どんな研究?
久山町研究は、福岡県糟屋郡久山町の住民を対象に行われている、生活習慣病の疫学調査*です。1961年に脳卒中の調査から始まり、認知症の研究は1985年に開始されました。疫学調査では、認知症のように発症メカニズムや治療法が解明されていない病気でも、統計から予防手段を見つけることが可能です。現在では生活習慣病全般をテーマに、研究が続けられています。
この研究は日本の生活習慣病の今後を予測し、国として予防策をとる上でも重要な資料です。例えば、2025年に認知症患者が700万人に達すると予測されていますが、その数値も久山町研究のデータから算出されたものです。
*特定の集団を対象に感染症や生活習慣病などの頻度や分布を調べ、その発生要因について統計学的に調査するもの。
久山町研究が注目されている理由
久山町の住民は、年齢・職業分布が全国平均とほぼ同じ。つまり、研究に最適な偏りのない日本人のサンプル集団なのです。長年を経ても、都市計画によって状況は維持されていますので、この町で起こっている現象は、日本で平均的に起こっていることだと考えられています。
その他、以下のような特徴も併せ持っており、精度の高い調査として認められています。