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2022.02.28

高齢者の嚥下リスクをスマホなどで可視化できる時代へ!音声で嚥下機能を評価する技術を開発

年々進む社会の高齢化において、嚥下機能(※1)低下による誤嚥性肺炎の増加が重大な社会的課題となっています。厚生労働省の発表(※2)によると、令和2年では42,746名が誤嚥性肺炎で亡くなっており、日本人の死因順位の6位であることから、その対策が急務となっています。しかし、高齢者の嚥下機能評価を実施できる「接触嚥下障害認定看護師」や「言語聴覚士(ST)」といった専門職の人材は不足しており、高齢者が嚥下機能評価を十分に受け取ることができないのが現状です。そのため、嚥下機能の低下に合わせて形態等を調整する嚥下食は進歩しているにもかかわらず、個々に最適な嚥下食を提供できないという課題があります。



※1

口の中で食べ物を飲み込みやすい大きさにして、食道から胃へ送る一連の過程のことを言います。病気や加齢などで嚥下機能が低下することがあり、機能の低下は口から食道へ入るべきものが気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」を引き起こす原因となります。誤嚥により、唾液や食べものなどと一緒に細菌が気道に入ってしまい、誤嚥性肺炎が引き起こされると考えられています。


※2

令和2年(2020)人口動態統計の概況


このような背景のもと、音声で健康状態や機能を判定する「音声病態分析技術」を有するPST株式会社とSOMPOホールディングスが運営する未来の介護研究所「Future Care Lab in Japan」、SOMPOケアは、音声から高齢者の嚥下機能を評価する技術開発を目的とし、共同研究を開始。精度の高い評価技術の開発を目指し、データの蓄積や判定方法(アルゴリズム)の検証を実施してきました。


今回開発した嚥下機能評価技術は、ヒトの機能や病態の違いによる音声変化を解析・判定する「音声病態分析技術」をもとにした、いくつかの音声から嚥下機能の状態を分析し、蓄積されたデータをもとに評価を行う技術です。この技術を活用すると、専門職の経験値や専用の機器を必要とせず、手持ちのスマートフォンやタブレットを使用し、複数パターンの発声をするだけで即時に嚥下機能の定量評価が可能となります。

これにより、日常的に嚥下機能をチェックし、日々の推移を確認できるため、嚥下機能の低下を見逃さず、専門的な検査へと進むことが可能になります。さらに、常に嚥下機能のレベルを把握しておくことで、最適な嚥下食の提供を行えて、重大な事象を未然に防ぐことにもつながります。今後は3社で協力し、高齢者の嚥下機能低下に関する社会課題の解決に貢献していきます。

■詳細は以下の外部リンクをご覧ください。

https://futurecarelab.com/wp-content/uploads/2022/02/20220209_1.pdf


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