愛知県豊橋市に、バスの来ないバス停があるのをご存じでしょうか。テレビ番組で取り上げられたこともあるバス停で、いくら待ってもバスは来ません。では、なぜこのようなバス停が設置されたのでしょうか。その背景には、認知症の方の意思を尊重したいという人々の「優しい嘘」が隠されていました。
愛知県豊橋市に、バスの来ないバス停があるのをご存じでしょうか。テレビ番組で取り上げられたこともあるバス停で、いくら待ってもバスは来ません。では、なぜこのようなバス停が設置されたのでしょうか。その背景には、認知症の方の意思を尊重したいという人々の「優しい嘘」が隠されていました。
このバス停は、認知症の方やその家族が集う認知症カフェ「アンキカフェ(神野新田町ワノ割)」の敷地の一角にあり、いくら待ってもバスが来ることはありません。
その理由は、認知症の方がバスに乗って遠くへ行き、行方不明になってしまうのを防ぐため。認知症の方がバスに乗ろうとする理由には、明確な自分の意思があることがほとんどで、そこには「家族に会いに行きたい」「家に帰りたい」などの目的があります。しかし、認知症の方は5分ほど経つと、自分が何をしたかったのかを忘れてしまうこともあるため、「一旦このバス停で待ってみましょう」と促し、落ち着くまで過ごすことができる場所として利用されています。
「行きたい」という意思を尊重するために考えられたバス停は、設置の趣旨に賛同した豊橋鉄道株式会社から、かつて使用されていた本物のバス停を譲渡してもらい、実現しました。「カフェ」と「鉄道会社」が協力して生み出した「優しい嘘」の輪が、他の企業や団体へと広がることを期待しています。
このバス停が設置されているアンキカフェは、住み慣れた地域の中で、認知症の方やご家族などが団らんや情報交換、レクリエーションのほか、認知症への不安や悩みを相談できる場として利用されています。認知症カフェは豊橋市内におよそ10か所あり、場所ごとに特色が異なるので、自分自身の目的に合った「まちの居場所」を見つけることができます。
豊橋市では、企業や団体が行う認知症への取り組みなどを共有し、認知症になっても安心して暮らせるまちを目指し、定期的に「認知症まちづくり報告会」を行っています。毎回テーマを設けて意見交換をしたり、地域活動を紹介したりと、盛りだくさんな内容。豊橋市のホームページでは、過去の報告会の内容や、次回開催日のお知らせをチェックすることができます。認知症をジブンゴトとして、また「認知症になっても行きたいところへ行けるまち」を目指して、一緒に考えてみませんか?
■詳細は以下の外部リンクをご覧ください。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/30872.htm
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