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ヘルパーが利用者に足浴を実施している
2023.03.28

足のむくみは病気のサイン?考えられる原因と家庭でできる対策を紹介

足のむくみは血流が悪くなり、ふくらはぎに水分が溜まることで発生します。一時的な睡眠不足や食生活が原因で血流が悪くなった場合、体調が戻ればむくみが収まるケースも多くあります。

慢性的なむくみが起きるのは、血流が悪い状態が続いている証拠です。疾患が原因となっているケースも考えられ、警戒しなければなりません。放置していると疾病を見逃してしまう可能性もあります。


本記事では足のむくみの原因や、家庭でも気軽にできる対策などを紹介します。足のむくみのことをよく知り、日頃の予防や対策・対処法を確認しておきましょう。


目次
・足のむくみの原因とは
・足のむくみを引き起こす病気
・自宅で気軽にできる足のむくみ対策
・足のむくみについてよくある質問
・まとめ

執筆者画像
【監修】東京国際クリニック 医科 院長 高橋通 先生
1994年筑波大学医学専門学群卒業後、国立国際医療研究センター勤務。2008年東京大学大学院卒業、博士号取得。同年より六本木ヒルズクリニック勤務を経て、2015年に東京国際クリニックの医科院長に就任。医学博士、日本医師会認定産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本人間ドック健診認定医、日本抗加齢医学会専門医、JADAサプリメント・エキスパート。

足のむくみの原因とは

むくみは何らかの原因によって体の水分量が多くなり、余計な水分が溜まった状態になると発生します。基本的に一過性のむくみは習慣によって起きることが多く、慢性的なむくみは疾患が原因となる場合が多いです。

一過性のむくみの主な原因は、運動不足や食習慣の偏り、身体の冷えです。これらは日頃から意識すれば、解消できるものがほとんどです。そのため一過性のむくみが起きている場合、以下の項目を見直すことで症状が改善される可能性があります。自身の生活を見直し、改善につなげましょう。


運動不足

血流が悪くなると足の血液の巡りも悪くなり、足のむくみが発生しやすくなります。血流を良くするためには筋力が欠かせません。 運動不足の状態が続いて筋力が低下すると血流を作り出す筋肉の力が弱まり、血液の巡りが悪くなります。結果として水分が溜まりやすくなり、むくみが発生します。女性は男性よりも筋肉量が少ないため男性よりもむくみやすく、いっそう注意が必要です。また長時間にわたって同じ姿勢を続けると、血流が悪くなってむくみが起きやすくなります。同じ姿勢が続いていると感じたら、適度に体を動かすといった対策を心がけましょう。


食習慣の問題

健康な体を維持するためには、食生活は大切な要素です。ビタミンやミネラル、たんぱく質が不足すると、むくみが起きやすくなります。その他、塩分の多い料理を食べた後にも、塩分の摂りすぎによりむくみが起きることがあります。塩分の過剰摂取により、血液が濃くなったと脳が認識して、体に水分を溜め込むことが原因です。


身体の冷え

身体の冷えも血行不良を引き起こすため、むくみの原因のひとつです。血行不良により老廃物や余分な水分がうまく排出されなかったり、リンパ管や血液中から水分が漏れ出して体内に水分が溜まったりすることで、むくみにつながります。
また仕事や施設での生活など、長時間室内でエアコンを使用している場合、発汗などの体温調節の機能が低下し、身体の冷えにもつながるので注意しましょう。温度変化の少ない室内で過ごしていると自律神経が乱れ、むくみがより起きやすくなります。



足のむくみを引き起こす病気

慢性的なむくみが続く場合は、病気が起因しているケースがあるため注意が必要です。特に以下の症状が見られれば、病気が原因となっている恐れがあります。


●一日中足がむくんだ状態である
●足がむくんだ状態が数日間続いている
●足の血管がこぶのように浮き出ている
●むくみとともに足に痛みを感じる
●顔などほかの部位もむくんでいる
●すぐ息切れしたり疲れを感じやすくなったりしている
●体重が急激に増加した
●尿の出が悪くなった


思い当たる症状があれば自身で判断せず、すぐ医師に診てもらいましょう。また、介護しているご家族に慢性的なむくみの症状が見られたら、自覚症状の訴えに関わらず受診しておくと安心です。


心不全

心臓の働きが悪くなると心臓や筋肉によって作り出している血流が弱くなり、むくみの原因となることがあります。血流が悪くなると血管内の水分も流れず、血管の外に出て足などに溜まることでむくみにつながります。
また、息切れしやすくなるといった症状が出るのも特徴です。胸部のレントゲン、心臓の超音波検査や、血液検査などで確認できます。心不全によるむくみの改善には、利尿剤の服用などが効果的です。必ず医師と相談されることが重要です。


腎機能障害

腎臓そのものの疾患のほか、何らかの原因で血流が悪くなり腎臓に流れる血液量が減った場合にも、腎臓が機能しなくなりむくみが起きます。腎臓の機能が弱まると尿が出にくくなって体内の老廃物や水分・塩分などが排出できなくなり、足などに溜まるのが原因です。
また、尿タンパクが大量に出てしまうと血液中のタンパクが減って、むくむこともあります。検尿や血液検査で確認し、必要に応じてたんぱく質や塩分などの摂取制限が行われます。


深部静脈血栓症

足の静脈が血栓で詰まることで起きる病気です。長時間同じ姿勢のままでいることが原因です。病気や怪我で寝ている状態の方だけでなく、健康に過ごしている方でも乗り物での移動などで長時間姿勢が変わらない場合に起きることがあります。
この病気が起きると、足が急に腫れてふくらはぎが痛くなります。そのときにできた血栓がはがれて肺の血管にたどり着き、肺の血管が詰まるのがエコノミークラス症候群です。命に関わる危険性もあるため十分注意しましょう。


下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は足のだるさや重さ、足のつりやすさなどが主な自覚症状です。足の静脈がこぶのように膨らむため、専門家が見ればすぐに判断できます。静脈には血液の逆流を防ぐ弁がついていますが、何らかの理由で静脈の弁が機能しなくなり、血流が逆流することが発生の原因です。
医療用ストッキングの着用や手術による治療法が用いられ、近年では傷口が小さく済む血管内手術も行われます。以前と比較して、身体への負担が少なく治療できるようになりました。


肝臓の障害

足だけでなく全身にむくみが見られる場合、肝臓に障害が起きている恐れがあります。血管は血液の浸透圧により、水分を取り込んだり排出したりします。そして、浸透圧を調整する機能をもつ物質がアルブミンです。アルブミンは肝臓で生成されるので、肝臓に障害が起きると血中のアルブミンの量が低下して、むくみの原因となります。肝臓の機能はアルブミン検査で調べることが可能です。

上記以外にも、慢性的なむくみの原因としては薬の副作用によるものもあります。薬を服用している場合は主治医に副作用を確認しましょう。


自宅で気軽にできる足のむくみ対策

椅子に座って浮腫み予防の体操をする男性

生活習慣がむくみの原因となっているのであれば、日頃からの対策で予防できます。本項では、気軽に始められる足のむくみ対策を見てみましょう。


マッサージ・ストレッチ

マッサージは足のむくみ解消に効果があります。ふくらはぎを中心に、やさしくなでるようにリンパを流すことを意識してマッサージすると良いでしょう。リンパが流れれば老廃物を取り除き、足の疲れも取れます。ふくらはぎ以外にも足首や太もも、すねも一緒にマッサージして、全体の血液の巡りが良くなるよう意識することが大切です。
力を入れすぎて肌が荒れないよう、やさしくマッサージしましょう。ストレッチによって太ももやふくらはぎを動かすことも、足のむくみ解消に効果的です。ストレッチは座った状態で行えるものもあります。椅子に浅く腰かけて、つま先やかかとを交互に上げ下げする方法がおすすめです。1セットで10回行えば、ふくらはぎの筋肉が動くことで血流が良くなり、筋肉量も増加してむくみ解消につながります。


運動

足のむくみの解消には、身体を動かして筋肉量を減らさないように心がけることが肝心です。筋肉量が維持できれば血流を生み出すポンプとしての力が働くようになり、足に水分が溜まりにくくなります。
ウォーキングを習慣的に行ったり、エレベーターを使わずに階段を上り下りしたりして、運動の習慣をつけましょう。足に不安のある場合は無理のない範囲で、座ったままの運動でもむくみ解消が期待できます。座った状態での運動は、かかとの上げ下げや右回り・左回りと交互に行う足首回しなどが血流を上げるのに効果的です。
また、寝転がった状態で手足を上にあげてブルブルと震わせるのも、足のむくみ解消につながります。自身やご家族の体調に合わせて、無理のない範囲で行いましょう。


食生活の改善

塩分の過剰摂取や過度な水分補給は、足のむくみを引き起こす原因になります。塩分の多いスナック菓子やカップラーメンなどを多く食べないようにしましょう。普段から味の濃いものをよく食べているのであれば、薄味に改善する必要があります。またビタミンEは血流を良くする効果が、カリウムは塩分を排出する効果があるため、意識して摂取するとむくみ対策になります。ビタミンEやカリウムを多く含む主な食材は以下のものです。


●ビタミンEを多く含む主な食材

 卵・ほうれん草・かぼちゃ・赤ピーマン・アボカド・モロヘイヤ・いわし・バジル・しそ・アーモンド・ピーナッツ・抹茶・ごま など

●カリウムを多く含む主な食材

昆布・ひじき・ほうれん草・じゃがいも・アボカド・バナナ・桃・いよかん・はっさく・りんご・キウイ・干し柿・納豆・にんにく など


身体を冷やさない

身体の冷えも血流やリンパの流れを悪化させ、むくみの原因となります。冬場だけでなく、夏場のエアコンの効いた部屋でも対策が必要です。エアコンが効いた部屋は下部に冷気がとどまり、本人も気づかないうちに足が冷えてしまうことがあります。
一日中室内で生活するご家族がいる場合は、エアコンの風が足に直接当たらないよう心がけ、身体を冷やさない工夫をしましょう。


足のむくみについてよくある質問

足のむくみについてよくある質問にお答えします。日頃の疑問の解消につなげてください。


Q.急なむくみは何が原因?

A.片足だけ急にむくんだ場合には、深部静脈血栓症を発症している恐れがあります。水分の摂取量が少なく、同じ姿勢のまま長時間過ごした場合などによく起きる症状です。

深部静脈血栓症を放置した場合、剥がれた血栓が肺の静脈まで届き、エコノミークラス症候群になる恐れがあります。エコノミークラス症候群は命に関わる危険があり、早めに検査・受診することをおすすめします。また、急なむくみを繰り返す場合も重大な疾患の恐れがあるため、症状があれば病院を受診しましょう。


Q.足の甲のむくみにはどのような問題が考えられる?

A.足の甲のむくみで考えられる原因はいくつかあげられます。まずは骨折です。足の甲への衝撃によるものだけでなく、足の酷使による疲労骨折なども考えられます。筋肉の炎症もよくある原因のひとつです。そのほか、腱や靭帯の損傷、捻挫、足の傷から細菌が入り込むことで起きる蜂窩織炎などがあります。

痛みをともなう場合や大きく腫れている場合は病院で診察を受けましょう。足の甲のむくみも、原因や対策は上記のとおりです。記事の内容を参考にしてください。


まとめ

足のむくみには一時的なものと慢性的なものがあります。一時的なものは、主に生活習慣や食習慣の改善によって解消されるケースがほとんどです。一方で、慢性的なむくみは疾患によって引き起こされている恐れがあり、治療が必要な場合があります。
むくみの対策にはマッサージやストレッチ、適度な運動、食習慣の改善などがあげられます。また、身体を冷やさないようケアすることも大切です。足のむくみが気になる場合は、無理のない範囲でできることから対策しましょう。慢性的なむくみや疾患が気になるのであれば、病院で診察を受けることをおすすめします。


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