認知症とは具体的にどんなもの?
認知症とは、様々な原因で脳の細胞が死んでしまったり働きが悪くなることで、記憶や判断などに障害が起こり、生活に支障が出ている状態のことをいいます。
脳は人間の活動をコントロールしている司令塔なので、うまく働かなくなると精神活動も身体活動も滞ってしまいます。
認知症は医学的には病名ではなく、症状が集まった「症候群」です。例えば、喉の痛みや鼻水、発熱などの症状が組み合わさった状態を風邪と言いますが、医学的には病名ではなく風邪症候群です。認知症もこれと同じで、原因がはっきり特定できない様々な症状が組み合わさった状態です。
かつては痴呆症と呼ばれていた認知症ですが、差別的なニュアンスが相応しくないと判断され、2004年に「認知症」という呼称に統一されました。(※2)
認知症に気づくきっかけのひとつ「物忘れ」
記憶障害は認知症の代表的な症状なので、物忘れが気になったら注意が必要な場合があります。しかし、物忘れには自然な老化現象によるものと、認知症が原因となるものがあり、一概に認知症の症状とは言えません。
老化現象の物忘れは、ヒントがあれば思い出すことができ、進行性ではありません。自覚症状もあり、日常生活に支障はないでしょう。
認知症によるものはヒントがあっても思い出すことができず、進行性で日常生活に支障をきたします。本人に自覚症状がないことも多くあります。
認知症の症状
認知症の症状は、認知機能の低下によって起こる中核症状と、そこに本人の性格や環境の変化などが加わって起こるBPSD(行動・心理症状/周辺症状)があります。