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2023.05.22

自律神経を整える7つの方法と乱れから起こる病気、対策を解説

自律神経が乱れるとさまざまな症状が起こり、日常生活に支障をきたします。

自律神経の乱れは重大な病気を引き起こす恐れもあるので、代表的な症状であるめまいや頭痛、息苦しさが気になる方は注意が必要です。この記事では、自律神経が乱れる原因や、自宅で簡単に自律神経を整える方法、乱れることで引き起こされる病気などを解説します。それぞれの症状についても具体的にご説明しますので、気になる点があれば医師に相談しましょう。


目次
・自律神経が乱れているとどうなる?
・自律神経が乱れる原因
・自律神経を整える7つの方法
・自律神経が乱れることで起きる病気
・まとめ

執筆者画像
【監修】ベスリクリニック 院長  田中遥 先生
大学時代は部活・勉学の傍ら医療産業イノベーションフォーラムに出席し、Applicare医療系アプリ開発コンテストの開催に携わる。その後聖隷浜松病院で研修を行い、2018年4月よりBesli Clinicに勤務。週末は自律神経の研究を行い、単に病気が治る医療ではなく、のように生きるかを追求する医療を目指している。よりよい未来をつくりあげるために、日々診療に従事している。

自律神経が乱れているとどうなる?

自律神経が乱れているときは、身体や心に不調をきたしやすくなります。自律神経の乱れることで起こりやすい症状は以下です。


● 頭痛がする、頭がすっきりしない
● 朝に気持ちよく起きられない
● 全身がだるい
● めまいを感じる
● 胸が苦しい、動悸がする
● 手足が冷たい
● 肩がこりやすい
● 突然息苦しくなる
● 不安を感じてイライラする


当てはまる項目が多いほど、自律神経が乱れている可能性が高いといえます。自律神経の乱れが引き起こす病気の場合もあるため、当てはまる項目が多い場合は早めの対処が必要です。


自律神経が乱れる原因

自律神経とは、代謝や体温といった身体機能を常時コントロールしている神経のことです。自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っており、交感神経が優位になると身体は活動状態に、副交感神経が優位になると休息状態になります。例えば、交感神経が優位になると心臓の鼓動が早まって血圧が上がり、副交感神経が優位になると鼓動は遅くなり血圧が下がります。交感神経と副交感神経は、互いにバランスをとることで身体の調子を整えているのです。 つまり自律神経の乱れとは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることを意味しています。それでは、この2種類の神経はどのような原因でバランスを崩してしまうのでしょうか。ここからは自律神経の乱れを引き起こす、主な4つの原因を見てみましょう。


生活習慣の乱れ

浅い眠りを繰り返したり偏食したりといった生活習慣の乱れは、自律神経のバランスを崩します。なかなか寝つけないといった理由から生活リズムが不規則になると、交感神経が優位になる時間が長くなります。その結果、交感神経と副交感神経の本来のバランスが崩れ、自律神経の乱れとなるのです。

また、食事の栄養バランスが偏っている場合も注意が必要です。栄養バランスを考慮せずに好きなものばかり食べていると、自律神経を整えるうえで必要なビタミンやミネラルを食事から摂取できない場合があります。ビタミンやミネラルが自立神経を整えるうえで必要な理由は、交感神経に働きかけるカテコラミンや副交感神経に働きかけるアセチルコリンなどの、神経伝達物質を創るための補酵素であるためです。

自律神経を正常な状態に保つためには、睡眠や食事といった生活習慣を健康的に整えることが大切です。



ストレス

ストレスも自律神経の乱れを引き起こす大きな原因のひとつです。人は過度なストレスを感じると交感神経が優位に働き、自律神経が乱れます。不安やプレッシャーを感じて汗をかいたり、鼓動が早まったりしやすい方は注意が必要です。 適度なストレスは脳を活性化させるといった良い効果があるともいわれていますが、過度なストレスは交感神経を優位にして、自律神経の乱れを引き起こします。特に、病気や疲労で免疫力が低下しているときは、ストレスへの耐性も低くなっているので気をつけましょう。また生活環境が変わることで、ストレスを感じやすくなり自律神経が乱れるケースもあります。


季節の変わり目による変化

気温や気圧が日によって大きく変化する季節の変わり目も、自律神経が乱れやすいので注意が必要です。気温や気圧が変動すると、身体を環境に適応させるために自律神経は交感神経と副交感神経のバランスを調節します。それにより自律神経のバランスが変化し、発汗や火照りといった症状が起こることがあります。季節の変わり目で自律神経が乱れるのは誰にでも起こることなので、心配しすぎるのもよくありません。ある程度仕方のない現象と認識し、自律神経のバランスが元に戻るのを待ちましょう。


病気

病気や発熱、身体の痛みは自律神経の乱れを引き起こします。例えば、頭痛やめまいなどの症状が起こす高血圧症は、自律神経の乱れを引き起こしやすい病気のひとつです。
また、更年期障害や甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)の代表格であるバセドウ病では、動悸や発汗、イラつきといった症状が見られますが、これは自律神経を乱します。病気が原因なのか、自律神経の乱れなのか、不安な場合は医師に相談しましょう。


自律神経を整える7つの方法

お風呂に入ってリラックスしている男性。

自律神経の乱れが生活習慣やストレスによって引き起こされている場合、自主的な対策で症状を軽減できる可能性があります。自律神経の乱れの原因を探してみましょう。

ここからは、自律神経を整える7つの方法を紹介します。


1.睡眠のリズムを整える

睡眠のリズムは自律神経のバランスに大きな影響を与えるため、規則正しく眠るための対策を行うと効果的です。まず、目が覚めたら朝日を浴びるようにしましょう。起床後の強い光には体内時計をリセットする効果があり、毎日同じ時間に朝日を浴びれば同じ時間に入眠しやすくなります。また、光を浴びると睡眠物質であるメラトニンから、覚醒物質であるセロトニンの分泌が促されることで、頭がすっきりし、メリハリのある生活を送りやすくなります。昼間に20〜30分程度の仮眠を取ることも有効な方法のひとつです。日中に副交感神経が優位になる状況を作ることで、自律神経を整えられます。


また、リラックスするためには40度以下のぬるめのお湯にゆっくりと浸かると、血流が良くなるためおすすめです。就寝前にブルーライトを浴びると交感神経が優位になりやすいため、夜にパソコンやスマートフォンを見る習慣がある方は控えましょう。


2.ストレッチ・運動

適度な運動も自律神経のバランスを整えるうえで役に立ちます。ウォーキングやストレッチなど、定期的な運動は身体の健康を維持するだけでなく、ストレス発散で心の健康を守ることにもつながります。

高い負荷をかける必要はないので、軽い運動を毎日続けるよう心がけましょう。広いスペースを必要としないヨガやストレッチであれば、自宅でいつでも行えます。自分に合った方法を見つけ、血行を促進しながら自律神経のバランスを整えると良いでしょう。


3.食生活を改善する

自律神経と腸内環境の間には密接な関係があり、腸を整えると自律神経のバランスも整います。そのため乳製品や発酵食品を多く摂取し、腸内環境を整えることが重要です。また、腸を整える働きがある食物繊維を豊富に含む、ゴボウやこんにゃくなどを日常的に食べることもおすすめです。

朝の排泄を促すために、朝食は起床後1時間以内にとると良いでしょう。夕食後は消化のために腸が活発に働くので、睡眠の質を高めるために就寝の3時間前までには夕食を済ませましょう。


4.着脱しやすい服を着る

季節の変わり目など、気温が変動しやすい時期は特に、通気性が高く着脱しやすい服を選ぶことをおすすめします。気候に適した服を着ることで体温を調節しやすくなり、自律神経の乱れも防げます。服のサイズ感に配慮することも大切です。窮屈な服は知らず知らずのうちに心身にストレスを与え、自律神経の乱れを引き起こすことがあります。なるべくリラックスして着られる服を選びましょう。


5.こまめに水分をとる

こまめに水分をとることで副交感神経が活発に働き、自律神経が整いやすくなります。特に、起床直後はコップ1杯の水を飲むと良いでしょう。腸に過度な刺激を与えないためには、常温水や白湯を飲むのがおすすめです。


6.リラックスできるよう工夫する

寝る前の時間帯など、副交感神経を優位にしたいときは心身のリラックスを促す工夫を凝らしましょう。好きな音楽を聞いたり、本を読んだりすることには高いリラックス効果があります。好きな香りでリラックスを促す方法も効果的です。気持ちが落ち着きやすい香りとして、ラベンダーやヒノキ、ベルガモット、ローズなどが挙げられます。お気に入りの香りを見つけ、就寝前に活用して睡眠の質を高めると良いでしょう。そのほか、ぬるま湯にゆっくり浸かる、散歩するといった方法もストレス緩和におすすめです。


7.日記をつける

自律神経を整えるうえで、日記を毎日つける方法もおすすめです。1日を振り返り、どのようなときに不調を感じたのか記録しておくことで、次に同じような場面に遭遇したときに対処しやすくなります。また日記が一日の終了の切り替えとなり、結果的にストレスがたまりにくくなり、自律神経の乱れを防ぎます。また、感動したことや失敗したことなど1日のできごとを記すことで気持ちをリセットでき、心のゆとりにつながるでしょう。


自律神経が乱れることで起きる病気

自律神経の乱れが引き金となって起こる病気もいくつかあり、そのなかには重大なものも存在します。本項では自律神経の乱れが引き起こす主な病気を紹介するので、気になる症状があれば早めの受診をおすすめします。


自律神経失調症

自律神経失調症とは、自律神経の乱れによって心身にさまざまな不調が生まれている状態です。特にストレスやホルモンの変化などにより、交感神経が支配的になることで起こるケースが多く見られます。

症状は多岐にわたりますが、身体には頭痛や腰痛、胸の圧迫感、全身の倦怠感、めまい、手足の震えといった症状が起こります。心の症状としては、不安感や集中力の欠如、自信の喪失などが挙げられるので、気になる方は医師に相談してみましょう。ちなみに、自律神経失調症の症状はうつ病とよく似ていますが、うつ病では精神症状がより顕著に現れます。


過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、ストレスなどで自律神経が乱れ、便通の異常が続く状態です。腸は副交感神経である迷走神経がコンロトールしているため、自律神経が乱れると腸内環境も悪化して、慢性的に腸の不調が続き便通の異常につながります。過敏性腸症候群は、慢性下痢型・不安定型・分泌型の3つのタイプに分けられます。慢性下痢型は不安や緊張により、激しい下痢が起こるタイプです。不安定型は下痢と便秘を数日ごとに繰り返し、分泌型は腹痛のあとに大量の粘液が排出されます。

自律神経の乱れが過敏性腸症候群を引き起こしている場合、ストレス解消や生活習慣の改善などで自律神経のバランスを整える必要があります。


神経性胃炎

現代病のひとつともいわれる神経性胃炎は、ストレスが原因で胃もたれや胃の痛みが続く状態です。過度なストレスが自律神経の乱れを引き起こすと胃酸が過剰に分泌されるようになり、さまざまな胃の不調が起こります。

神経性胃炎の症状としては、胃痛や吐き気、胃もたれ、胃酸の逆流、食欲減退などが挙げられます。悪化すると胃潰瘍に発展する恐れもあるため、軽視せずに迅速な対応を心がけることが大切です。


メニエール病

メニエール病とは、内耳に不調が現れてめまいや耳鳴り、難聴などが起きる病気です。突然重度のめまいが生じ、吐き気や嘔吐をともないます。メニエール病は、内耳の内リンパ嚢に液体が過剰にたまることが原因です。本来この液は一定量の液体に保たれていますが、なぜ量が変動するのか明確な理由は解明されていません。


過換気症候群

過換気症候群は過呼吸症候群とも呼ばれ、呼吸が速くなりすぎる病気です。過剰な呼吸により体内の酸素が増え二酸化炭素が減少することで、血液がアルカリ性に傾きさまざまな症状を引き起こします。過換気症候群の主な症状は、息苦しさやめまい、動悸、発汗、パニックなどです。

過換気症候群では、過剰なストレスを抱えたときに息苦しいと感じ、無意識に呼吸が速くなって過呼吸の状態に陥ります。その結果パニックが引き起こされ、筋肉の硬直や速い呼吸といった交感神経症状も同時に現れる場合があります。



まとめ

自律神経の乱れは、ストレスや生活習慣の乱れ、病気などが原因です。適度な運動や食生活の改善、睡眠の質の向上を心がけることで自律神経のバランスは整えられるため、頭痛やめまいといった症状が気になる方は試してみてください。

また、自律神経の乱れは自律神経失調症などの病気にもつながります。不調が長く続いている場合や気になる症状がある場合は、早めに病院で診察を受けましょう。


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