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2023.03.26

【介護体験談 vol.10】夫婦でコロナに感染しました。

公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、家族介護者の体験談記事「支部だよりにみる介護体験 北から南から」をご紹介します。


今回は、アルツハイマー型認知症のご主人が新型コロナウイルスに感染され、自身も感染したAさんの介護体験談です。感染後、ご主人のトイレの失敗が増え、後片付けが大変だったと言われるAさん。何も言わずに黙々と後片付けをしているAさんの姿を見て、ご主人は一言「悪いなあ」と呟いたそうです。新型コロナウイルス感染前後のご主人の変化を書かれています。



とうとう私たちが……

夫(78歳)は、69歳の時にアルツハイマー型認知症の診断を受けました。その夫が新型コロナウイルスに感染しました。


デイサービス利用日の翌日、施設から「職員が陽性になりました」との連絡を受けました。その翌日、発熱38度。解熱剤を服用して熱が下がってホッとしましたが、また37.7度に。本人は元気で2日後の夜には平熱にもどりました。夫はすぐに PCR検査をしてもらえましたが、「一緒に住んでいて世話をしているので私も検査をしてほしい」と、どんなにお願いしても、熱もなく症状が出てないからと検査をしてもらえませんでした。


翌日、私も咳が出てきたので、主治医に連絡してPCR検査をお願いしました。施設職員の感染と夫の感染、その経緯を説明し、4回目のワワチン接種から3週間経過の状況を報告して、やっと検査していただけました。家から歩いて2 ~ 3 分のクリニックですが、夫の時も私の時も車で来るようにとの指示があり、駐車場での検査でした。

私の結果も「陽性」でした。「陽性」になったら、まずデイサービスの施設とケアマネジャーさんへ報告しなければいけません。発熱前々日の接触者への連絡もしました。これは、介護職の娘の指示です。感染者の拡散を防ぐためです。後は保健所からの連絡待ちでした。

本人もつらかったトイレの失敗

夫はコロナの意味も感染の認識も全くなく、隔離することは不可能でした。夫が感染して一番大変だったことはトイレです。発熱した夜から、トイレの失敗の連続でした。夜はほとんど起きない人ですが、発熱した日は3回もトイレに起き、すべて失敗でした。トイレの前が小便でびしよびしょだったり、大便が廊下にあったり、紙パンツは便器の中。私が何も言わずに黙々と後片付けをしていたら、それを見て「悪いなあ~」と一言呟いていました。


それ以来、気の短い夫が怒らなくなりました。「トイレのドアを開けつばなしにして、夜中電気をつけたままにしたら、失敗がなくなった」と本に書いてあったのを思い出して、その通りにしたら迷わなくなりました。

意外な発見も

娘がお見舞いに贈ってくれた花束を目につくテレビの横にいけて置いたら、毎日眺めて「綺麗な花だなあ!」と呟いていました。いつも気にかけない事にも気が付くのだと意外な発見もありました。

このようにして12日間の自宅療養生活を終えました。デイサービスのありがたさをつくづく実感しました。解放されて2週間、トイレの始末は時々わからなくなりますが、私に従順になってきて、手はかかりますが介護がしやすくなりました。



※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2022年12月号より抜粋・一部修正したものです。 公益社団法人 認知症の人と家族の会 ホームページはこちら

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