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2022.02.09

【順天堂大学】中学・高校生期と高齢期、両方の運動習慣が女性の骨粗鬆症リスクを低減

日本の骨粗鬆症の有病率は、先進諸国の中でも高いことが知られています。とくに、女性において骨粗鬆症は骨折や要介護の重要なリスクになっており、適切な予防が重要です。

先行研究から、骨粗鬆症の予防には運動が有効であり、中学・高校生期の運動習慣が最大骨量(一生の中でのピークに達した時点の骨量)を高めることや、高齢期の運動習慣が骨量減少を抑えることが明らかになっています。そのため中学・高校生期と高齢期、両方の時期で運動習慣を有することが高齢期の骨粗鬆症の予防につながる可能性が考えられていましたが、これまで明らかになっていませんでした。



順天堂大学大学院の研究グループは、都市部在住高齢者のコホート研究“Bunkyo Health Study”(※1)において、中学・高校生期および高齢期の運動習慣と、骨密度や骨粗鬆症の有病率との関連について研究を行いました。


※1

順天堂大学が東京都文京区民1,629名の高齢者を対象として実施している研究で、認知機能・運動機能などが「いつから」「どのような人が」「なぜ」低下するのか、「どのように」早期の発見・予防が可能となるかなどを明らかにすることを目的としている。

参照:https://research-center.juntendo.ac.jp/sportology/research/bunkyo/


研究対象は、東京都文京区在住高齢者のコホート研究“Bunkyo Health Study”に参加した65~84歳の高齢者1,596名(男性681名、女性915名)で、質問紙調査を実施。中学・高校生期に運動部活動をしていたかどうかで「中学・高校生期の運動習慣の有無」を、現在運動習慣があるかどうかで「高齢期の運動習慣の有無」をそれぞれ定義しました。次に、それらの運動習慣の有無の組み合わせで4群に分類し、骨密度や骨粗鬆症の有病率を比較しました。

その結果、女性の股関節の骨密度は、中学・高校生期および高齢期の運動習慣が両方ある群では、他の3群と比べて有意に高いことが明らかとなりました(図1)。


また、これと同様に、女性で中学・高校生期と高齢期の両方で運動習慣を有している群は、両時期運動していない群に比べて骨粗鬆症のリスク(オッズ比・※2)が35%低下していました(図2)。その一方で、男性では骨粗鬆症の割合が女性と比べて低く、過去の運動歴との有意な関連性も認められませんでした。


※2

ある疾患などへのかかりやすさを群間比較した尺度のこと。オッズ比が1より小さいとかかりにくいことを意味する。


研究の結果から、女性は中学・高校生期と高齢期、両方の時期に運動することにより、骨粗鬆症のリスクを低減する可能性が明らかになりました。我が国の女性においては現在、中学・高校生期に運動を全く行わない人と、活発に行う人の「2極化」が顕著に進んでおり、その原因として現在の運動部活動などが女性の運動のニーズに必ずしも合っていないことが指摘されています。そのため、競技スポーツでない「ゆるい」スポーツの普及の推進が期待されます。また、今回の調査に参加した高齢者では、カルシウムやビタミンDの摂取量が国の推奨量に達していない人が多く、今後栄養摂取の面でも改善が必要と考えられます。


今回の研究により、中学・高校生期だけでなく高齢期の運動も骨に良い影響を与えうることが示唆されました。しかし、それぞれの時期にどの運動をどれくらい行うことが必要かなど、まだ不明の点が多く残されており、今後のさらなる研究に期待が寄せられています。


■詳細は以下の外部リンクをご覧ください。

https://www.juntendo.ac.jp/news/20220125-01.html


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