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2024.07.25

ケアスタッフより、家族介護者の方へのメッセージ~第22回~ 遠方に住む高齢者のサポート方法

遠方に高齢の親が住んでいて、本人の様子や今後のことが心配という方もいるのではないでしょうか?


しかし、「遠方で別々に住んでいる状態からすぐ同居することはできない」など、いろいろな事情を抱えた方も多いと思います。そんなときには、家族が遠方に住んでいても高齢者が安心して生活できる環境を整えてあげたいと思うもの。そして遠方からでも、高齢者を適切にサポートできるなら、ぜひその方法を知りたいものですよね。


本コラムでは、ご家族が遠方に住んでいる高齢者のエピソードとそこから学んだ遠方介護のアドバイスを、経験豊富なSOMPOケアスタッフが紹介していきますので、ぜひご覧ください。


目次
・今回のテーマ「遠方に住む高齢者のサポート方法」
・他人に合わせることや、外出が苦手で引きこもりがち
・好きなアイドルの動画が見たくてパソコン教室へ
・ケアスタッフからのアドバイス

執筆者画像
SOMPOケア 栃木吹上 訪問介護 管理者 神谷由己子さん
福祉系の専門学校を卒業した後、病院にて看護助手として3年程勤務。その後、訪問介護スタッフとして本人がご家族に寄り添いながらお仕事を続けられています。座右の銘は、「自分の当たり前は他の人にとって当たり前ではない」ということ。多様な価値観を受け入れるスタイルでいるだけでなく、ご自身の明るく優しい性格を活かし、高齢者の話しやすい雰囲気づくりもできる、魅力的な訪問介護スタッフさんです。

今回のテーマ:「遠方に住む高齢者のサポート方法」

親や、高齢のご家族が遠方にいる場合、すぐ駆けつけられない点が心配であるという方も多いと思います。また、「買い物はどうしよう」「訪問介護スタッフがいない間の見守りは?」などと、挙げたらキリがないくらい心配事がでてきてしまうものです。

「同居」という選択も確かにありますが、生活環境や仕事の状況から、今すぐにはできないという方も多いでしょう。


そんなときには、どのように遠方の高齢のご家族をサポートしたらいいのでしょうか?

今回は、神谷さんが出会った遠方にご家族が住む事例とともに、遠方介護の悩み解決方法を提案していきます。

他人に合わせることや、外出が苦手で引きこもりがち

今回は、一人暮らしの女性(80代)Mさんのお話しです。


Mさんは、ご家族が遠方にいるため、一人暮らしを継続していたのですが、徐々に見守りや家事手伝いなどの介護サービスが必要な状態になりました。引きこもりがちなMさんに対して、遠方のご家族も心配していたようです。


デイサービスなど、人が集まる場所では皆さんにペースを合わせなければならないのが苦痛、という本人の意見もあり、1対1のサービスである訪問介護サービスの利用を開始するようになりました。そのときは、Mさんのアセスメントが十分にできていない状態での関わりだったため、訪問介護スタッフ同士で連携を取りながら、手探りでMさんに合ったケアの仕方を模索していったことを覚えています。


訪問介護スタッフとMさんがやり取りする中で、Mさんのさまざまな気持ちが少しずつわかるようになりました。

わかったことの一つの例としては、Mさんが「外出が苦手であること」そして「本当は訪問介護スタッフと一緒だったら少し外にもでてみたい」と思っていることでした。

そこである日、Mさんやご家族に「保険外サービスで訪問介護ヘルパーと一緒に好きだったお祭りに行きませんか?」と提案をしてみました。

好きなアイドルの動画が見たくてパソコン教室へ

Mさんは、ためらいながらも「スタッフさんと一緒だったら…」と外出を決意してくれました。そして、見事、お祭り当日はMさんと訪問介護スタッフとで参加することができ、Mさんのたくさんの笑顔を見ることができました。さらに驚くのが、この後の話です。

なんと、Mさんはお祭り参加をきっかけに、外出する意欲が向上し、パソコン教室に通うまでになりました。パソコンを覚えて好きなアイドルの動画を見てみたかったそうです。


こうしてMさんは、引きこもりがちだった日々から一転、さまざまな人との関わりによってだんだんと心を開き、自分のやりたいことと向き合うようになりました。


生活自体に意欲がなかったり、介護サービスに良いイメージを持っていなかったりする高齢者は意外といるものです。そうすると、遠方にいるご家族は特に、「どうしてあげたら良いのだろう」と悩んでしまうものです。

また、介護サービスにどのように頼ったら良いかわからないものだと思います。


今回の事例で私が感じたことは、ご家族が遠方で介護ができない状態であったとしても、訪問介護スタッフとご家族、ケアマネジャーの連携で介護サービスを進めていき、本人との関わりの中で見えた気持ちに寄り添っていくことで、本人が心地よく生活する環境を整えることができる可能性があるということです。

遠方介護に悩みはつきものかもしれませんが、事例のように訪問介護スタッフやケアマネジャーとうまく連携すれば、本人の望む形の生活環境を整えることができるかもしれません。

ケアスタッフからのアドバイス

遠方ではなくても、離れて暮らしている親の介護に悩む方は多いのではないでしょうか?

特に、一人暮らしをしている親が心配だけど、周りに介護をしている方がいないなど、身近に相談する人がいない場合は、特に介護サービスをどのように利用したらいいかわからないと思います。


状況にもよりますが、一つの提案として挙げるなら、介護保険サービスと介護保険外のサービス、便利な道具を組み合わせることによって、遠方の高齢者の生活をサポートする方法もあります。


例えば、遠方に暮らしている高齢者が週2日、訪問介護サービスを利用しているとします。

その場合、訪問介護スタッフが居てくれる時間帯以外の見守りや買い足しなどに不安を感じることもあるでしょう。私の知っている事例では、遠距離介護で次のような対応をしているご家族がいました。


● 週数回、訪問介護サービスを利用

● 見守り機器を設置

● 買い足しは遠方のご家族が代行してネットスーパーで購入し、高齢者宅へ配送する


見守り機器は、寝室とトイレ入口あたりに小さなカメラ、本人がよく座るソファーの近くに本体を設置し、ご家族のスマホと連動できるようになっていました。そのため、遠方にいても常にお互いを感じられる安心感があったといいます。


また、訪問介護サービス利用時は、賞味期限が切れそうな食材や必要な物品をスタッフがチェックし、ご家族に報告。必要なものをご家族がネットスーパーで注文し、高齢者宅に配送されるという流れで買い足しを行っていました。

訪問介護サービス中に、スタッフとご家族とで見守り機器を通して会話もできるため、高齢者の体調変化などもすぐに報告でき、情報共有もスムーズでした。


見守り機器は音声入力もできるものであれば、高齢者でも簡単に取り扱うことができます。遠方に高齢者がいて心配という方は、介護保険サービスと便利な機器を組み合わせることで、より手厚いサポートができるかもしれません。


少しでも不安なことがあれば、遠慮せずにケアマネジャーに相談してみてください。そこから、ご家族と本人の希望を交えながら、介護保険サービス内でできることをすり合わせていくのが良いと思います。

介護保険内でできないことは、保険外サービスや見守り機器の活用など、ほかの部分で補ってもいいかもしれません。


遠方にいる高齢者のことが心配と思ったら、一人で抱え込まず、まずはケアマネジャーに相談してみましょう。



取材/SOMPO笑顔倶楽部  文/中村亜美

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