{{ header }}
{{ body }}
スキップ
後藤美弥子さんのポートレート
2024.11.26

【認知症当事者 本人の声 vol.21】人同士が集まる場所で会話することが大事

今回ご登場いただく後藤美弥子さんは、看護師として定年まで勤務し、退職後は子育て支援ボランティアとして精力的に活動していました。ところが、新型コロナの流行によりボランティアが中止となり、家に引きこもる中、抑うつ状態に。80 歳の時にアルツハイマー型認知症の診断を受けましたが、人との交流によって生活リズムを取り戻し、現在は「とくしま希望大使」として活躍しています。


公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、本人の体験談記事「私らしく仲間とともに」をご紹介します。


目次
・前頭葉に靄もやがかかったよう
・活動センター「WORKS あい」のみんなに救われた
・生活にリズムを取り戻す
・とくしま希望大使を拝命

執筆者画像
後藤美弥子さん
後藤さんは、看護師として大学病院で定年まで勤務しました。退職後は、子育て支援ボランティアとして活動していました。新型コロナの流行により、17 年間続けてきたボランティアが中止となり、家に引きこもる中、抑うつ状態になりました。80 歳の時、アルツハイマー型認知症の診断を受けましたが、現在は、当事者活動「WORKSあい」に参加し、「とくしま希望大使」としても活躍しています。

前頭葉に靄もやがかかったよう

児童養護施設を会場に、17年間続けてきた子育て支援のボランティアが、新型コロナ禍のために中止を余儀なくされました。その後、家で悶々と過ごすうちに、前頭葉に靄がかかったようで、抑うつ状態になってしまいました。


それで、同居の息子と一緒に病院を受診。私はまだそうではないと思ったのですが、アルツハイマー型認知症と診断され、さらに落ち込んでしまいました。


活動センター「WORKS あい」のみんなに救われた

かつて、子育て支援を共に行っていた友人が、そうした私の様子を心配して、地域包括支援センターに相談し、「認知症の人とみんなの活動センターWORKS あい」を紹介されました。

そこに不安いっぱいで体験参加したので、かなり暗い表情をしていたのでしょう。「あの時の後藤さんは、お通夜帰りのように暗かった」と後々までみんなが語るほどに、暗さが印象深かったようです。

しかし、通ううちに、みんなと打ち解け、ジョークを言って笑い合い、頭の靄が徐々に晴れていくのを感じました。


私はセンターのみんなに救われたと、ほんとうに実感しています。人は、やはり人同士が集まる場所で会話することが大事だと思います。孤独で過ごすのはよくないと、精神科看護を教え学んできたことから思い返しています。


生活にリズムを取り戻す

今は、センターに通うことが、ささやかな喜びです。何より、気を遣わないセンターの雰囲気がとてもいいですし、家族も私が明るくなったと喜んでいます。


週1回、みんなと会うことで、生活にリズムを取り戻すことができました。ゴミ出しや家の掃除、読書など、忘れかけていたことが復活できたのです。とりわけ一番の趣味だった読書は、若い時に揃えた文学全集を再読する目標を立てました。

「とくしま希望大使」任命で、 後藤田正純徳島県知事と後藤さん


とくしま希望大使を拝命

「何時もスーツ姿なのはなぜ?」と聞かれましたが、やはり、公の場ではきちんとしていたいと思っています。

昨年、みんなからの推薦で、島田豊彰さんと共に「とくしま希望大使」に任命されました。お役に立つことができればと引き受けたのですが、高齢であちこちに行くのは難しいので、私にできる範囲で役割を果たそうと思っています。


※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2024年11月より抜粋・一部修正したものです。公益社団法人 認知症の人と家族の会ホームページはこちら


【認知症当事者の体験談 まとめ記事】~当事者が語る、認知症との歩み~

認知症は、「100人いれば100通りの症状がある」と言われています。一人ひとり、症状が異なるため、発症のきっかけや症状の変化、日々のケア方法なども異なります。本記事では、認知症当事者の方々のさまざまな体験談を紹介します。日々の予防やケア、認知症の当事者の介護の参考にしてみてください。

楽しく、あたまの元気度チェック(認知機能チェック)をしましょう

あたまの元気度チェックへ

メール会員のおもな特典

メール会員には、「あたまの元気度チェックの結果記録」に加え、以下のような特典があります。

身長や体重・運動習慣等を入力するだけで、将来の認知機能低下リスクをスコア化できます。

認知症や介護に関する最新のニュースやお役立ち情報を月2回程度お知らせします。