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2021.06.30

【認知症当事者 本人の声 vol.3】思い出せないことは思い出さない

公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、本人の体験談記事「私らしく仲間とともに」をご紹介します。折田さんはMCIの診断を受け、軽度のうつ状態になりました。ひとり暮らしの日々は、どのような様子なのでしょうか。


一人暮らしは気楽~マイペースの日々

朝7時前に起床、ラジオ体操、ウォーキング。コーヒーを飲みながら新聞を。一番楽しいひとときです。遅い朝食は米飯に実だくさんのみそ汁。昼食は簡単に、のんびりと昼番組を楽しみながらテレビ 三昧。夕食後はもっぱらテレビと読書。たまに、夜更かしも。入眠するとトイレ1回、朝までぐっすり。一人暮らしは気楽で性分に合っていますが、一度も声を出さないときなど、小野敏子さん(認知症家族の会 長野県支部世話人)からの電話はとても嬉しいです。


朝食を済ませたか忘れる

朝食を済ませたか否か忘れてしまった!はじめてです。朝の実だくさんの味噌汁を作り、さて食べようとしたら、冷凍の米飯がないことに気がつき、あわててお米3合を炊いたのですが、炊き上がるまでの時間、MCI便りを書くことに集中していたことが原因でした。ちょっと複雑な工程が入ると混乱することがよく分かりました。


苦手な運動やジャズダンスにチャレンジ

私は小学校の頃から体育が嫌いでしたが、認知症には「身体を動かせ」というので、しぶしぶでも腰を上げないわけにいきません。というわけで体操月2回、ジャ ズダンス月4回、 歌月2回をやっています。中でもロシア民謡、昔懐かしい歌など先生のピアノに合わせて唄うプログラムは大人気で、気分は看護学生時代に帰っています。歌と覚えたダンスは、自分がMCIであることを忘れさせてくれます。忘れることのない懐かしい歌と皆が踊れる炭坑節は、認知症の脳のどこに潜んで生き続けているのでしょうか。


今の自分は失った記憶に囚われている・・・

ふと今の自分は、失った記憶に強く囚われているなと感じます。いくつかの言葉は消えても、脳内に残された記憶はまだ山のようにあり、その中で十分生活していけるのです。思い出せないことは思い出さない。そして多分、いずれはこのように抵抗する意識も徐々に消失していき、その時はこの無念さもなくなるでしょう。それが認知症なのでしょう。

現在83歳、もう十分に生きました。


【認知症当事者の体験談 まとめ記事】~当事者が語る、認知症との歩み~

認知症は、「100人いれば100通りの症状がある」と言われています。一人ひとり、症状が異なるため、発症のきっかけや症状の変化、日々のケア方法なども異なります。 本記事では、認知症当事者の方々のさまざまな体験談を紹介します。日々の予防やケア、認知症の当事者の介護の参考にしてみてください。

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