公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、介護初心者の悩みに応える記事「”つどい“は知恵の宝庫」をご紹介します。
今回は、体調不良になりパートを辞め、収入が無くなったことにより自身の老後に不安を抱える娘さんに、ファイナンシャルプランナーなど4名がアドバイスをします。
公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、介護初心者の悩みに応える記事「”つどい“は知恵の宝庫」をご紹介します。
今回は、体調不良になりパートを辞め、収入が無くなったことにより自身の老後に不安を抱える娘さんに、ファイナンシャルプランナーなど4名がアドバイスをします。
経済的な不安が大きく、自分の老後が心配です
80歳代の両親と同居しています。母は認知症の診断は受けていませんが、少し前のことをすぐに忘れます。家事は何とかこなしますが、料理はうまく段取りができずに散乱してしまいます。私がパートから疲れて帰宅すると、父はそんな母を怒鳴っているし、イライラから体調不良になりパートを辞めました。母を診察に連れて行き、介護認定を受け、介護サービスにつなげたいのですが、精神的な余裕がありません。私のパート収入がなくなり、年金受給までは年数があり、介護中心の生活になってしまうと、独身の自分の老後に不安が募ってきます。 (相談者:娘 50歳代)
介護をしていると、日々、さまざまな悩みが出てきます。家族に対する対応、症状の変化、お金のことなど、介護をしているなかで発生する悩みに対して、それぞれの分野の専門家からアドバイスを伺いました。
「両親の経済状況の確認をしましょう」
お金の問題は切実です。いつの間にか親にお金がなくなっていたでは困りますよね。元気なうちは子どもに資産についてあまり言いたくないのが普通ですが、預貯金を取り崩さず年金で生活ができているかだけでも聞いてみましょう。また、機嫌や体調の良さそうな日を見計らって、お父様にどの銀行にどれくらいのお金を預けているのか、生命保険に入っているのならどこの会社なのか等を資産ノート等を作って書いておくようお願いしましょう。ご両親の経済状況がある程度把握できたら、あなた自身の老後資金のことを考えていきましょう。
「まずは相談に行きましょう」
お母様がお父様に怒鳴られてしまう現状を変えるためにも、介護認定を受け介護サービスにつなげましょう。介護サービスが開始されれば、専門職が関わるようになり、いろんなことが相談でき、お父様もお母様も安心されると思います。手続きをあなたが一人で全部しようと思わず、あなたかお父様がまずは地域包括支援センターに相談に行き、困っている現状を話し、協力を仰ぎましょう。認知症の専門医を紹介してくれたり、受診の同行もお願いできる場合もあります。介護は長期戦です、あなたもお父様も無理せず介護を続けられるケアプランを作ってもらいましょう。
「お父様が無理しなくても家事ができる方法を考え、あなたの負担を減らしましょう。」
ご両親のことが心配ですね。私もそうでしたが、お父様はできないことが増えてきた奥様や認知症という病気を受け入れられずイライラしているのではないでしょうか。お父様にもつどいへの参加を勧め、ご自身の気持ちを話したり他の人の介護の話を聴いたりしながら、少しずつ認知症の人への理解を深めてもらいましょう。また今後に向けて、おかずの宅配の利用や家事の省力化等、お父様が家事を担えるような方法を考えていきましょう。家庭内が落ち着いてくれば、あなたも精神的に余裕ができ、働きに出ることができるようになるのではないでしょうか。
「今は体調不良を治すことを一番に考えましょう」
老後のお金の不安は大きいかもしれませんが、あなたが心身共に健康でいることが大切です。今は体調を元通りにすることを一番に考えましょう。体調が良くなれば、ハローワークで求職者支援制度や教育訓練給付制度等、使える制度を利用して新たに資格取得を目指すのもひとつの選択肢です。今は60歳過ぎても働き続ける時代、無理なく長く続けられる仕事を探しましょう。
※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2023年7月号より一部抜粋したものです。
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