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2023.02.27

【認知症当事者 本人の声 vol.9】不安の中、気持ちを切り替える

公益社団法人 認知症の人と家族の会が発行する会報誌『ぽ~れぽ~れ』より、本人の体験談記事「私らしく仲間とともに」をご紹介します。


夫を早く見送り、娘さんが嫁いでから、要介護状態のお姑さんと息子さんの3人暮らしでしたが、54歳の頃にアルツハイマー型認知症の診断を受けました。最初は不安でしたが、今は講演活動などに楽しんで取り組んでいる、滝沢さんの体験談を長野県支部代表伝田景光さんの原稿から紹介します。



自身の変化に気づく

滝沢さんが職場でのスピードについていけないことに気づいたのは、54歳の頃でした。同僚たちに迷惑かけてはいけないと思い、退職しました。その後、受診してアルツハイマー型認知症との診断を受けました。


嫁いだ娘さんも心配して、支援者との話し合いに立ち会われましたが、子育て真最中でもあり、子どもたちに「こんな心配をかけて……」と、切ない思いでした。自身に起きた異変に恐れや不安はありましたが、「なってしまったものは仕方ない。できることをやっていこう」と、地域包括支援センターに相談に行きました。


早期にとり組まれた「居場所」づくり

地域包括支援センターと若年性認知症支援コーディネーターの筆者が、滝沢さんの「居場所」を検討しました。そこに、認知症サポーターとなり長野市の「認友登録」をしてNPO のボランティア団体に所属している長井きみ子さんから、「私、近所だし、うち(の団体)はどうかしら」と提案がありました。そこで、早期に滝沢さんを囲む支援の輪が動き始めました。


“ 本人ミーティングながの” につながる~滝沢・長井コンビの誕生~

本人が立ち上げた“本人ミーティングながの”のレギュラーメンバーとなって、旅行や調理など、積極的に参加し、また、長井さんとともに講演活動などに参加しています。この活動を通じて、長井さんは「サポーター」というよりも居心地のいい人間関係「パートナー」の感触を得ていきました。今では、高山村、須坂市などで各市町村から求められる講演への同行、本人交流一泊旅行など、いろんな町歩きも共に楽しんでいます。昔からのママ友も心配して、訪ねてくれたり、以前と変わらない付き合いが続いています。滝沢さんの人柄か、周りにはいつも誰かがいます。「なったものは仕方ない」「人の役にたてるなら」と、滝沢さん長井さんコンビの活動は楽しく続きます。



※この記事は『ぽ~れぽ~れ』(発行元:公益社団法人 認知症の人と家族の会)2023年2月号より抜粋したものです。公益社団法人 認知症の人と家族の会ホームページはこちら

【認知症当事者の体験談 まとめ記事】~当事者が語る、認知症との歩み~

認知症は、「100人いれば100通りの症状がある」と言われています。一人ひとり、症状が異なるため、発症のきっかけや症状の変化、日々のケア方法なども異なります。 本記事では、認知症当事者の方々のさまざまな体験談を紹介します。日々の予防やケア、認知症の当事者の介護の参考にしてみてください。

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