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噛むこと研究室 メインイメージ画像
2024.02.16

「ガムを噛むこと」で身体機能、認知機能が高まる? ロッテが研究結果を発表

「噛むこと」は、人の健康にさまざまな影響を与えます。近年は、子どもや高齢者の口腔機能の低下に注目が集まっています。


この度、株式会社ロッテから、ガムを噛む習慣がある高齢者と、認知機能・身体機能の関連性に関する研究結果が発表されました。

本記事では、研究結果の一部を紹介します。


※噛むこと研究室(TOP画像参照)は、株式会社ロッテが運営する噛むことの様々な機能を発信する情報サイトです。


全身の機能にも関わる「オーラルフレイル」

人は、加齢とともに身体機能が低下し、健康状態にさまざまな影響が及んでいきます。身体的な機能変化や予備能力が低下し、健康状態に対する脆弱性が増した状態をフレイルと呼びます。一般的には、健康な状態から要介護状態になる前の中間の段階を示す言葉として使われています。


フレイルは口腔機能に対しても使われる言葉であり、噛む、飲み込む、などの口腔機能が低下した状態をオーラルフレイルといいます。それにより、栄養状態や精神状態にも影響が及び、やがて全身の機能低下にも関連するといわれています。

フレイルについての詳細は、こちらの記事(フレイルとは? 症状や予防法、チェック基準をわかりやすく解説)をご覧ください。


ガム噛み習慣と身体機能・認知機能の関連性を調査

この度、株式会社ロッテと東京大学高齢社会総合研究機構との共同研究により、ガム噛み習慣と身体機能・認知機能の関連性が調査されました。


【対象者】65歳以上の自立高齢者/1474名
【調査方法】参加者のうち、30分/週以上ガムを噛んでいる人を「ガム噛み習慣群」として、非ガム噛み習慣群とのさまざまな健康状態について比較


調査において、以下の観点で関連性が見られました。


● オーラルフレイルとの関係性

● 認知機能との関係性

● 身体機能との関係性


オーラルフレイルとの関係性

ガム噛み習慣群の方が噛む力をはじめ、さまざまな口腔機能が高いことが明らかになりました。また、オーラルフレイルの有症率について、ガム噛み習慣群の方が低いことがわかっています。

ガム噛み習慣がある人とない人を比較した、オーラルフレイルの有症率グラフ

上記の表より、ガム噛み習慣群の方が0.58倍オーラルフレイルの有症率が低いとしています。


認知機能との関係性

「噛むこと」は、口周りの筋肉、神経の関連から脳への刺激となり活性化のきっかけになるといわれています。また、口周りの筋肉を動かすことは血流の増加にもつながります。特に前頭葉は記憶に関連する司令塔的な役割を果たす部分です。


そのため、前頭葉への血流上昇は認知力向上につながるともいわれています。

ガム噛み習慣がある人とない人を比較した、MMSEのグラフ

このたびの研究では認知機能テスト(MMSE)(※)により、ガム噛み習慣群の方がテストの点数が高く、認知機能がより保たれていることがわかっています。


認知機能テスト(MMSE):時間や場所の認識などを確かめるために行われるテストで、計算、図形模写など11項目から構成される。30点満点で23点以下が認知症を疑われる。


身体機能との関係性

本研究ではガム噛み習慣が身体機能にも関連性があることがわかりました。具体的には「筋力」「バランス」です。ガム噛み習慣群とそうでない方で、握力と開眼片足立を維持できる時間を比較しました。


結果は、どちらもガム噛み習慣群が優位という結果が出ました。

ガム噛み習慣がある人とない人を比較した、身体機能のグラフ

筋力については、歯を食いしばることで自然と全身に力がはいり、4〜6%程度筋力がアップするともいわれています。また、バランスと噛むことにも関連があり、上下の歯でしっかりと噛めている場合と、噛み合わせが悪い場合とでは、重心のブレに違いがあるといわれているのです。


健康を意識してガムを噛みましょう

今回はロッテより発表された「ガム噛み習慣」と認知機能、身体機能について解説しました。本研究では、ガム噛み習慣により認知機能テストや、開眼片足立テスト等の結果に差が出ています。


また、ガムを噛むことで血流量の上昇や、脳への刺激から集中力が増すともいわれています。健康やオーラルフレイルとの関連性もさることながら、がんばりたいときにガムを噛むのもよいでしょう。


「噛むこと」について、以下の記事でも解説をしていますので、ぜひ読んでみてください。

「噛む」ことで記憶力がUPする!? 研究者に聞いた、食事の工夫


噛むこと研究室ホームページ…https://www.lotte.co.jp/kamukoto/


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