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寝ながらスマートフォンを見る女性
2024.04.18

スマホ認知症とは? 原因や症状、解決策を解説

スマートフォンは日々の生活に不可欠なものとなりました。しかし、その便利さゆえにスマートフォンに頼りすぎることでさまざまな問題を耳にすることもあるのではないでしょうか。


本記事では、スマートフォンの使い過ぎによって発生する「スマホ認知症」について説明します。スマホ認知症の特徴や原因に加え、チェックリストや予防法も紹介しますので、スマホ認知症の疑いがある方は対応の参考にしてみてください。


目次
・スマホ認知症とは
・スマホ認知症になる原因とは
・スマホ認知症の具体的な症状
・スマホ認知症チェックリスト
・スマホ認知症の予防方法や対応策
・予防や対策を行う際の注意点やポイント
・まとめ

執筆者画像
【監修】精神科、心療内科医、認知症診療医 ブレインケアクリニック名誉院長 ・一般社団法人日本ブレインケア・認知症予防研究所所長 今野裕之先生
順天堂大学大学院卒業。老化予防・認知症予防に関する研究で博士号を取得。大学病院や精神科病院での診療を経て2016年にブレインケアクリニック開院。各種精神疾患や認知症の予防・治療に栄養療法やリコード法を取り入れ、一人ひとりの患者に合わせた診療に当たる。認知症予防医療の普及・啓発活動のため2018年に日本ブレインケア・認知症予防研究所を設立。 著書・監修に「最新栄養医学でわかった! ボケない人の最強の食事術(青春出版社)」など。 医師+(いしぷらす)所属。

スマホ認知症とは

スマホ認知症とは、医学的に認められた正式な病名ではありませんが、スマートフォンの過度な使用が原因で発生する精神的・認知的な問題の総称としてメディアなどで使用され、知られるようになった言葉です。


スマートフォンの普及は、私たちの日常生活に便利さと効率性をもたらしましたが、近年、潜在的なリスクも指摘されています。そのため、日常生活に多大な影響を及ぼし、学習や仕事、人間関係においても悪影響を招くことがあります。スマホ認知症を防ぐためには、スマートフォンの使用を意識的に制限し、定期的な休息を取ることが推奨されます。また、スマートフォン以外の活動にも時間を割くことが重要です。



スマホ認知症になる原因とは

スマホ認知症の原因は、スマートフォンがもたらす生活習慣の変化と、それに伴う脳への影響が考えられます。具体的な原因は以下の通りです。


情報過多による脳疲労と機能の偏り

スマートフォンを通じて大量の情報にさらされることで脳が疲労し、集中力や情報を処理する能力などが低下しやすくなります。


人は情報を受け取る際、脳の前頭前野により「浅く考える機能」、「深く考える機能」、「ぼんやりと考える機能」の3つの機能によって処理されていきます。スマートフォンから受け取る情報は主に「浅く考える機能」だけを頻繁に使うようになり、脳疲労を感じやすくなります。さらに「深く考える機能」や「ぼんやりと考える機能」があまり使われなくなるため、集中力や思考力の低下などの認知機能低下につながっていくと考えられます。


コミュニケーション方法の変化

近年は、メールやSNSスマートフォンでのコミュニケーションが主流になっているため、対人コミュニケーションが減少しています。それに伴い、会話能力や非言語的なコミュニケーション(身振りや表情など)の理解力、他者の感情や意見に対する共感能力が衰える可能性があります。


ブルーライトによる影響

近年、スマートフォンの液晶画面には、ブルーライトが多く含まれています。就寝前にブルーライトを目にすると、体内時計に影響を与え、睡眠障害が起こりやすくなります。すると、昼間に眠くなり学習や仕事の効率が悪くなるなど、私生活に悪影響が及びやすくなります。



スマホ認知症の具体的な症状

スマホ認知症の症状は、デジタルデバイスへの過度な依存からくるものと考えられており、主に以下のような特徴が見られると言われています。


●記憶力の低下: 物忘れが頻繁になり、新しい情報の記憶が困難になる。

●集中力の低下: 仕事や勉強、何か作業をする際に集中力が維持できず、気が散りやすくなる。

●感情をコントロールする力が低下: 感情を司る前頭葉の機能が低下し、感情コントロールが難しくなり、情緒不安定になる

●コミュニケーション能力の低下: 会話をしたり文字を書いたりする際に、適切な言葉を選ぶ・思い出すことが難しくなる。結果、直接的な会話や意思疎通が上手く行かなくなる。

●創造力の低下: 前頭前野の働きが低下することで、仕事や私生活において、アイデアやひらめきが生まれにくくなる。

●睡眠障害: ブルーライトの影響により、睡眠障害が起こりやすくなり、夜、眠りにくくなったり、昼に眠気を感じやすくなる。


これらの症状は、スマートフォンの使用を控えることで改善が見られる可能性もあります。しかし、長期間にわたる過剰な使用は症状を慢性化させる可能性もあるため、注意が必要です。



スマホ認知症チェックリスト

スマホ認知症の具体的な症状を紹介しましたが、スマホ認知症の症状を確認するためにチェックリストをご用意しました。ご自身や身近な人の状態をチェックしてみましょう。当てはまる項目が多い場合には、注意が必要です。

スマホ認知症チェックリスト

スマホ認知症の予防方法や対応策

スマートフォンの普及により、多くの情報を得ることができる一方で、その便利さに引き替えに私たちの脳と行動にさまざまな影響が出ていることが指摘されています。スマホ認知症の予防方法と対応策を詳しく説明します。


スマートフォンの使用時間を見直し、ルールを決める

現代社会でスマートフォンは欠かせないものですが、その使用には自制が求められます。健康的な生活習慣を維持するためにも、スマートフォンの使用時間を見直し、ルールを設けることが有効です。


スマートフォン使用時間を記録し、不必要な使用を削減する

何のためにどのくらいの時間、スマートフォンを使用しているかを把握しましょう。一日の使用時間の合計を記録します。情報収集や必要な連絡以外の使用目的を見直しましょう。スマートフォンを使わなくてもよいと思われる使用内容を特定します。


使用ルールを設定し、管理をする

食事中や睡眠前など、スマートフォンを見ない時間帯を決めましょう。また特定のアプリの使用時間を制限します。加えて、アラームやタイマーを使って、使用時間を決めましょう。また、特定の時間に集中してスマートフォンを使用し、その他の時間は機器に触れないようにします。自分の使用習慣を理解し、必要な活用と不必要な使用を区別することは、スマホ認知症の予防だけでなく、生活の質を高める上でも重要です。明確なルールを設けることで、効率的かつ健康的なスマートフォン利用を心掛けましょう。


スマートフォン以外から情報収集をする

スマートフォンからの情報収集が日常的である一方で、依存を避けるために、情報収集の方法を見直すことは重要です。以下の要点を意識し、多様な情報源を活用しましょう。

書籍:書籍には著者の深い洞察や体系的な知識が凝縮されているため、特定の分野に関する深い知識は、書籍を通じて詳細に学ぶとよいでしょう。

新聞、テレビ、ラジオ:ニュースや時事ネタ情報のチェックは新聞、テレビやラジオなども活用しましょう。これらのメディアは、専門家の意見や詳細な分析情報をもとに情報発信をされていることもあるため、背景を含めて理解を深めることができます。

家族や友人との会話:家族や友人との会話から得られる情報の価値を認識しましょう。直接の会話を通じて、新たな視点やアイデアを得られる可能性があります。

経験を通じた情報収集:旅行や散歩など、直接的な経験から得られる情報を大切にしましょう。実体験を通じて、知識の新たな側面を発見できます。


デジタルデトックスを行う

デジタルデトックスは、スマートフォンへの依存状態から脱却するための効果的な手法です。具体的なデジタルデトックスの方法を紹介します。

電波が届かない場所に行く:電波が届かない場所に行くことで、スマートフォンの使用を物理的に避けることができます。郊外の自然豊かな場所は電波が届かないことがあるため、そのような場所で一時的に離れることで、心身のリフレッシュにもつながります。

スマートフォンを使わない時間を決める:週末や休暇を利用して、あえてスマートフォンを持たずに過ごす時間を設けます。スマートフォンを家に置いて外出するなど、意識的にデジタルから距離を置きましょう。

家族の協力:スマートフォンを家族に預けることで使用を制限しましょう。家族とのコミュニケーションも増え、関係を深めるきっかけにもなります。



予防や対策を行う際の注意点やポイント

スマホ認知症への予防や対策は大切ですが、日々の小さな習慣の改善から始めることが重要です。次の点に注意して、取り組みましょう。


段階的な改善

無理なく習慣を変えるために、小さな目標から始めます。毎日のスマートフォン使用時間を少しずつ短くすることを目指しましょう。


代替活動の導入と習慣化

スマートフォンを使う代わりに、読書やスポーツなど他の活動に時間を割り当てます。また新しい趣味や興味を見つけることで、依存を減らすことができます。また、それらの代替活動を日常的な生活リズムに組み込むことで、徐々に習慣化することができます。たとえば、毎日の通勤時間に読書をする時間に変えるなどがおすすめです。


リアルタイムコミュニケーションの重視

家族や友人との対面での会話を増やすことを心がけます。直接のコミュニケーションは、デジタルコミュニケーションに比べ、情報の質が高く、人間関係を深めます。



まとめ

近年は、仕事や学習でもスマートフォンを使用する機会が増え、なくてはならない存在になりました。健全なデジタルライフを送るためには、情報技術の恩恵を享受しつつも、スマートフォンを必可欠なものとして認識するのではなく、時には別の手段で代替えするなど、バランスよく取り入れることが重要です。日々のちょっとした意識を持つことが、スマホ認知症の予防につながっていくのです。

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