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京都旅行中の深川さんご夫婦の写真
2024.03.25

【認知症当事者 本人の声 vol.14】認知症になっても悪い事ばかりではない

年齢を重ねると物忘れが次第に増え、「ひょっとして認知症かも?」と思う方や「年だから仕方ない」と思う方がいらっしゃると思いますが、加齢による物忘れと認知症による物忘れは別物です。また、認知症と診断された後、この先誰に相談をすればいいのか不安になる方も多いと思います。


今回ご紹介する深川さん(60歳)は、診断を受けたものの、ご主人は単身赴任で別居生活のため不安な日々を過ごされていました。その後、世話人さんと出会い、いろいろな話を聞いてもらい、やっと安心できたとおっしゃる深川さん。診断前後の生活の変化、気持ちの変化を伺いました。



目次
・「お母さん、すぐ忘れる」~診断後の戸惑い~
・2年余の空白を経て、「家族の会」に繋がる
・この頃の思い~悪いことばかりではない~

執筆者画像
深川 亜姫さん
ご主人が長期の単身赴任中に、義父母の介護と子育て、家事と毎日孤軍奮闘していました。子どもの学校の用件を覚えていなかったり、宅配便の受け取りのサインが書けないなどが続き、ご主人に相談するも「年齢のせい」と言われ違和感を覚えながら生活をしていました。ある時、住所と名前を書こうとしても全く思い出せず、慌ててご主人と受診し、アルツハイマー型認知症(疑い)と告げられました。

「お母さん、すぐ忘れる」~診断後の戸惑い~

子どもたちが、学校のことを伝えたようですが、「言った」「聞いてない」の喧嘩が度々。宅配便へのサインが読めないような漢字になり、不思議に感じていました。単身赴任先から帰宅した夫も「年をとれば誰でも忘れることが多くなる」と言いますが、子どもたちは、腑に落ちないようでした。

ある時、住所と家族の名前を書く書類を夫から受け取ったものの、漢字が出てきません。何も思い出せません。頭の中が深い霧の中のようです。驚いた夫は、急遽会社を休み、近くの専門外来に一緒に行ってくれました。いろんな検査の結果、アルツハイマー型認知症(疑い)と告げられました。翌日、夫は赴任先に行ってしまい、私はどうすればよいのか、誰に相談すればいいのか、誰に頼ればいいのか、不安と絶望の中にいました。

2年余の空白を経て、「家族の会」に繋がる

ある休日に、市で開催された「つどい」に夫と一緒に参加し、そこで、世話人さんとの出会いがありました。初対面でしたが、この間のつらいことなど、いろいろ聞いてもらいました。

2022 年度に、支部で京都にバスで一泊旅行しました。翌年は日帰りですが、ひるがの高原に行け、嬉しかったです。支部の研修は時間もゆったり、事情を知り合った仲間たちなので、心に余裕もでき楽しめました。

この頃の思い~悪いことばかりではない~

認知症になっても悪い事ばかりではありません。忘れることも、できないことも多くなってきましたできないことは、皆さん親切で手伝ってくれます。声もかけていただけます。年齢、性別、障がいのあるなしにかかわらず、すべての人が一緒に楽しめるスポーツ『ボッチャ』による交流会もはじめました。運動音痴の私でも手軽にでき、皆さんと楽しんでいます。市のボッチャ大会に選手として出場しましたが、1勝もできませんでした。でも皆さんと楽しめたことは心に残り私の思い出です。

ぜひ、皆さん遊びに来てください。一緒にやりましょう。



※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2024年3月より抜粋・一部修正したものです。公益社団法人 認知症の人と家族の会ホームページはこちら

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