公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、本人の体験談記事「私らしく仲間とともに」をご紹介します。望月さんは62歳の時、アルツハイマー型認知症の診断を受けました。日本認知症本人ワーキンググループの一員として厚労省の動画「希望の道」にも出演。
聞き書きボランティア中村雅子さんの原稿からの紹介です。
公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、本人の体験談記事「私らしく仲間とともに」をご紹介します。望月さんは62歳の時、アルツハイマー型認知症の診断を受けました。日本認知症本人ワーキンググループの一員として厚労省の動画「希望の道」にも出演。
聞き書きボランティア中村雅子さんの原稿からの紹介です。
マンドリンは、中高生時代からよく聞いてました。大学にマンドリンクラブがあったので、迷いなく入部したんです。就職した会社にもマンドリンクラブがあって、そこの指揮者もしました。定年間近に山梨のワイン会社に移ったときは、かつぬま朝市でも弾いて、皆さんに喜んでもらえて、結構もてましたね。今は、毎週、ランチタイムに「亀吉」さん(くげぬま福祉支援センターの方)で外野をにぎわしています。マンドリンはとてもかわいい音で、私が弾くと皆さん、歌いたくなるんですね。こうやってできることが、今の私の財産です。
山梨のワイン会社にいるときにソムリエの資格を取ったんです。昔は、日本のワインはきれいだけど、味わいが薄い、浅いってけなされてたけど、基本的に肉食で、スパイスをたくさん使う外国の料理じゃなくて、日本食に合わせたら最高です。まあ、ワインっていうのは、その土地の食べ物にその土地のワインを合わせるのが一番おいしいっていうのが基本です。
62歳のときに認知症だと分かったんです。物忘れが激しいからと病院で検査をしてもらったら、影があったんですよ。でも、怖くもないし、何の問題もないんです。要するに今、自分の人生を楽しんでます。好きなことができて、すごく幸せです。マンドリンとワインと、二つのネタを持っているって、これは強いですよ。それと、一応、かながわオレンジ大使になってますんで、マンドリンを持って、神奈川県中に行きたいなって思ってます。なんせ自分一人じゃ記憶がうまいことできなくなっているので、「亀吉」さんから付き添いしていただけるのはとってもありがたいです。ソロで弾く「一人マンドリン」を100歳まで続けて、いろんな人に喜んでもらうのが私の夢です。できない夢じゃないと思ってるんですよ。
※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2021年9月号より抜粋・一部修正したものです。
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認知症は、「100人いれば100通りの症状がある」と言われています。一人ひとり、症状が異なるため、発症のきっかけや症状の変化、日々のケア方法なども異なります。 本記事では、認知症当事者の方々のさまざまな体験談を紹介します。日々の予防やケア、認知症の当事者の介護の参考にしてみてください。
楽しく、あたまの元気度チェック(認知機能チェック)をしましょう
あたまの元気度チェックへ身長や体重・運動習慣等を入力するだけで、将来の認知機能低下リスクをスコア化できます。
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