公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、本人の体験談記事「私らしく仲間とともに」をご紹介します。今回ご登場いただく平(たいら)さん(63歳)は子供の頃からバレーボール、ソフトテニス、茶道、美術などに親しみ、自宅も居心地のよい空間にされています。日本認知症本人ワーキンググループ事務局・渡辺紀子さんの原稿からの紹介です。
公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、本人の体験談記事「私らしく仲間とともに」をご紹介します。今回ご登場いただく平(たいら)さん(63歳)は子供の頃からバレーボール、ソフトテニス、茶道、美術などに親しみ、自宅も居心地のよい空間にされています。日本認知症本人ワーキンググループ事務局・渡辺紀子さんの原稿からの紹介です。
私は地元の仲間たちと、2015年に「ともに歩む認知症の会・茨城」(2017年にNPO法人化)を立ち上げ、本人向けカフェ、家族向けサロン、地域向け「となりの縁側」*の運営や、講演会・ 啓発活動をしています。自治体ガイドラインのもと、Zoomも使って活動を続けています。コロナ禍の事情で参加できない人のことも話し合いながら、日常を過ごせていることに感謝しています。
レビー小体型認知症と診断された時、私は52歳でした。気持ちの整理は大変でしたが、不調の原因がやっとわかった、一歩踏み出せる、とほっとしました。悩みを一緒に解決しよう、と主治医が言ってくれたのも心強かった。夫も最初は混乱して自身の老後を心配する言葉も漏らしましたが、私もしっかり言い返しました。でも結局、夫は二年前に亡くなるまで私を支えてくれました。「残った脳があるならそれを使えばいい」の夫の言葉で、工夫しながら家事を続けています。レビーは、睡眠がうまくとれない人が多く、それで私も朝はつらい。 特に冬は動けませんので、息子が、出勤前に朝食作りや洗濯をしてくれます。「こんな息子、いないよ~」「ふ~ん。お母さんも子供のために、昔からやっていたよ」のやりとりも。「お母さんが素直に認めるハズないね」と息子は苦笑い。親子漫才、と人に言われます(笑)。
少しずつ身体の不調もありますが、先は先。ここまで生きたことに感謝したい。自分らしく暮らし続けるための「今」だと思って、自分なりの努力や工夫を続けています。これからの人生も、家族や友人、仲間と明るく前を向いて生きていきたいです。
*元気なうちから認知症について学ぶ、地域住民のカフェ
※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2022年3月号より抜粋・一部修正したものです。
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認知症は、「100人いれば100通りの症状がある」と言われています。一人ひとり、症状が異なるため、発症のきっかけや症状の変化、日々のケア方法なども異なります。 本記事では、認知症当事者の方々のさまざまな体験談を紹介します。日々の予防やケア、認知症の当事者の介護の参考にしてみてください。
楽しく、あたまの元気度チェック(認知機能チェック)をしましょう
あたまの元気度チェックへ身長や体重・運動習慣等を入力するだけで、将来の認知機能低下リスクをスコア化できます。
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