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2022.01.31

【金沢大学・九州大学】大規模認知症コホート研究により、糖尿病とアルツハイマー病との関連が明らかに

糖尿病は認知症の危険因子とされています。糖尿病が認知症をきたす原因として、動脈硬化性病変、微小血管症、糖毒性およびインスリン以上といった多彩なメカニズムが提唱されていますが、詳細は明らかとなっていません。糖尿病人口は不健康な食事、運動不足、肥満や高齢化を背景に増加し続けており、糖尿病による認知症をきたすメカニズムを明らかにすることは喫緊の課題です。


このような状況の中、金沢大学と九州大学の共同研究グループは、大規模認知症コホート研究(JPSC-AD研究・※1)のデータを用いて解析を実施しました。対象は2016年から2018年に実施した全国調査に参加した10,214名で、糖尿病の有無、ヘモグロビンA1c(HbA1c・※2)値、グリコアルブミン(GA・※3)値とアルツハイマー病、血管性認知症との関連を解析しました。


※1

健康長寿社会の実現を目指し、2016年度より開始された全国8地域から抽出する地域高齢者1万人からなる大規模認知症コホート研究。

https://www.eph.med.kyushu-u.ac.jp/jpsc/


※2

ヘモグロビンは血液中の赤血球を構成するタンパク質。ヘモグロビンがブドウ糖と結びついたものがHbA1cで、過去の約1~2か月の平均血糖を反映するといわれています。本研究では全米グリコヘモグロビン標準化プログラム(National Glycohemoglobin Standardization Program:NGSP)値でHbA1c値を表記。


※3

GAは血清アルブミンにブドウ糖が結合したものです。過去の約2~4週間の平均血糖を反映するといわれています。


その結果、糖尿病診断、HbA1c高値、グリコアルブミン高値はアルツハイマー病罹患と有意に関連することがわかりました。さらにHbA1c 5.7~6.4%の境界型糖尿病(※4)では、正常型(HbA1c 5.7%未満)と比べて、アルツハイマー病罹患のリスクが1.30倍に増加していることが明らかになりました(図1)。


※4

血糖値が正常より高いが、糖尿病と診断するレベルではない状態のこと。


図1 HbA1cレベル別のアルツハイマー病と血管性認知症罹患の調整オッズ比

高齢者糖尿病の血糖コントロール目標は低血糖のリスクを避けるためにHbA1c 7.0%程度とされていますが、今回の研究結果から、認知症予防のためにはより十分な血糖コントロールが望ましい可能性が示唆されました。

JPSC-AD研究では2021年から2023年に同対象者について包括的認知症スクリーニング調査を実施する予定です。これにより縦断研究が可能となり、糖代謝異常と認知機能低下および認知症発症との関連についてより詳細を明らかにでき、糖尿病が認知症をきたすメカニズム解明の一助となることが期待されています。


■詳細は以下の外部リンクをご覧ください。

https://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/101017(金沢大学)

https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/713(九州大学)


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