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2021.01.08

【認知症当事者 本人の声 vol.1】不安を持たないことが一番の薬 できるうちに、今後起こりうることに「備える」

公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、本人の体験談記事「私らしく仲間とともに」をご紹介します。診断された時は「何も解らなくなる」のかと恐ろしく、不安な日々を過ごしていましたが、今は家族を始め、多くの認知症仲間と楽しい時を過ごしている、伊藤さんの体験談です。


伊藤さんは、2017年に京都で開催されたアルツハイマーデー記念講演会にも登壇されまし た。2019年には、厚生労働省の老健事業調査研究委員として、本人の立場から発言してこられました。伊藤さんからいただいた原稿をそのまま紹介します。 



診断当時のこと(仕事のことなど)

仕事は鉱物の成り立ちの研究と、学生達に教えることでした。「世界に此処だけ」の稀産鉱物を発見し、定年後の仕事も一段落した頃、宇治市に住む娘が出産後体調を崩し、妻が育児の手伝いに。一人残されても…と思い二人で転居、診断はその後。この病が如何なるものか知りませんでしたが、診断されたのだから仕方がないと思いました。

現在の生活の様子

夫婦二人暮らし、娘家族が近くに住み、私が診断された時は赤ん坊だった孫娘は小学四年生に。娘の存在は妻にとって心強いものと思われ、当然私にとってもです。


私が診断された病院は、単に診断だけで無く、同じ病気仲間・家族に、テニス・卓球や絵画を楽しめる環境が備えられて参加、継続しています。他、「オレンジドア」、通所介護施設利用(週1)、「れもんカフェ」、日曜日は教会と、カレンダーはほぼ埋まっています。


2019年度老健事業で調査研究に関わった際の思い

私は以前より、認知症本人の多様性の理解が拡がることを望んで来ました。この事業に於いても同様です。一人、一人の「思い」を、問う側も含め、自身の身近な人からだけの「思い込み」がないか、診断後早期の人々から学んで戴きたく思っています。

今後どの様に過ごして行きたいか

これまでと同様孫娘の成長を見ながら、夫婦二人で穏やかな日々を過ごすことが望みです。そして「れもんカフェ」始め、宇治市認知症事業に元気に参加することです。中でも、「就労支援・茶摘み」は今年で6回(6年)、コロナ禍の中でも茶園は私達を受け入れ、去年は全国品評会出品茶の茶葉を摘ませて戴きました。来年も元気に参加し、役立つ作業をと願っています。

全国の認知症本人へのメッセージ

診断された時は「何も解らなくなる」のかと恐ろしく、不安でしたが、今は家族を始め、多くの認知症仲間と楽しい時を過ごすことができており、この病には、不安を持たないことが一番の薬と思っています。その為には、できる内に、今後起こりうることに「備える」ことが大事と思います。


※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2020年12月号より抜粋したものです。


【認知症当事者の体験談 まとめ記事】~当事者が語る、認知症との歩み~

認知症は、「100人いれば100通りの症状がある」と言われています。一人ひとり、症状が異なるため、発症のきっかけや症状の変化、日々のケア方法なども異なります。 本記事では、認知症当事者の方々のさまざまな体験談を紹介します。日々の予防やケア、認知症の当事者の介護の参考にしてみてください。

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