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2022.08.08

【筑波大学】MCIに対する長期多要素デイケアに局所脳血流量の低下予防があると判明

軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI)は、アルツハイマー型認知症などの認知症の前駆状態の可能性があり、認知症の早期発見・治療にとって非常に重要な時期といえます。MCIの非薬物療法としては、生活習慣病の管理のほか、運動療法・認知療法・音楽療法などを組み合わせた多要素プログラムが有益であることが知られています。しかし、多要素プログラムがMCI患者の脳の機能的変化に与える効果については研究報告が少なく、十分な根拠が示されていないのが現状です。


このような背景のもと、筑波大学の研究グループは、筑波大学附属病院精神神経科で行っている認知力アップデイケアという多要素プログラムからなるデイケア(多要素デイケア)を利用するMCIの人の脳血流検査を縦断的に解析。運動療法・認知療法・音楽療法を主体とする多要素デイケア活動が、MCIの人の脳の機能的変化に与える効果について検証しました。



■研究内容と成果

筑波大学附属病院にて、多要素デイケアを継続的に利用しているMCIの人に対し、平均2年間程度にわたり、2回以上の脳血流SPECT検査を実施(※)。この期間中、認知症に発展しなかったMCIの人24名(平均74歳)を解析の対象としました。解析の結果、右頭頂葉領域の脳血流量の経時低下量と、デイケアの出席率との間に負の相関があることが判明。つまり、「デイケア出席率が高いほど脳血流量の低下が小さい」ことが明らかになりました。頭頂葉領域は、アルツハイマー型認知症例で血流が低下しやすいことが知られています。


【図 画像解析結果のまとめ】

左図:脳血流SPECT画像データの例。デイケア利用者のSPECT画像の変化から、経年でどれぐらい血流量が低下したかを計算した。その差分を2回のSPECT撮影の間隔で除し、一日当たりの血流低下量を算出した。

右図:一日当たりの血流低下量とデイケア出席率との間に有意な負の相関があった領域(赤色部分)


※多要素デイケアの詳細

筑波大学附属病院では週に3日程度、多要素プログラムからなるデイケア活動が開催されており、利用者は参加する曜日を固定した上で、週1日(午前2時間&午後2時間の2セッション実施)ペースで参加。各セッションでは、下の表に掲げた6つのプログラムから1つが実施されるが、参加する曜日によって偏りが生じないよう、月単位でプログラムが構成され、利用者には前もって予定が伝えられる。


■今後の展開

今回の研究結果は、長期にわたる多要素デイケアへの参加が、脳血流量の低下を防ぐ効果があることを示しています。今後、さらに症例数を増やすとともに、多要素デイケアにおける最も効果の高いプログラム比率の確立や、週に何時間の介入が最も効果的であるかなどを検討し、多要素デイケアにおける認知症の予防を推進していく予定です。



■詳細は以下の外部リンクをご覧ください。

https://www.tsukuba.ac.jp/journal/pdf/p20221713141500.pdf


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