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SOMPOケア 秋の介護セミナーの会場の様子
2024.01.10

有識者が語る、これからの介護と健康の在り方とは 【SOMPOケア 秋の介護セミナー レポート】

高齢化が進んでいる日本。


近年、「介護」は多くの人にとって身近な存在になっています。そんな介護のことや健康のことにフォーカスしたイベント、「SOMPOケア 秋の介護セミナー」が開催されました。


アナウンサー生島ヒロシさんがお送りするTBSラジオ番組『生島ヒロシのおはよう定食・一直線』とコラボし、出張版として開催。第一部のゲストには、NHK番組「あさイチ」などでおなじみの中村格子先生をお招きし、健康的な体作りについて教えていただきました。さらに、SOMPOケア代表の鷲見さんも出演し、介護や健康に関する質問にもお答えいただきました。第二部では、桂歌丸さんの一番弟子である桂歌春さんによる、介護・健康にちなんだ「寄席ライブ」を開催。


目次
・SOMPOケアが目指す、ケアのかたち
・医師が語る「体を動かすこと」の重要性
・医師と介護のプロからアドバイス
・健康でいること、笑顔を届けること
・笑って健康になる寄席ライブ


第一部出演者(敬称略)

SOMPOケア 秋の介護セミナー 出演者

(左)生島ヒロシ
フリーアナウンサー。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、TBSに入社。アナウンサーとして活躍後、退社し事務所を立ち上げてフリーアナウンサーとして活動している。近年は、福祉住環境コーディネーター、ヘルスケアアドバイザーなどの資格を取得し、福祉をテーマにした講演活動なども行う。

(中左)中村格子
カラダのおくすり体操著者。横浜市大医学部卒業、医師免許取得した。同大学整形外科学教室入局。大学院卒業(博士号取得)。自治医科大学整形外科助教、日光市民病院整形外科科長を経て国立スポーツ科学センター医学研究員であり、トップアスリートの健康やコンディショニング指導や各種チームドクターとして日本代表を支えている。

(中右)田代沙織
フリーアナウンサーでありタレント。東京都板橋区高島平に落語家で一般社団法人落語芸術協会理事の桂歌春の娘として生まれる。フリーアナウンサーとしてテレビ・ラジオの活動の傍ら、落語家の父・桂歌春に師事し落語の高座も務める。

(右)鷲見隆充
SOMPOケア株式会社代表取締役社長COO。1995年4月、安田火災海上保険株式会社入社。SOMPOケアネクスト施設事業本部副本部長、損害保険ジャパン日本興亜株式会社 秘書部特命部長、人事部長、執行役員を経て、2022年4月SOMPOケア株式会社代表取締役社長COO、SOMPOホールディングス株式会社執行役員に就任している。


SOMPOケアが目指す、ケアのかたち

SOMPOケア 秋の介護セミナーで話をする鷲見隆充社長

田代:まずは、今回のイベントの主催であるSOMPOケアがどのような会社なのかをお伺いしましょう。鷲見社長お願いします。


鷲見:はい、よろしくお願いします。SOMPOケアは、高齢者お一人おひとりが望む暮らしに合わせ、在宅から施設までフルラインナップでサービスを展開しています。現在、25の都道府県で約8万5000人の方々がサービスを利用してくださっています。


私が代表になり、弊社の社会における存在意義として「SOMPOの介護が日本の介護を変える、そして日本の未来をつくる」を掲げました。実現するための具体的なテーマは3つです。


田代:どんなテーマでしょうか?


鷲見:1つ目は「供給力の向上と、需要の抑制へのチャレンジ」です。日本は2040年に、約69万人の介護者が不足すると言われています。その課題を解決するために、介護職の3K「きつい」「汚い」「危険」というイメージを、“New3K”「変えていく」「価値ある」「感動できる」に変えていきたいと思っています。


2つ目は、「SOMPOケアをもっと働きがいのある会社」にしていきたいと思っています。職員の処遇改善やワークライフバランスは当然として、介護の仕事を地域の皆さまにとっても価値あるものにし、職員の働きがいの向上に繋げていきます。具体的な施策の1つが「子ども食堂」の運営です。ご利用者さまと子どもの接点を作り、介護施設を地域住民の交流拠点にしていきたいと思っています。これまでに、約450の施設で開催し、1万人以上の子どもたちが来てくれました。


3つ目は、「SOMPO流の未来の介護を作ること」です。私は、人にしかできないことは「傾聴」「共感」「承認」だと思っています。

日々の現場のデータ、テクノロジーを最大限活用して、人は人にしかできないことに注力する「未来の介護」の創造にチャレンジしています。


生島:社長、ありがとうございます。SOMPOケアは、現在の状況でも皆さまからの評価は高いと思いますが、やはりテクノロジーやデータの活用は大切ですか?


鷲見:そうですね。介護業界において、働く人が少なくなっているという現実があります。そのため、任せられるところはテクノロジーに任せて、人は人にしかできないことに注力することが大切かなと思います。


医師が語る「体を動かすこと」の重要性

SOMPOケア 秋の介護セミナーでレクチャーをする中村さん

田代:ここからは中村先生にもお話を伺いましょう。


生島:実は、私も中村先生のクリニックにお世話になっていまして。先日も家で転んだことを先生に相談していたんですよ(笑)。早速ですが、中村先生。これからご高齢になる方、足腰に自信がない方はどんなことに気をつければいいのでしょうか。


中村:まず、気をつけて欲しいのが「日常生活動作がきちんとできるレベルを保つように注意すること」です。そのために運動をしていくことですね。


生島:たとえば「ラジオ体操」とかですか?


中村:はい、ラジオ体操は究極のエクササイズと言われています。昭和26年に当時あった体操を「いつでも」「どこでも」「誰でも」取り組めるように再編成して作られたのがラジオ体操です。


生島:中村先生は「カラダのおくすり体操」というものを提案されていますが、どのような体操なのでしょうか。


中村:おくすり体操は、お薬を処方するように「体操を処方する運動」になります。具体的には、日常生活に必要な7つの力を養うための運動です。7つの力とは、「疲れずに立てる力」「歩ける力」「上下にラクに動ける力」「腕を上げられる力」「骨折しない力」「転ばない力」「痛まずに座れる力」です。この7つの力はどれが欠けてもいけません。おくすり体操は、これらを分析して弱っている力を段階的に上げていくための体操になります。


生島:たとえば「転ぶ」ということは、足の筋力が落ちていたり、バランスを保つ力が落ちていた、ということになるんでしょうか。


中村:その両方になります。たとえば、普段生活をしていると「瓶のフタが開けられない」なんてことはないですか? あれは、握力はもちろんですが、全身の筋力が落ちているために起こります。

瓶のフタを開けるときは、お腹にも「グッ」と力を入れているはずです。これはフタを開ける動作に、自然と体が反応してお腹に力が入るのですが、年齢を重ねるとこういった反応が落ちていきます。


生島:やはり、高齢になるとそういう反応も落ちますか。


中村:いえ、実は40代、50代の中高年から落ちてくると言われています。若い世代から注意が必要なんですよ。


医師と介護のプロからアドバイス

SOMPOケア 秋の介護セミナーの会場の様子

田代:ここからは、皆さまから事前にいただいていたご質問について、中村先生と鷲見社長からお答えいただきます。まずは介護の準備に関して質問をいただいています。


――質問①将来の介護のために事前に準備するものがあれば教えてください


鷲見:そうですね。介護が必要になる日は急に訪れますので、事前に「いろいろな情報を知っておくこと」が大切だと思っています。たとえば、各地域の自治体には介護専用の部署がありますし、弊社にも介護なんでも相談室があります。


介護に関して利用できるもの、サービスなどの情報を知っておくことが、事前の準備になるのではないでしょうか。


田代:ありがとうございます。続いての質問は、中村先生にご回答をお願いします。


――質問②ご自身の健康のために気をつけていることを教えてください


中村:よく食べること、よく寝ることですね。寝ようと思う1時間くらい前に、ぬるめのお湯に浸かると体温が上がります。そこから徐々に体温が下がるので、そのタイミングでお布団に入るとよく寝られると思います。あとは、メンタルに関しては嫌なことはしない。嫌なことはすぐに忘れる。これが大切ですかね。


田代:ありがとうございます。ちょうどメンタルに関する質問もいただいていますね。


――質問③介護生活と自分のメンタルの安定を両立するにはどうすればいいでしょうか


鷲見:介護は先が見えず、長い期間対応する可能性もあります。そのため「介護をする時間」と「介護から離れる時間」を上手に作っていただけたらと思います。そのために我々のような専門家がおりますので。


長期間、介護が続くと精神的にも疲弊します。そのために、介護サービスなどを活用することが大切だと思います。


生島:私も、認知症の義理の母の介護を8年間経験しました。お下(排便・排尿)のお世話や、昼夜逆転した生活になってしまいまして。認知症もあり、お金のことが心配になるのか、「ヘルパーさんがお財布を持って行った」なんて言ったりしたこともありました。


自宅で介護をする場合、環境の問題もありますよね。義理の母は転倒してからより認知症が進んでしまったんですよ。だから、段差をなくすように意識したのですが、昔ながらの家はどうしても小さな段差が多くて。これは、どうすれば良かったんでしょうか。


中村:そうですね。今は日本家屋でも、簡易的な手すりをつけたりできます。あらかじめ転倒しそうな場所に手すりをつけたり、危ないものを近くに置かないなど、そういった対応も転倒予防として大切かなと思います。


生島:なるほど。今は、特養(特別養護老人ホーム)などの施設は、順番待ちでなかなか入れないこともありますし、「終の住処をどうするか?」なんて問題もあります。「家にいたい」という人に対して、在宅で介護をするにもいろいろなアイディアがありますよね。


鷲見:おっしゃる通りですね。皆さまもそうだと思いますが、「できれば家にずっと住み続けたい」と思われる方もいらっしゃいます。そこでどうやって住み続けられるか、を我々も一緒に考えていきたいですね。


健康でいること、笑顔を届けること

SOMPOケア 秋の介護セミナーの会場の様子

生島:今は人生100年時代と言われていて、健康やお金のことなど、考えなければいけないことがたくさんあります。いつ、介護が必要になるかは分かりません。だから、僕は「やれることはやっておこう」「今日が最後だ!」と思っていつも生きています。


中村:健康寿命(※)は、平均寿命と数年分の開きがあります。私は「健康であることは美しい」をモットーに生活しています。今日いらした皆さまも健康で長生きし、美しい人生を送っていただきたいと思います。

※健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間


鷲見:今年も、弊社に新入社員が入ってきたのですが、職員270名の皆さんに「この仕事で何がしたいですか」と聞いたところ、一生懸命に「笑顔を届けたい」と答えが返ってきました。


ご利用者さまの多くから言われること、求められることは、外出や食事、入浴のことなんですよね。それらは、家族が介護をするときに1番大変だと感じる部分でもあります。ぜひ、こうした介護の場面でご利用者さまを支えて笑顔を届けたいと思います。


笑って健康になる寄席ライブ

SOMPOケア 秋の介護セミナーの会場の様子

第二部出演者(敬称略)

SOMPOケア 秋の介護セミナー出演者

桂歌春
西南学院大学在学中に桂枝太郎に入門。前座名「桂枝八」。76年に二ツ目昇進。79年師匠の死去に伴い、桂歌丸門下に移籍し、「歌はち」と改名。85年真打に昇進し、「歌春」と改め、現在に至る。桂歌丸の一番弟子で、愛嬌のある顔立ちと穏やかな人柄で、聞く人を暖かな気持ちにしてしまう。確実に笑いのとれる噺家として、寄席を中心に各地での落語界で活躍中。また修業時代の話やユニークな子育て論の講演も好評を博している。


第一部のあとは、桂歌春さんによる介護・健康にちなんだ「寄席ライブ」が行われました。

「笑い」は健康の源と言われ、ストレス解消や血糖値上昇の抑制、免疫力向上などさまざまな効果があると言われています。桂歌春氏の響き渡る声に、会場は笑いに包まれ、終始和やかなムードになりました。


今回の「秋の介護セミナー」は4年ぶりに会場へお客さまをご招待し、オンラインによる同時配信を実施。多くの方々にご参加・ご視聴いただき、大盛況のうちに幕を閉じました。セミナーのなかで出たお話や有識者からのアドバイスはすぐに実践できるものばかりですので、ぜひ日々の生活で取り入れてみてください。

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