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2021.12.15

【花王×弘前大学】65歳以上の人において、内臓脂肪と認知機能が関係していることを発見

肥満には、主に皮下脂肪型と内臓脂肪型の2タイプがあり、一般的には腹囲やBMI(※1)がその指標とされています。そのうち内臓脂肪型は、おなかを中心とした内臓の周りに脂肪がついた肥満のことで、生活習慣病の発症リスクと関係することが知られています。しかし、内臓脂肪を正確に測定する方法はCT検査が一般的で、その侵襲性や測定の煩雑さから医学的な研究はあまり進んでいないのが現状です。


(※1)BMI

Body Mass Indexの略語で、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値から算出される、人の肥満度を表す体格指数のこと。



認知症は、近年注目されている疾患のひとつであり、予防が重要であることが解明されつつあります。予防因子のひとつとして、肥満抑制が重要であるという研究報告がありますが、腹囲やBMIを指標とすることには限界があることがわかってきています。

そこで、花王株式会社ヘルス&ウェルネス研究所は、独自に開発した「内臓脂肪計(※2)」を用い、弘前大学COIが実施する大規模なコホート研究(※3)「弘前市いきいき健診」の中で、内臓脂肪と認知機能の関係性について調べました。


(※2)内臓脂肪計

花王とパナソニック株式会社アプライアンス社が共同開発した医療機器。CT検査との相関性が高く、非侵襲で内臓脂肪の測定が可能。

https://www.kao.com/jp/nutrition/meal-life/about-vfa/vfa01/


(※3)コホート研究

疾患の要因と発症の関連を調べるための観察的研究手法のひとつ。特定の疾患の要因に関係するグループと無関係のグループを作り、それぞれのグループの中で疾患発症率を算出することで関連性を調べる。


解析対象は、2016~2017年に実施された「弘前市いきいき健診」に参加した65~80歳の方のうち、認知症と診断された方などを除く2,364名。内臓脂肪は上記内臓脂肪計を用いて測定し、得られた内臓脂肪量の中央値を基準に、内臓脂肪が多いグループと少ないグループにわけました。認知機能は、認知症のスクリーニング検査「MMSE(※4)」を用いて評価し、脳の構造はMRIを用いて脳萎縮、白質病変、側脳室周囲病変、血管周囲腔拡大、脳出血について調べました。これらの評価結果をグループ間で比較する際には、これまでに認知症に関係すると報告されている因子(高血圧、糖尿病、うつ、喫煙、飲酒など)の影響がないように調整を行いました。


(※4)MMSE

Mini-Mental State Examinationの略語で、「精神状態短時間検査」と呼ばれる認知症のスクリーニング検査。世界的に最も広く使用されている検査で、評価項目は11問、所要時間は10~15分程度で認知症の疑いを判断することができる。



【1】内臓脂肪と認知機能の関係

内臓脂肪が多いグループは、少ないグループと比較して、MMSEのスコアが低く、認知機能が有意に低下していました(図1)。これは、これまでに認知症に関係すると報告されている因子の影響を除いた後の結果であり、これらの因子とは独立して、認知機能と有意に関係することがわかりました。


(図1)

内臓脂肪と認知機能の関係性


【2】内臓脂肪と脳の構造の関係性

認知症の患者では、白質病変などの脳の構造異常を生じていることが報告されています。そこで、内臓脂肪と脳の構造異常との関係性を検討しました。その結果、内臓脂肪が多いグループは、少ないグループと比較して、白質病変および血管周囲腔拡大が有意に発症していることがわかりました(図2)。



今回、65歳以上で内臓脂肪が多い人は、認知機能が低下しており、脳の構造異常も発生していることがわかりました。つまり、内臓脂肪を減らすことは、これまで言われているような高血圧などの循環器疾患リスクを減らすだけでなく、認知症リスクを減らすことにも寄与する可能性があると考えられます。


■詳細は以下の外部リンクをご覧ください。

https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2021/20211125-001/


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