私たちは、さまざまな問題を処理しながら日々の生活を送っています。例えば、買い物をする、食事をする、ATMを使う、車を運転する、病院を受診する、薬を服用する、旅先でパスポートを扱う、後進を指導する、子どもたちの安全を守る・・・などです。このような日常の行動を支える知的な能力のことを認知機能といいます。今回のコラムでは、加齢にともなう認知機能の変化について、また、認知機能の維持に大切な心のもちようについて、心理学の立場からご紹介します。
(著者プロフィール)
西田裕紀子(にしたゆきこ)
名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程を修了。国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター NILS-LSA(ニルス・エルエスエー)活用研究室の心理学研究員。加齢のプロセスや,老化・老年病の要因の解明を目指す「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」に従事し、加齢にともなう心理的な変化やその要因に関する研究を行っている。