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2022.01.05

【東北大学】歯を失うと認知症になるメカニズムが明らかに!男性では人との交流、女性では果物・野菜の摂取が大きく影響

認知症は要介護状態となる主要な原因のひとつであり、認知症の予防と進行抑制が重要な課題となっています。認知症発症の確立したリスク要因としては、高血圧や糖尿病など栄養に関連する要因や、精神状態の悪化、身体活動量の低下、社会的な交流の低下などが挙げられます。


その中でも、口腔は会話や食事の際に使用する器官であり、栄養摂取や社会的な交流は口腔とも深く関係していると考えられます。しかし、口腔状態と認知症発症との関係において、社会的要因や栄養に関する要因を通じた発症経路について調べた研究はありませんでした。そこで東北大学大学院歯学研究科では、歯の喪失が認知症発症リスクを増加させ、そのメカニズムは栄養摂取や社会的な要因で説明される、という仮説について検討を行いました。


【対象と方法】

日本老年学的評価研究機構のデータの2010年(ベースライン)、2013年、2016年の調査に回答した人を対象としました(※1)。そして歯の本数と、2013年~2016年までの認知症発症との因果関係において、何が媒介(仲立ち)するかを分析(※2)。媒介変数には体重減少、十分な野菜や果物摂取(1日1回以上)、閉じこもり、交流人数(10人以上)の有無を用いました(※3)。統計解析には、媒介分析の手法のひとつであるKHBを用い、歯の喪失が認知症発症に及ぼすリスクを算出。また、各媒介変数がどの程度、その経路を説明するかを調べました。


(※1)

2013年の媒介変数の効果を見るため、2010年に要介護の人、2013年に要介護の人、2013年以前に認知症を発症した人、死亡した人、追跡不能であった人を除外。また、ベースライン時点で認知機能関連項目スコアの認知機能低下を示す質問3つすべてに「はい」と答えた人を除外。

(※2)

認知症は、介護保険賦課データの「認知症高齢者の日常生活自立度」のランクⅡ以上と定義。

(※3)

人口統計学的要因として、年齢・婚姻歴・社会的経済指標として、等価所得・教育歴、併存疾患として、高血圧・糖尿病の有無、生活習慣指標として、飲酒歴・喫煙歴・日々の歩行時間の影響を統計学的な方法により取り除いた。



【結果】

解析対象者は35,744名、平均年齢は男性が73.1歳、女性が73.2歳。ベースライン時点で13,580人が20本以上の歯を有しており、2013年~2016年の間に1,776人が認知症を発症。多変量解析の結果、歯の喪失が認知症発症に有意に関連していました。また、各変数の媒体割合は下図のようになっており、とくに男性では友人・知人との交流人数(13.79%)、女性では野菜や果物摂取(8.45%)が、歯の本数と認知症発症の因果関係を仲立ちする役割を果たしていました。


歯の本数と認知症発症の関連を説明する割合のグラフ

このような結果から、歯をできるだけ残すことは、家族や友人との社会関係を維持することにつながり、良好な栄養状態を通じて認知症予防に寄与している可能性があります。


■詳細は以下の外部リンクをご覧ください。

https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/12/press20211220-01-dementia.html


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