ヒトの脳は、何もしていない時でも活発に活動しており、「脳のデフォルトモード」と呼ばれています。これまでの研究により、デフォルトモードの脳活動を調べることで、知的能力や性別、精神疾患など、さまざまな情報を読み取れる可能性があることが分かっています。しかし、その一方で「脳のデフォルトモード」の持つ基本的な性質については未だ良く分かっていません。広く受け入れられている定説では、何もしていない時にさまざまな考えが浮かんでは消えていくように、「脳のデフォルトモード」にも複数の安定状態があり、それが時々刻々と切り替わっているものだと考えられていました。しかしながらこの定説も、実際に正しいかどうかについての検証は十分ではありませんでした。