日本の認知症患者数は先進国35カ国の中で最も多く、厚生労働省によると2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると推定されています。しかし、認知症を完全に治す治療法は確立されていません。従って、認知症の発症を事前に防止すること、すなわち健常な認知機能を長く保持する「低下の抑制」が重要です。
加齢とともに身体機能や認知機能は衰えていきますが、運動を行うことにより、身体機能や認知機能を維持したり、一時的に向上させたりする可能性があることが報告されています。そこで筑波大学では、運動課題と認知課題、2つの課題を同時に行う「二重課題運動」に注目し、その有効性を検証しました。