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2021.02.22

【管理栄養士アドバイス】新型コロナウイルス感染症予防は食生活から! 免疫力アップ食材&簡単レシピ集

新型コロナウイルスをはじめ、さまざまな感染症から身を守るためには、日々の生活において健康な体づくりを意識する事が大切です。ここでは、食事で免疫力を上げるためのポイントを専門家が解説します。とくに高齢者が摂取したい栄養素や食材のほか、手間なく簡単にできる免疫力アップレシピもあわせてご紹介します。ぜひ参考にしてください。

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麻植有希子さん
静岡県立大学大学院生活健康科学研究科食品栄養科専攻 博士課程修了。 在学中に文部科学省補助金事業でニュージャージー州の病院にてRDらの指導のもと、臨床栄養を学ぶ。 11年間介護老人保健施設にて管理栄養士として勤務後、特定施設で栄養ケアシステム構築および栄養士教育を行う。現在はSOMPOケア株式会社所属。

自分では気づかない!? 多くの高齢者が低栄養のリスクを抱えていることも

新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症予防として、手洗い、うがい、換気、湿度調整などの対策を行うのはもちろん、それらと同じく大切なのは、体の免疫力を上げることです。


「感染症にかかるリスクと免疫力は大きく関係しています。免疫力が低下していると、新型コロナウイルス感染症だけではなく、そのほかの感染症にもかかりやすくなりますし、かかった場合、体の回復が遅くなることもあります。 


免疫力と切り離せないのが毎日の食生活です。体の免疫機能(免疫細胞)の2/3は腸内にあり、腸内環境が悪くなると免疫力が低下します。高齢者が感染症にかかりやすいのも、腸内環境の悪化による免疫力の低下が関係していることがあります」 


免疫力を上げるためには、腸内環境を整えることがとても重要。いっぽう高齢者の場合は、低栄養に関しても意識して防ぐことが必要だといいます。 


「低栄養状態になると、体力や免疫力が低下するなど、全身の健康状態が悪くなります。ある地域の研究において、要介護高齢者で在宅介護を受けている方々の栄養状態を調べたところ、76%に低栄養リスクがある、または低栄養状態にあるという結果が出ました。また、施設に入所し、1日3食栄養バランスのとれた食事をしていても、半数くらいの方が低栄養のリスクを抱えていることも明らかになりました。このように、低栄養状態にある人や低栄養のリスクを抱えている人は想像以上に多いのです」 


コロナ禍での「個食」「外出の減少」も低栄養リスクを高める一因に

しっかり食事をしているつもりでも、低栄養状態になりかけることが珍しくないうえ、コロナ禍での生活スタイルの変化によっても食生活への影響が出ていると、麻植さんは指摘します。


「低栄養となる原因は、老化などによって食べる量自体が減ることも一因ですが、とくに高血圧や心臓病などの慢性疾患がある方は、体に必要な栄養が足りず筋肉量が減少したり、消化機能が落ちてくるなど、いろいろな要素が重なって低栄養につながっていることもあります。 


また、コロナ禍で個食が進んだのも影響していると考えられます。人との関わりが減り、食べるのが億劫になったり、外出する機会が減って足腰が弱り、スーパーなどへ買い物に行く回数が減るなど、日々の小さな積み重ねで、気づけば食事量が減っていたということも少なくありません。 


低栄養状態になる兆候は必ずあるものの、体重が減っても元気な人がいるように、すぐに気づくのは難しいのです。今は糖質オフ、カロリーオフの食品がたくさんありますが、65歳を過ぎたらダイエットではなく、むしろたくさん食べること、栄養バランスに気を配った食事をすることを意識してほしいと思います。 


主食、ビタミンDに加え「シンバイオティクス」で免疫力アップを!

免疫力を上げるためには、具体的にはどのような食材を摂るようにするといいのでしょうか。


「いちばん意識して摂りたいのはエネルギーで、米やパン、麺などの主食です。1日の全体カロリーの6割くらいは主食から摂るのが理想ですが、高齢になると主食の摂取量は自然と減っていきます。主食から必要なエネルギーを摂取するのが難しい場合、芋類をおかずに加えるのがおすすめです。じゃがいも、さつまいも、里芋、山芋などはエネルギーになりますので、食事に1品加えたり工夫をしてみてください。また、高齢者は素食に傾きがちにもなるので、たとえば煮物を作るときに一度油で具材を炒めてから煮るなど、油を摂ることも意識するといいかもしれません。 


そのほか、ビタミンDの欠乏は新型コロナウイルス感染症の発症に関与しているとの報告もあり(参照 ※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療と予防に関する栄養学的提言 https://www.jspen.or.jp/covid-19/)、意識して摂取したい栄養素です。厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」においても、ビタミンD摂取の推奨量が増えているなど、注目されています。 

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける、高めるときのパートナーで、日光浴をすることで摂取できます。ただ、今は外出を控えている方も多いと思いますので、ビタミンDが多く含まれる、鮭、さんま、いわし、さば、ぶり、マグロ、かじきなどの魚類、キノコ類、牛乳、卵などの食材からしっかり摂るようにしていただきたいです」


免疫力アップのためには、エネルギー、ビタミンA・Dなどを摂取するほか、先述のように腸内環境をととのえる食事内容にも気を配りたいもの。そのキーワードは、プロバイオティクスとプレバイオティクスをあわせた、「シンバイオティクス」です。 


「プロバイオティクスは腸内活性菌で、胃酸で死滅せずに小腸まで生き抜いた菌のことです。乳酸菌や納豆菌、ビフィズス菌などがそうで、ヨーグルトや納豆、みそ、ぬか漬けなどに多く含まれています。その菌のえさともいえるのがプレバイオティクスで、オリゴ糖、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維にあたります。バナナや海藻、果物、いも類、野菜類、きのこ類などに多く含まれていて、プレバイオティクスがあるほど、腸内活性菌は強力になっていきますので、この2つを摂ることが免疫力アップにつながります」 

【関連記事】認知症専門医アドバイス「認知機能・身体機能の低下を予防するには?新型コロナウイルス感染症予防のポイントや家族介護者の心構え


身近な食材で簡単に! SOMPOケアオリジナル 免疫力アップレシピ

麻植さんをはじめ、SOMPOケアフーズ 栄養管理部のチームが作成したオリジナルレシピの一部をご紹介。エネルギーやタンパク質の摂取、またシンバイオティクスを意識したレシピ集は、火を使わないものや、常備食材などで手軽に調理できるものばかりです。ぜひお試しください。


◆納豆しらすごはん

手軽にタンパク質とビタミンA、Dをあわせて摂取!


材料(1人分)

ごはん……茶碗1杯分(150g)

卵……1個

納豆(たれ・からし付き)……1パック

しらす……10g

ごま油……小さじ1

小ねぎ(小口切り)……5g


作り方 

1 卵は卵白と卵黄に分ける。

2 納豆にたれ、からし、卵白を入れてよく混ぜる。

3 茶碗にごはんを盛り、2をかける。

4 真ん中に卵黄をのせてしらすと小ねぎを散らし、ごま油を回しかける。

(1人分 510kcal/タンパク質 24g)



◆惣菜レバーの卵とじ

ビタミンA豊富なレバーに、しめじ&卵でビタミンDをプラス


材料(1人分)

★レバー甘辛煮(市販の惣菜でOK)……20g

★水……50ml

★砂糖……小さじ1/2

★しょうゆ……小さじ1

しめじ……30g

卵……1個


作り方 

1 しめじは石づきをカットしてほぐす。卵を溶いておく。

2 しめじと★印の材料を鍋かフライパンに入れて火にかけ、しめじがしんなりするまで中火で炒める。

3 溶き卵を回し入れ、蓋をして1分半弱火で加熱し、卵に火を通す。

(1人分 121kcal/タンパク質 9.9g)



◆冷凍ピラフでえび入り野菜チーズドリア風

身近な食材でお手軽に! 栄養満点のメインメニュー


材料(1人分)

冷凍ピラフ……1/2袋(200g)

むきえび(冷凍でもOK)……30g

冷凍ブロッコリー……30g

ピザソース……30g

ピザ用チーズ……20g


作り方 

1 冷凍ピラフを耐熱皿に盛り、むきえび、ブロッコリーをのせ、ラップをせずに電子レンジ(600W)で5分加熱する。

2 全体にピザソースをかけてチーズを散らし、再び電子レンジで1分30秒加熱する。

(1人分 533kcal/タンパク質 19g)



◆簡単!カット野菜で鮭のホイル焼き

包丁いらずでラクラク調理 魚も野菜もしっかり食べられる!


材料(1人分)

鮭……1切れ

スライスチーズ……1/2枚

カット野菜(野菜炒め用)……1/2袋(100gくらい)

ミニトマト……2個

★マヨネーズ……小さじ1程度

★みそ……小さじ2程度


作り方

1 カット野菜とミニトマトを洗う。

2 大きめのアルミホイルに鮭をのせ、チーズ、カット野菜、トマトの順に重ねる。

3 ★印の調味料を混ぜてかけ、アルミホイルを閉じてフライパンに並べる。

4 フライパンに水を深さ1㎝ほど注ぎ、蓋をして弱~中火で10分くらい蒸し焼きにする。

(1人分 213kcal/タンパク質 22g)



◆バナナきな粉ヨーグルト

シンバイオティクスで免疫力アップ!


材料(1人分)

ヨーグルト(好みのものでOK)……100g

バナナ……1/2本

きな粉……大さじ1


作り方

1 バナナを食べやすい大きさにカットする。

2 器にヨーグルト、バナナを盛りつけ、きな粉をかける。

(1人分 151kcal/タンパク質 81g)


そのほかのレシピはこちらよりご覧ください。 

https://www.sompocare.com/feature/meal/recipe/



在宅介護向け宅配サービス「食楽膳」との併用も

健康的な食生活を維持するために、日々の食事に加え、管理栄養士が監修し、高齢者の栄養バランスを考慮して作られた「食楽膳」のメニューを取り入れるものひとつの方法です。

レギュラー(普通食)、ソフト(そふと食)、ムース(やわらか食)、ピューレ(ミキサー食)の4種類があり、メニューも豊富。レンジで温めて器に盛るだけの手軽さもポイントです。


詳しくはこちらをご覧ください。 

https://www.sompocarefoods.com/service/syokurakuzen/



免疫力を上げるには、毎日の積み重ねが大切。コロナ禍で生活スタイルが変化している今こそ、食事について改めて見直したいものです。量が減っていないか、栄養バランスのとれたメニューになっているか、一度振り返ってみるのもいいかもしれません。


取材・文/山本幸代(SOMPO笑顔倶楽部) 

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