんを心配し、色々とAさんの手助けをしたいこともあったようです。しかし、Aさん本人の「自分の事は自分でしたい」という意思を尊重し、Aさんがご自身で料理されることも見守っておられました。そして、ヘルパーさんが来た時のちょっとした事、例えば買い物に一緒に行くなどは、「母と話し合って決めていただいて問題ないです」と介護サービスに関しても、幅広く任せてもらえました。


自分の時間をもつことも大切

娘さんは忙しいながらも、週末はAさんに会いに行き、子育てと仕事を両立しながら、頑張られていました。「自分の親の事なのに、週末しかケアできないのが申し訳なくて」とよく娘さんは言われていました。でも、娘さんもお休みの日はご自分の事や趣味などやりたいことがあったはずです。その時間を割いて、たとえ短い時間でもAさんに会うことで、Aさんはとても心強く嬉しかったと思います。実際、退院して半年くらい経った頃、Aさん宅を訪問した際、少し誇らしげな顔をしたAさんが「私が作ったのよ」とだし巻き玉子を出してくださった事があります。歩くのも難しかったAさんが、退院から半年で台所に立って料理までできるようになった事にとても驚きました。同時に、娘さんに対し「仕事で忙しいのに休みの日に来てくれて、本当に感謝しているの。だからこそ自分のことは自分でしなきゃと思っているのよ」と言われていたのが、とても印象的で、感動したことを今でもとてもよく覚えています。


次回のテーマ「趣味やペットの存在が力に」。人付き合いが苦手で、日中ご家族の方がいらっしゃらないなかで、お母さまに楽しんでもらおうとおしゃべりインコを飼うことにしたご家族のエピソードです。





取材・文/下村涼子(SOMPO笑顔俱楽部)

明日も笑顔になれますように。第4回「一人じゃない地域のみんなが見守り隊」

3か月の間に3回も行方不明になった80歳代のお母さん(Aさん)を同居している40歳代の娘さんお一人で介護していました。何回も行方不明になってしまうお母さんを、娘さんが一人で介護するには限界がありましたが、その状況を知った地域の方々が一緒になって、見守っていただけるようになったお話です。


ケアスタッフからのアドバイス


娘さんは、Aさんの介護と自分の生活とのバランスを上手に取っていたと思いますし、娘さんはAさんと週末だけしか顔を合わせられなかったことが、介護に手を出しすぎることを結果として防ぎ、Aさんができることを取り上げず、自立を促したのではないでしょうか。

介護に関しては、家族介護者ができない部分は無理をしないでホームヘルパー、介護サービスなどに任せ、上手に「手抜き」をするのは必要なことです。突然始まることが多い介護により、今までの生活スタイルを大きく変え、一日のほとんどを介護の時間に割いてしまうと、どうしても無理が生じてしまいます。

Aさん親子のように、介護される側は、ご家族と少しでも一緒にいるだけで、とても心強く心の支えになるものです。また、ご家族に心のゆとりがあってこそ、温かい介護にもつながります。

一日の中で介護の時間(考える時間も含め)のウエイトが一番になってしまったら、人の手を借りるなど、介護の向き合い方の考え時かもしれません。家族介護者にとって「自分の時間をもつ」事が、とても必要で大切なことで、介護される方の幸せにもつながると思っています。



取材・文/下村涼子(SOMPO笑顔俱楽部)

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