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2022.05.30

【介護体験談 vol.8】認知症?!全然大丈夫、全部OK、ケセラセラ

公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、家族介護者の体験談記事「支部だよりにみる介護体験 北から南から」をご紹介します。
今回登場するAさんは「いかに穏やかで前向きに生活するか」を日々のテーマにし、認知症のお母さんの介護をされていましたが、実際は思い通りにならず、自問自答を繰り返していました。そんな自問自答の日々を繰り返しながらも、気持ちが軽くなる2つの答えに辿り着いてからは、無駄に心を乱すことが激減したのでした。Aさんが辿り着いた2つの答えと、行きつくまでの日々をお話しいただきました。



学びの日々

いかに穏やかで前向きに生活をするか、これが日々のテーマで、行き着いた答の中の二つが「期待しない」と「自分本位」。母の認知症が発症以来、悪化しないように、あわよくば良くなってほしい、だからこそ母のために出来ることは何でもやってみようと、介護に取り組んでいました。しかし、これがまた自分を苦しめる原因でした。以前こんなことがありました。


入浴が難しいから足湯でも、と風呂場を温めお湯を準備し、さあ足湯となった時、足をお湯に浸けようとしない。「気持ちいいよ」等穏やかに声掛けしても、足を突っ張ったまま。膝を曲げお湯に足を浸けようとする私、抵抗する母の攻防に次第にイライラが浮上。「わざわざ準備したのに、何!その態度!!」。母思いの天使さんが一転、形相激しい鬼へと変貌……。


そんな折、阿川佐和子さんの介護経験の話をテレビで観ました。認知症のお母さんを残し、本当はゴルフ(遊び)に行くのに、「仕事だから」と言うと「気をつけてね」みたいなやり取りがありました。すごく後ろめたかったけど、その分、母に優しくできたという内容で、噛めば噛むほど奥深さを感じました。



気持ちが楽になる介護

私のことは置いといて(犠牲にして)母にとって良いかな、喜ぶかなと期待(それを意識していなくても)をもって介護している時、上手くいけば大満足ですが、裏切られるとカチン、イラッ、怒りが爆発。「せっかくお母さんのためにしているのに、なんでこんな思いをしなくてはいけないの!」。その都度自問自答です(笑)。

そして辿り着いた答えが、「期待しない」と「自分本位」でした。


自分が満たされることが最優先事項。そこから溢れ出たものが本当の優しさで、自己犠牲からは真の優しさは出てこない。だから心に余裕があり「自分がしたい」から足湯をしようかな……、もうこれから先は関係ありません。

母が喜んでくれたら、それはそれで嬉しいけど、結果が逆でも自分がしたかった足湯ができたから「まっいいか」で終わり。

要らぬ期待をしないことと、自分を優しく満たしてあげることに集中した上で取り組む介護は、気持ちが軽くなり無駄に心を乱すことが激減したのでした。




 ※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2022年5月号より抜粋・一部修正したものです。 公益社団法人 認知症の人と家族の会ホームページはこちら

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