新型コロナウイルス感染拡大は、認知症患者とその介護者に大きな影響を与えていると考えられています。そこで、東京医科大学高齢総合医学分野 清水 聰一郎主任教授らの研究グループは、新型コロナウイルス感染拡大におけるアルツハイマー病患者の抑うつ傾向について調査を実施。126名のアルツハイマー病患者における新型コロナウイルスの認識率と、抑うつ傾向との関連を調べました。
具体的には、緊急事態宣言明け直後の神経心理検査の結果に加え、「新型コロナウイルスを知っていますか?」「なぜマスクをつけているのですか?」という質問に対する回答について検討。その結果、重度のアルツハイマー病患者は新型コロナウイルスの認識率が低く、マスクを着用している理由も理解していませんでした。また、感染拡大の深刻さを理解していないため、うつ傾向も軽度でした。