認知症になると「ひとり歩き」「もの忘れ」といったさまざまな症状があらわれることがあります。介護する家族からみれば「なんでそんなことするの…?」と、理解できないような行動をとることもあるでしょう。
今回は、そんな「認知症の方」と「介護する方」に注目した書籍であり、現役介護福祉士インフルエンサーが執筆した「認知症の人、その本当の気持ち」をご紹介します。
認知症になると「ひとり歩き」「もの忘れ」といったさまざまな症状があらわれることがあります。介護する家族からみれば「なんでそんなことするの…?」と、理解できないような行動をとることもあるでしょう。
今回は、そんな「認知症の方」と「介護する方」に注目した書籍であり、現役介護福祉士インフルエンサーが執筆した「認知症の人、その本当の気持ち」をご紹介します。
認知症は、さまざまな原因により脳の機能が低下して、記憶・判断力などの障害が起き、日常生活がうまく行えなくなる病的な状態です。脳の機能が低下すると「中核症状」といわれる下記の症状がみられます。
記憶障害 | 認知症で早くからみられる症状です。
「起きた出来事が思い出せない」といった症状が出ることがあります。 |
見当識障害 | 見識とは時間・場所・季節などの周囲の状況を把握する能力です。 「時間や場所が分からない」といった症状が出ることがあります。 |
理解・判断力の低下 | 情報を処理して判断する能力が低下します。症状の例は 「ものごとの理解に時間がかかる」「同時に複数のことが起こると処理できない」などです。 |
実行機能障害 | 実行機能とは、目標のために計画を立てて遂行する能力
です。症状の例は「効率よく料理ができない」「優先順位がつけられない」などがあります。 |
失行・失認 | 症状の例は下記です。
失行:「身体機能に障害はないのに服が着れない」 失認:「視力に障害はないが目の前のことを認識できない」 |
※中核症状の詳しい内容は「認知症の主な症状1:中核症状」でも解説しています。
「中核症状」に本人の性格や、生活環境などの要因が重なり「周辺症状(BPSD)」が出るといわれています。
「周辺症状」には、一見すると周囲が理解しがたい「ひとり歩き」「便を触ってしまう」といった行動や、「興奮・暴力」のように性格が変化したように思えるものもあります。
【周辺症状の例】
● ひとり歩き
● 便いじり
● 興奮・暴力
● 意欲がなくなる
● 被害妄想がでる
これらはを「理解できない行動」と思う方もいるかもしれませんが、こうした行動には理由があるのはご存知でしょうか。
たとえば「ひとり歩き」は、第三者からみれば「意味もなくさまよっているようにみえる」かもしれませんが「見当識障害があり家の場所が分からずただ困って歩いている」のかもしれません。
また、認知症による「興奮」「怒りやすい」といった変化も、「記憶障害や、見当識障害により周囲の状況が分からずイラだっている」という可能性もあります。
周囲からすれば「なぜ?」と思う認知症の方の行動は、認知症の中核症状に、本人の気持ちや、周囲の環境が影響を及ぼしてあらわれるものなのです。
「認知症の人、その本当の気持ち」がKADOKAWAより発売
「認知症の方の対応で肝心なのが相手の立場に立って考える」ということです。しかし、なかなか難しいと考える方も多いのではないでしょうか。
2月21日にKADOKAWAから発売された「認知症の人、その本当の気持ち」は、そんな認知症の方の気持ちに寄り添うヒントが綴られている書籍です。
筆者である「たっつん介護部長」はX(旧:Twitter)で3万人にフォローされているインフルエンサーです。介護士歴は18年、介護部長を15年勤める介護の有識者であり、Xでも日々介護にまつわる、ほっこりするもためになるエピソードを発信しています。
認知症と介護士の心温まる、そしてどこか笑ってしまうエピソードが収録
たっつん氏のXの投稿の中でも、特に注目されたものが取り上げられています。Xでたっつん氏の人柄に触れている方なら「彼らしい。」と思うような、認知症の方と介護士の「あたたかくも、どこか笑ってしまうようなエピソード」が綴られています。
下記の本書の抜粋となる画像です。
また、「ただ面白い読みもの」ではなく、具体的な認知症の方のエピソードに対して、その対応が記載されているので、介護士の方には参考書にもなる1冊です。
書籍の後半では、たっつん氏が在宅介護をした経験から「介護を続ける難しさ」と、そこから学んだことが記載されています。終始、より添うようなやさしい文章で、介護士、介護をする家族の方であれば、どこかで胸に刺さるようなワンフレーズに出会えるでしょう。
認知症の方の気持ちに寄り添った介護を
本記事は、KADOKAWAから出版された「認知症の人、その本当の気持ち」をご紹介しました。本書はインフルエンサー兼介護士歴18年の有識者である「たっつん介護部長」が執筆した書籍です。介護現場での心あたたまるようなエピソードが記されています。
たっつん氏自身も日々SNSで介護について有益な情報を発信しています。まだ、彼を知らない方はぜひフォローしてみてください。
■書籍情報
『認知症の人、その本当の気持ち』
著者:たっつん
SNS:https://x.com/tattsun_cw?s=20
発売:2024年2月21日(水)※電子書籍同日配信
定価:1,540円(本体1,400円+税)
ページ数:200ページ
イラスト:谷端実
発行:株式会社KADOKAWA
楽しく、あたまの元気度チェック(認知機能チェック)をしましょう
あたまの元気度チェックへ身長や体重・運動習慣等を入力するだけで、将来の認知機能低下リスクをスコア化できます。
認知症や介護に関する最新のニュースやお役立ち情報を月2回程度お知らせします。