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2024.04.23

【介護のお悩み相談 vol.14】受診拒否をされたときはどうしたらいい?

公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、介護初心者の悩みに応える記事「”つどい“は知恵の宝庫」をご紹介します。今回は、実母が専門医の受診を拒否される相談にケアマネジャーなど4名がアドバイスをします。

【介護のお悩み相談 まとめ記事】~専門家のアドバイスで疑問やお困りごとを解決~

介護をしていると、日々、さまざまな悩みが出てきます。家族に対する対応、症状の変化、お金のことなど、介護をしているなかで発生する悩みに対して、それぞれの分野の専門家からアドバイスを伺いました。


受診を拒否するので困っています。

実家の母(79歳)は、父(86歳)とふたり暮らしです。

母は糖尿病と高血圧症で近所の内科クリニックに通院していて、薬を飲むことと、週1回のインシュリン自己注射が必要です。時々実家に帰って薬を確認すると、飲み忘れや注射のし忘れがあるので物忘れを心配していましたが、最近、物盗られ妄想と思われる症状があると父が言うので、専門医の受診を勧めました。母は「認知症と言われたら、そのことばかり考えて、眠れなくなり、ノイローゼになる」と言って受診を拒否します。どうしたらいいでしょう。

(相談者:50歳代 娘)


介護経験者からのアドバイス


「かかりつけ医に相談してみましょう」

私の母も同じで困っていましたが、かかりつけの医師から糖尿病等の慢性疾患の合併症の有無を調べるために必要だからと大きな病院での検査を勧めてもらい、一緒に認知症の検査もしてもらいました。医療の専門家から検査を受ける必要性を説いてもらうことで、うまくいくこともあるので、かかりつけの医師に相談してみましょう。また、進行を遅らせることができる薬があり、早くに使い始めることが効果的だと資料を見せて説明したり、子どもたちから少しでも元気で長生きしてほしいと伝えたことで受診につなげることができた方もいます。



地域包括支援センターからのアドバイス


「まずは地域包括支援センターに相談しましょう」

認知症の親御さんを病院に連れて行くことが難しい場合、介護を始めとする高齢者のサポートを行っている地域包括支援センターに相談することをおすすめします。また、周りがどれだけ説得してもご本人が病院に行きたがらない場合は、「認知症初期集中支援チーム」につなげ、在宅で専門医による診療を受け、診断してもらい、治療につなげる方法もあります。相談に応じて、家庭を訪問し、身体や認知機能などの状況を確認したり、聞き取りなどを行い、認知症に対する初期対応をサポートしてくれるので、診断後の不安も軽減できると思います。



世話人からのアドバイス


「家族が本人の困りごとを理解することが大切だと思います」

私の母は怖がりな性格で、認知症と診断されたらショックで寝込んでしまうか、抑うつ状態になって家事をする意欲もなくなってしまうのではないかと不安で、家族が受診をためらっていました。物忘れはあっても、母なりのペースで家事をこなして父と穏やかに暮らしていたので、専門医への受診は見合わせ、家で様子を見ていくことにしました。忘れたことや、できなくなったことを指摘しないようにして、予定をカレンダーに書き込んだり、メモを活用する等母が困らないよう、さりげなくフォローするようにしました。診断を受けなくても家族にできることはあると思います。



ケアマネジャーからのアドバイス


「専門医の受診は急がなくてもいいのでは?」

お母様は物忘れの自覚があって、何かおかしいと不安を感じているのだと思います。認知症になったらおしまいとの昔の認知症観があるのではありませんか。今は認知症と診断されてからも新たなチャレンジをしたり、できることで活躍されている方もいます。認知症希望大使が活躍されている様子をYouTubeで見ることができ、当事者の声を聴くことができます。テレビで特集され、放映されることもあります。お母様と一緒に見る機会があるといいですね。受診を嫌がられるのであれば、無理強いしないで、お母様の思いをゆっくり聴くようにしてみましょう。


※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2024年4月号より一部抜粋したものです。

公益社団法人 認知症の人と家族の会ホームページはこちら


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