認知症は要介護状態となる主要な原因のひとつであり、認知症の予防と進行抑制が重要な課題となっています。認知症発症の確立したリスク要因としては、高血圧や糖尿病など栄養に関連する要因や、精神状態の悪化、身体活動量の低下、社会的な交流の低下などが挙げられます。
その中でも、口腔は会話や食事の際に使用する器官であり、栄養摂取や社会的な交流は口腔とも深く関係していると考えられます。しかし、口腔状態と認知症発症との関係において、社会的要因や栄養に関する要因を通じた発症経路について調べた研究はありませんでした。そこで東北大学大学院歯学研究科では、歯の喪失が認知症発症リスクを増加させ、そのメカニズムは栄養摂取や社会的な要因で説明される、という仮説について検討を行いました。