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G7で意見発表を発表する田中さん
2023.12.25

【認知症当事者 本人の声 vol.11】認知症を受け入れ、自分の声を世界へ発信

認知症は、将来、誰もがなってしまう可能性があります。しかし、いざ、自分自身に認知症の疑いがあると、「まさか自分が……」と受け入れることは難しくなります。


今回、ご登場いただく田中さんは、50歳の時若年性アルツハイマー型認知症と診断を受けました。当初は、状況を受け入れられず、うつ病にもなったそうですが、現在は長崎県の希望大使にも任命され、啓発活動にも取り組んでいます。そんな田中さんの、発症当時のことや現在の活動についてのお話をお届けします。

(公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、本人の体験談記事「私らしく仲間とともに」をご紹介します。)


目次
・不安な中、受診~診断を受けてうつ病に
・子どもたちのことを思い、ポジティブに
・県下各所で講演活動~ G7で意見発表も

執筆者画像
田中 豊 さん
50歳の頃、会社でミスが目立つようになり、職場の上司の勧めで病院へ受診し、認知症と診断を受ける。その後、仕事を退職し、長崎市東長崎地域包括支援センターの認知症地域支援推進員廣瀬大祐さんの全面的なサポートのもと、各所での講演活動に積極的に取り組む。

不安な中、受診~診断を受けてうつ病に

私は会社でミスが目立つようになり、「何故こんなに思い出すことができないのか」と悩み「もしかしたら認知症かもしれない」という不安が頭をよぎりました。職場の上司からの勧めもあり、2019年2月に専門医を受診しました。


診察を待つ間、「認知症だったら子供たちの将来はどうなるのだろうか。身内だけだったらいいけど、会社や周りの人に迷惑を掛けてしまうのではないか」と色々と不安に思いながら、「思い違いであってくれ」と願っていましたが、医師から若年性アルツハイマー型認知症と告げられ、頭が真っ白になりました。


それからは、良くないことばかりを考えてしまい、うつ病になりました。


子どもたちのことを思い、ポジティブに

「子どもたちの将来の事を考えたら落ち込んでばかりいても仕方がない。今自分ができる事を探していくしかない」と、何事もポジティブに考えようと決めました。病気のことを受け入れる事ができるのに、1年半近く経っていました。


認知症は昔の痴呆症というイメージが強いので、差別的な目で見られないか、打ち明けるのに不安はありましたが、「知ってもらっていた方が周りも接しやすいのではないか」と思い、関わる人には伝えています。伝えたことで、家族や自治会、職場も理解してくれるようになりました。


県下各所で講演活動~ G7で意見発表も

2022年に長崎県の希望大使を拝命しました。今は、県や市、認知症の人と家族の会、地域包括支援センター主催の集まりで、「若年性認知症を発症して」というテーマで普及啓発活動を行っています。また、2023年5月のG7世界保健大臣会合では、意見発表をするというとても貴重な体験ができました。


2023年4月からは、身近な場所で認知症の人とのつながりをもつために「おれんじ語ろう会」を立ち上げました。同じ境遇の人と悩みを共有したり、やってみたいことなどをお互いに話せるので、楽しく活動できています。まだまだ少人数での活動ですが、色々な人に手伝ってもらいながら続けたいと思います。


※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2023年8月・9月号より抜粋・一部修正したものです。公益社団法人 認知症の人と家族の会ホームページはこちら


【認知症当事者の体験談 まとめ記事】~当事者が語る、認知症との歩み~

認知症は、「100人いれば100通りの症状がある」と言われています。一人ひとり、症状が異なるため、発症のきっかけや症状の変化、日々のケア方法なども異なります。 本記事では、認知症当事者の方々のさまざまな体験談を紹介します。日々の予防やケア、認知症の当事者の介護の参考にしてみてください。

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